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・外国人や外国帰りの顧客対策にはフェイスブックは効果的
昨年11月11日にオープンした、六本木交差点近くのビアバー「アントンビー(Ant’n
Bee)」では、オープンに際して「フェイスブック」のファンページを開設した。同時に、公式ブログ、ツイッター、フォースクエアも始めており、ネットのツールを駆使して集客している。

「アントンビー(Ant’n Bee)」店内。

看板。
経営するディナーラッシュ(本社・東京都港区六本木)の泉一雄社長は、「フェイスブックは世界規模のミクシィですから、日本に住んでいる外人さんはフェイスブックを見てという人が多いです」と、「フェイスブック」の効用を語る。
なるほど、六本木ともなれば特に欧米出身で日本に住んでいる人もよく訪れる。また、欧米から観光に来た人も、「フェイスブック」を見てお店にやってくることもあるかもしれない。旅行社の人たちが「フェイスブック」ユーザーであるケースが多いので、お店を推奨してもらえる可能性が広がるのだ。
「海外暮らしの長い日本人の方もフェイスブックをよくご覧になっていらっしゃいます」と泉社長。海外を意識した場合に、「フェイスブック」のファンページは効果を発揮するというわけだ。
ディナーラッシュの1号店、バー「アボットチョイス」六本木店がオープンしたのは2005年。以降、中野店、新宿店、新宿3丁目のバーラウンジ「BLNC」と1年に1店くらいのペースで拡大して、5店目が「アントンビー」である。
「アントンビー」は地下1階にあるが、「アボットチョイス」六本木店は同じビルの2階にという位置関係だ。
そうした中、同社では一昨年の夏頃から、「ツイッター」に全社を挙げて取り組みようになった。泉社長によれば「ツイッターで集客できるか、皆で検証してみよう」といったノリであったそうだが、今は社員の80%が「ツイッター」のアカウントを持って、つぶやいている。会社用と個人用でアカウントは使い分けている。
それによって、対外的に新しいことに取り組む会社とのイメージが広がりブランディングができた。しかも、社内的にも連帯感が強まるといった、思わぬプラス効果も出た。
「1年間皆でツイッターでつぶやいた結果、別々に来ていた常連さんがつながって、お店でリアルに交流を始めています。そういう下地があったので、アントンビーがオープンした時はお客様の8割から9割がツイッターがらみでした」と、泉社長は「ツイッター」によって既存店が理想的に回り始め、新店の集客の口コミにも威力を発揮したと語る。
「ツイッター」のフォロワー数は、「アントンビー」と「アボットチョイス」を合わせて900人ほど。今や何万人もフォロワーがいるケースも珍しくないが、バーの場合リアルに顧客になる人がフォローすればいいのであって、この程度で十分のようだ。
「フェイスブック」はまだ会員数が少ないので顕著な効果は出ていないが、海外に関係する人にリーチできるほか、トレンドを早く取り入れる人、本名で登録するためか信頼できそうな人が多く、泉社長はフェイスブックに登録している人が全般に好きなのだそうだ。「ツイッター」と同様、1年ほどをかけて検証していくことになるだろう。
「フォースクエア」は場所に連動しており、チェックインがリアルにわかるので、同じく検証している最中だ。
同社では「アントンビー」のほか、「アボットチョイス」各店の「フェイスブック」ファンページもある。
「アボットチョイス」は「フェイスブック」、「ツイッター」のほか、ホームページ、ブログ、「ぐるなび」、「食べログ」とページを持っている。新規にお店に関心を示してくれる最初の入口は「ツイッター」で構わないが、その後来店までにどんな店なのか、検索する段階を踏む。その際、さまざまな情報源があったほうが有利だからだ。
そういったインターネットツールを駆使した効果もあって、既存店で前年を割っている店舗は1つもなく、一番成績の悪い店でも102%と好調である。
しかし「アントンビー」では「ぐるなび」とホームページの展開は省略されており、「ツイッター」のフォロワーが増えたので、どうしても必要なものではなくなったのかもしれない。
「ミクシィ」は創業した頃は集客に顕著な効果があり、今も1日に1組くらいは「ミクシィ」経由の新規客が来るほど恩恵をもたらしてくれているのは事実。
しかし泉社長は、「最近のミクシィは登録する人数が増えすぎて、会員のマナーも悪くなっています。鮮度が落ちたということですね」とのこと。
閉じたコミュニティである「ミクシィ」は、参加者にしか情報が届かない限界を有している。その点、開放された体系の「ツイッター」には伝播力があるし、「フェイスブック」のファンページは友達以外に人にも開かれているので、ホームページのように情報が広く目に触れる可能性がある。
「アントンビー」の顧客層は20代後半から40代がコア。サラリーマン、OLのほか、デザイナー関係の人も多い。男女比は6:4で男性がやや多い。席数は30席。客単価は3000〜3500円といったところだ。
ビールは日本のクラフトビールが中心で、常時21、2種類のビールを提供しており、希少な地ビールも多数扱っている。

アントンビーでは常時21、2種類のクラフトビールを提供。
フードはフィッシュアンドチップス、自家製コンビーフ、牡蠣のオイルマリネ、自家製ドライトマトのオイル漬などが人気がある。近々イタリアからパスタマシンを輸入して、自家製麺のショートパスタを提供する予定だ。

アントンビーのフード類。
ビールは毎日替わるメニューが楽しく、蔵元への発注からお店に届くまでが、「ツイッター」と「フェイスブック」で公開されている。両方のユーザーが、たとえば巨峰の香りがする「巨峰ルビーエール」をワクワクしながらお店に入荷する日を待ちわび、早速飲みに来るといった演出ができるわけだ。

色とりどりのクラフトビール。
ネットを見ている人は「おいしそう」、「飲んでみたい」などと書き込み、「アントンビー」の店員は顧客の質問などに答えていくやり取りが、その間行われるわけだ。
その意味では、「ツイッター」と「フェイスブック」の機能は似ているが、先述したように「フェイスブック」のほうが外国人や海外帰りの日本人に強いこと、ホームページのように情報がプールしやすいメリットがある。