・先行き不透明な「アウト」キーワード 4つ
前回発表したが先行き不透明なキーワード。今、そのトレンドがあるが、3ヶ月後には無くなるかもしれないもの。
1) iPad
2010年4〜6月期の「ニュー」キーワード。
日本で5月に発売され、国民的話題となった。外食でも当初、今まで来てくれないような客層も集客できると期待された。メニュー替わりに使ったリ、雑誌などのように無償サービスとして提供するケースが出てきた。しかし、メニュー替わりとしては、現状は紙製でも十分に対応できる程度の内容であり、iPadならではのお客を驚かせるクリエイティブが生まれていない。iPadよりもiPhoneなどスマートフォンの普及が進んでおり、重量面からも使い勝手が良く、お客は店内で自分のiPhoneをいじることで満足しているようだ。
一部ワインメニュー用に使う動きもあるが、ワインの選択は店側とお客とのコミュニケーション機会にもかかわらず、iPadに頼ることはそれを断つことに繋がる。長引く不況の中、リピーターを増やして売上を確保すべき。その為にもアナログのコミュニケーションを重視すべき。
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2) ノー残業デー
2010年4〜6月期の「ニュー」キーワード。
労働時間の短縮や経費の削減の一環として“ノー残業デー”を導入する企業が増えている。早々と帰宅したり、趣味に時間を使うなど、外食に立ちよらない消費者がじわじわ増える可能性がある。しかし現在のところ、早い時間から飲みに来てくれる、下がったなど店は一部で、変わらない、影響を感じないという反応が大半。
景気低迷は未だ続きそうだが、ノー残業デーの有効活用についてのマスメディア掲載も今のところほとんどないので、消費者が大挙して同じ行動を取るということはなさそう。ノー残業デーは三々五々に過ごすこととなり、立地や業態によって影響はまだら模様という感じ。
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3) エクストラコールド
銀座中央通りに期間限定で誕生した「アサヒスーパードライエクストラコールドバー」。毎日行列が絶えなかった。
2010年4〜6月期の「ニュー」キーワード。
記録的な猛暑を追い風に夏場の話題をさらったマイナス0度のエクストラコールド・ビール。「アサヒスーパードライ・エクストラコールド」の発売に端を発し、先行販売していた「ハイネケン・エクストラコールド」も人気となった。エクストラコールド・ビールを扱っているということで集客に繋がった店も多かった。また、単価アップ商材として貢献した。来年の夏場、競合他社も巻き込み、マイナス0度のエクストラコールド・ビール戦争が燃え上がる可能性がある。
また、エキストラコールドは特に女性に人気があり、女性にビールを飲んでもらう機会を作り、また女性が好むビール開発のヒントとなったそうだ。
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ハイネケンも“麦芽100%”。しかも、飲みやすい。マイナス2度でも美味しい。ハイネケン
ジャパン株式会社(2009年3月27日)
4) フリー
焼酎無料で大きな話題となった「居酒屋革命」 大山総本店。
2010年4〜6月期の「ニュー」キーワード。
何かの利益をあえて犠牲にすることで、集客力をアップさせて、さらなる利益を上げるというフリー。焼酎タダという「居酒屋革命」が話題をリード。それにあやかろうと、焼酎フリー、ハイボールフリーなどを採用する店が出て来た。しかし、その他の商品で儲けようとするため、お客には割高感が感じられた。現在、フリーを謳い文句に集客する店はほとんどなくなった。
フリーは、当然のことながらおとり商品。それが消費者に浸透したため、フリーの効果は無くなった。
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