・月商1億円の大ヒット、「カリカリまだある?」
スイーツ業態を含むレストラン業態、カレーとオムライスの業態、そしてジュース・バー業態、この3業態を飲食店の3つの柱とするYOSHIMIであるが、ここ数年急速に売上を伸ばしているのが、リテール(物販)領域である。
店舗展開している「熟成三十年カリー」や「スープカレー」だけでなく、独自に開発したカレー風味のせんべい「カリカリまだある?」も販売。昨年4月の発売以来順調に売り上げ、今では月間15〜16万ケース、約1億円の売り上げを誇る商品となっている。
YOSHIMIが地元北海道の岩塚製菓千歳工場に製造委託した札幌カリーせんべい「カリカリまだある?」は、空港ビジネスのJALUXに卸しJALUXから北海道観光物産興社へ、そして小売店にて販売されている。空港の売店やお土産店等で販売し、そこで人気に火がつき、北海道土産として物産展などに出品されることで、北海道土産としても注目されるようになった。今年の夏休み期間の北海道土産ランキングでは、これまでの定番だった「白い恋人」などをおさえ、カルビーの「じゃがポックル」に次いで第2位にランクインした。(1店舗当りの単品別ランキング・流通しんぽう調)
そして、今年7月には「熟成三十年カリー」をベースとして開発された「札幌カリー」がJAL国際線の機内食(エコノミークラス)に選ばれ、現在20路線で搭載されている。物販もますます好調なYOSHIMIであるが、今後の店舗展開にも意欲的だ。
「熟成三十年カリー」
「特製ハヤシソース」
「“絶対立地”というのがあると思うんです。(絶対的な好立地という意味。)今は、駅とアウトレット、立地ではないですがインターネットの時代だと思っています。忙しい現代人は、必ず利用する駅で買い物を終わらせたいと思いますし、インターネットで何でも買えてしまう。この傾向はこの先もどんどん進化していくと思っています。アウトレットについては、10年後はどうかわかりませんが、少なくとも今は注目すべき立地です。」と語る勝山氏。この絶対立地をベースに店舗展開、物販を展開していきたいと考えているようだ。専門のシェフを必要としない、カリーとオムライス業態は特に展開を広げていきたいという。
インターネット(物販、ホームページ運営含む)に関しても注力している。プログラムを専門とする社員が2名(社員44名のうち)おり、インターネット販売の専門社員もいる。見せ方が重要と語る勝山氏自ら、ホームページの写真の撮り直しを指示するなど、こだわりを持ったページ作りをしており、充実したホームページとなっている。
勝山氏の天性の鋭い感覚と強いこだわりの上に発展してきたYOSHIMIブランド。カレーのみならず、スイーツやジュースバーなど新たな業態へ、さらには物販へと広がりを見せる。ますます加速するその勢いから目が離せない。
■勝山 ヨシミ(かつやま よしみ)
株式会社YOSHIMI 代表取締役。1951年生まれ。北海道出身。レストラン「ヨシミ」を始めとし、カリーレストラン、スイーツ業態など札幌を中心に全国11店舗を展開。「札幌カリーせんべい カリカリまだある?」、「熟成三十年カリー」他、リテール商品の開発販売も行う。「YOSHIMIの札幌カリー」が2010年JALの国際線機内食に選ばれた。
→「YOSHIMI」