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ツイッター、ブログ、HP、動画と連携して集客力アップを!
〜フェイスブックは外食の集客、販促にここまで使える!〜(5−5)

2011.2.18
映画「ソーシャル・ネットワーク」の公開で盛り上がる、米国版「ミクシィ」の「フェイスブック」。実名で登録することから、顔が見える顧客にリーチしやすいのではないかと産業界からも注目されている。週刊「ダイヤモンド」などでも特集され、日本でもユーザーが急増していると聞く。「フェイスブック」は昨年の「ツイッター」のようなブームになるのか。外食ではどんな活用の仕方があるのか。先端的な事例を取材してみた。5回シリーズ。レポートは長浜淳之介。


フェイスブックコーナーが設けられた書店。映画の効果で売れているという。

・ツイッター、ブログ、HP、動画と連携して集客力アップを!

 以上、外食の「フェイスブック」活用事例として、「豚組」「泡組 壌」のグレイス、ビアバー「アントンビー」、大阪王将、安楽亭と見てきた。また、日本の食の関連企業では最も「フェイスブック」閲覧者数の多い、ローソンも取り上げてみた。

 どの会社も日本ではまだ先例がないために手探りで進めている感があったが、もっとユーザーが増えれば面白くなるのではないかと、手ごたえを感じていることもわかった。

 現在の日本の「フェイスブック」ユーザーはほぼ全員、「ツイッター」ユーザーである。なので、インパクトある情報ならリツイート(RT)で瞬く間に伝播する「ツイッター」を補完するツールとして、静的に長く見せたい情報を置く方向で考えられているようだ。「ツイッター」と「フェイスブック」はワンセットの集客ツールと見たほうがいい。

「フェイスブック」はいわば米国版「ミクシィ」で会員制サイトであるが、日本の3大SNS(ソーシャル・ネットワークング・サービス)「ミクシィ」、「グリー」、「モバゲータウン」にない機能がある。

 それは、ファンページ改めFacebookページを作成できること。Facebookページは通常の個人ページと異なり、友達でなくても共感、共鳴を表明する「いいね!」ボタンを押せば、書き込みに対してコメントすることができる。というより、「いいね!」を押した共感者のアイコンが左脇に表示されるくらいで、個人ページのように友達か否かを問題にしていない。そもそも友達とはリアルに知っている人といった意味合いがあり、「いいね!」を表明した共感者は賛同したということであって全く知らない人でも構わない。


Facebookページ(旧ファンページ)作成画面。

 しかもFacebookページ(旧ファンページ)は複数作成しても構わない。たとえば店ごとにFacebookページが作れるのだ。そして、外食に限らず企業やお店がビジネスに使うなら、Facebookページを活用することになる。

 なぜなら、「ツイッター」と同様、かなりゆるいつながりの中で、双方向コミュニケーションが取れるからだ。しかも、Facebookページ(旧ファンページ)は「ツイッター」と同じく、書き込みを誰もが見ることができる。会社概要などをホームページやブログのように公開でき、「グーグル」、「ヤフー」のような検索ツールで調べて閲覧できる。つまり会員だけが見れる「ミクシィ」のコミュニティのような、閉鎖的空間ではないのだ。

 今は日本のSNSも同じような共感ボタンを設置しているが、「フェイスブック」では最近より進んで、Facebookページ(旧ファンページ)の管理者が、個人としてとは別に他のFacebookページを訪問して「いいね!」ボタンを押し、Facebookページ同士で交流する道を開いた。

 つまり、企業と企業、お店とお店が、プライベートとは切り分けて「フェイスブック」の Facebookページを通しておつき合いすることができるようになったのだ。これはとても重要な新機能で、元々ビジネス用途が多かったFacebookページ(旧ファンページ)が爆発的に広がる予感がする。

 日本では今後、プライベートの交流ではセキュリティーの強い匿名主義のドメスティックな「ミクシィ」、「グリー」、「モバゲータウン」。ビジネスでは実名主義の「フェイスブック」をFacebookページ中心に使うといった、SNSの棲み分けが進みそうだ。

 Facebookページはアプリを使ってカスタマイズもできる。「大阪王将」が都道府県のリストを作成して、公式ホームページの店舗一覧に誘導する事例を紹介したが、工夫次第でホームページやブログと連動した集客法も可能だ。単純にリンクを張って飛ばすこともでき、動画も張れるので「You Tube」、実況サイト「USTREAM」と連携させることもできる。

