*バックナンバー
・米国でのレストランの作り方
「レストランを作る時、保健所や建築局からの工事許可が下りるまで最低でも2ヶ月かかります。スケルトンからだと3~4ヶ月かかる。さらに工事が4ヶ月。壁が出来ると検査官が来てOKをもらって初めて色が塗れる。店が出来るまでに18回のチェックです。4ヶ月かかるのは仕方ない。」
「リカーライセンス取得にはもっと時間がかかります。コミュニティーの公聴会をやって反対が出ると、次の公聴会までに根回しです。最終的には大きな公聴会が開かれて決まります。住民の方から条件が出されます。例えば、ハッピーアワーで大きい看板を出さないとか。せめぎ合いが2、3回続きます。ウチが出店した場所は、レストランを増やしたくない人が多かった。苦労しましたが、エージェントを利用して獲得することが出来ました。」

「Robata JINYA」 店内。

「Robata JINYA」には甲冑がディスプレイされている。
ラーメン単品8.55ドル。餃子、サラダ、ソフトドリンクのコンビネーションで食べるので客単価は14ドル。炉端の客単価は35ドル。ニューヨークに比べ、日本のラーメン店は少なく、価格も安い
「ロサンゼルスとニューヨーでは単価が違います。ニューヨークの一風堂(14ドル~)のような値段は受け入れられない。ロサンゼルスでは50ドルで高級店です。ウチは白人客を狙っています。特にセレブ層。現在も9割が白人で、日本人は数えるほどしかいません。日本人に評価されても先はないです。」

トンコツラーメン「Ramen JINYA」ファサード。

トンコツラーメン「Ramen JINYA」はテラス席もある。

トンコツラーメン「Ramen JINYA」のカウンター。
「本気でやろうと思ったのは2年前。日本と行ったり来たりで物件を探し始めました。英語はほとんどしゃべれません。向こうでレストランやってる日本人の知り合いができて そこから色んな方を紹介してもらいました。米国人の友人もできました。」
「ロサンゼルスに会社を設立したのは2008年10月。そこから物件探し。住所なしの外国人は信用なくて、なかなか貸してくれませんでした。米国ではクレジットヒストリーが重要です。クレジットカードを使って返すというヒストリーを作る。銀行口座は住所があれば作れます。それでもクレジットカードはもらえない。日系企業のクレジットとキャッシュカードの合いの子みたいなのをまず作る。500ドルしか使えない。それが1年経つとヒストリーが出来て、ちゃんとしたクレジットカードが申し込める。いくら使っていくら返しているかが、信用になる。日本のアメックスをいくら使っていても関係ないです、米国のカードでないと。法人も経営者個人のヒストリーがチェックされます。ヒストリーがあれば連帯保証を付けなくてもよくなります。」
「保証金は1ヶ月。ラーメン店は開店するまでフリーレントという契約を結びました。契約5年でオプション5年。順調にいくと5年後にオプションが付いていると、続けて10年借りられます。オプションなので借りなくてもいいんです。10年契約して1ヶ月でダメになると、後が決まらなければ残りの9年11ヶ月間の家賃を払わないといけない。」
「米国では店を売るというビジネスが成り立ちます。炉端も開店1ヶ月で韓国人からオファーがありました。上手くいけば高く売れる。大家は新しい人と再契約。リカーライセンスは場所に付くので転売できる。営業許可は、作られた時の法律が生きる。仮に30年前に作られた店とすると、3ヶ月以内に次の人がレストランをやれば30年前の法律が生きる。でも3ヶ月以上閉めて改装すると今の法律になる。トイレが1個が2個に、柱が要らなかったものが要るようになる。引き継いだ方が有利です。」
「何もない箱からレストランにすることは出来ません。レストランがあった場所にしかレストランは作れないのが法律。ラーメン店は80年前にレストランだった物件。それで通るはずでしたが、通らなかった。歴史的な古いビルで外観を変えてはダメ。内装に入る時に許可が下りず半年間待たされました。大家さんが動いてくれてようやく許可が下りたんです。」
「開業費は、炉端は45坪で3500万円。ラーメンは35坪で1500万円以下。大家さんがダクトやグリストラップの費用を持ってくれました。レストランが流行ると建物の価値が上がるので投資してくれる。ノウハウがあれば安く作れます。近くに25坪で弁護士費用も含んで6000万円かかった店が出来ました。でも、ウチがやれば半分で出来ます。日本人が日本人を騙すんです。日本人同士で安心してしまう。ウチは聞いていたのでアメリカ人を使いました。」