 Facebookページ(旧ファンページ)の外食以外の成功例としてよく挙げられるのは、アパレルの「サティスファクション・ギャランティード」、「ユニクロ」、「無印良品」などだ。

「サティスファクション・ギャランティード」の「いいね!」数は25万7千人以上。海外進出を視野に英語を併記したことが功を奏しており、「いいね!」ボタンを押した9割が外国人とのこと(「週刊ダイヤモンド」2011年1月29日号、「2011年フェイスブックの旅」特集より)。

「ユニクロ」もまた、海外を視野に入れた展開で、「Worldwide」というカスタマイズページを開くと世界地図が現れ、たとえば「US」のアイコンを押すと米国向けFacebookページへのリンクが出現する。

「アントンビー」では「フェイスブックは外国人や海外から帰ってきた日本人に反響がある」と話していたが、実際その通りであると証明されている。

「無印良品」も海外向けFacebookページを作成しているが、それだけではなく「polls」という無料で択一式アンケート作成コーナーを活用して、システム投資コストを削減しているという(上記「週刊ダイヤモンド」より)。ここでの顧客アンケートは「バレンタインに贈ってもらいたいチョコは?」などといった簡単なものだ。


無印良品のフェイスブックにある、選択式顧客アンケート。

 ちょっとした工夫で「フェイスブック」をより使えるようにした外食の例では、青山の鶏料理屋「ひごの屋」が、メニューブックをJPEG化して写真として掲載したのが面白い。これによって、スマートフォンを持って来店した人が、画面を見ながら注文しやすくなった。

 欧米を中心に世界に広がる「フェイスブック」の流行は、「ツイッター」と同様、「iPhone」や「Android」といったモバイルの普及が後押しした面がある。携帯でインターネットをする国はこれまで日本くらいで、それで日本独自のSNSも発達したわけだが、昨今のスマートフォンの普及で、チュニジアとエジプトで革命が起き、さらにイエメン、バーレーン、アルジェリア、リビアなど中東諸国にも波及しているのだから、大した影響力だ。

 モバイルでどう使うかを意識して「フェイスブック」を活用することで、成果が得られるだろう。

 さて、昨今は「ぐるなび」、「食べログ」という、2大強力グルメサイトも万能でないと知られてきた。「ぐるなび」は有料でサイトを活用してくれる店を優遇するので、本当においしい店が埋もれるリスクがある。「食べログ」はグルメファンが採点するのはいいが、特定レビュアーの意見に左右され点数の上下が飲食店にとってはストレスだ。

 それに対して「ツイッター」では顧客、見込み客と交流して、必要ならクーポンなど割引情報も出せることである程度「ぐるなび」の代用になるとわかった。

 そして、グレイスの中村仁社長が指摘するように、共感を表明した「いいね!」を押してくれる「フェイスブック」のFacebookページに集まってくる人たちが、プラス評価をしてくれることによって、「食べログ」のストレスを薄めてくれる効果が期待できるようになってきた。

 これからはFacebookページの「いいね!」とコメントの数で飲食店が評価されるようになるかもしれない。「いいね!」は後から取り消すこともできるし、「いいね!」の数のわりにはコメントが少ないと最近店のパワーが落ちたのではないかといった推測もつく。
 
「いいね!」ボタンはさまざまなWeb上に置くこともできるので、共感、共鳴の輪がどんどん広がる可能性がある。

 日本でもヒット中の映画「ソーシャル・ネットワーク」を見ると、「フェイスブック」が当初ハーバード大学の学生が、学内で恋人を探すための一種の出会い系サイトとして始まり、数々の金銭トラブルを抱えながら成長したことがわかる。

 そもそもの発祥からして出会いを重視しているので、ビジネス特化型のFacebookページでも、さまざまな出会いからビジネスチャンスが生まれる可能性がある。

 創業者のマーク・ザッカーバーグ氏は26歳にして億万長者。ビジネスに対しては非常にシビアな面も持っているようだ。

 まだ創業して7年の若い会社なので、これからも「フェイスブック」のサイトには変化があるだろう。

 しかし、幾つもの国の体制を変えてしまうほどのツールなので、「ツイッター」とともに只者でないことは確かだ。

 中国本土のように規制の強い国では使えないが、特に海外に進出する際には、力強いパートナーになってくれるだろう。


【取材・執筆】 長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ)  2011年2月10日執筆