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弁当、ケータリング、シェフ派遣まで応えるエリオ・ロカンダ。
~ロケ弁、接待弁当でプラスアルファを稼ぐ方法~(5-3)

2011.6.22
大震災以降、現状の厨房、店舗設備を使って売上を伸ばす、外販に注目するレストランが増えた。テイクアウト商品を売るのもいいが、攻めの営業なら、まとまった数が出るTV局のロケ弁、法人向けの接待弁当、会議弁当、パーティー向けケータリングを狙ってみてはどうだろうか。5回シリーズ。レポートは長浜淳之介。


顧客の要望に臨機応変に応じるケータリング。

・弁当、ケータリング、シェフ派遣まで応えるエリオ・ロカンダ。

 半蔵門にあるイタリアンレストラン「エリオ・ロカンダ・イタリアーナ」では、従来から好評を博していたケータリング部門を拡充するため、昨年江東区扇橋にセントラルキッチンをオープン。弁当、デリバリー、シェフ派遣などさまざまなケータリングに積極的に取り組んでいる。


エリオ・ロカンダ・イタリアーナ外観。

 イタリアンの弁当とは珍しいが、しかも本格的なレストランが手掛けているとあって、ファッション業界をはじめ会社の会議やミーティング、テレビのロケや撮影に重宝されているという。

 同店エグゼクティブシェフのジェルマーノ・オルサーラ氏によれば、「イタリアではキャンプ場などに出かける時に、人数分のラザニアや前菜を、いつも行っているレストランに注文しておいて持ち帰ることはよくある」そうで、レストランでのテイクアウトが一般に浸透している。


エグゼクティブシェフのジェルマーノ氏とステファノ氏。

 しかし、イタリアには日本のような弁当というスタイルはなく、顧客のニーズに副って試行錯誤しながら2年ほど前に形にした。例えば、レストランで出している南部イタリア・カラブリア州の味を弁当でも楽しんでもらうために、運んでいる最中に型崩れしない料理、冷めてもおいしい料理を選んでいる。

 彩りも美しい「エリオ・ロカンダ・イタリアーナ」の弁当は、1000円、2000円、3000円の3種類。3日~1週間前の予約が必要で、最低注文個数は基本、1000円が30個より、2000円と3000円が20個よりとなっている。3000円の弁当では、1つの弁当箱の中で、前菜、メインの肉料理や魚料理、副菜、パスタ、デザートと、コース料理をイメージした表現がなされている。


1000円の弁当。試行錯誤を重ねて形にした。


2000円の弁当。華がありデザートまで付いている。


3000円の弁当。コース料理がイメージされている。

 全てホームメイドであり、チーズ、パスタなどのイタリアらしい食材は、イタリアから輸入するか、店でつくっている。野菜はフレッシュなだけでなく有機栽培で、原発事故による放射線物質の付着の心配がない西日本、京都、北海道の産品を使い、神経質になっている外国人でも安心して注文できる体制を整えている。

 また、ベジタリアン向けメニュー、学校のイベントでの子供向けメニューといった、細かい顧客の要望に、臨機応変な対応を行っているのも、同店の弁当の魅力だ。オプションでミネラルウォーターのような飲み物も付けられる。デリバリー可能な地域は23区内とその近郊で、少し遠い地域は運搬費を負担してもらうことになる。多い時は一度に500個の注文が入ることもある。

 元々同店では、弁当を始める前から、1996年11月のレストランのオープン時よりケータリングには力を入れており、各種イベント、パーティーに対応してきた。ファション業界をはじめインターナショナルな顧客がいるので、ベジタリアン向けの注文、見た目が鮮やかなフィンガーフードの注文などさまざまなニーズにこたえる。


ケータリングは場所の選定やテーブルコーディネートにも応じる。

「お客さんの電話を受けて、場所はどこで人数は何人で予算は幾らか、アレンジはあるのか、食べる時間はどのくらいか、それによってプランを提案します。2~4時間の大きなイベントやハウスパーティでは、お店からシェフを派遣して料理をつくることもできますよ。20分しか食べる時間がない時は弁当がお勧めです」と、同店を経営する紀尾井コーポレーションのケータリングPRマネージャーを務めるイレネ・ヤンノッティさん。

 会社の社長たちが集まる6人くらいのプライベートなディナーや誕生会といったハウスパーティー、記者発表のような大勢が集まる場での立食パーティー、さらにはウェディングまで、さまざまなデリバリーのプランが提案できるだけの経験を積んできた。さらには、江東区のセントラルキッチンでは、イタリアからの天然酵母を使用したホームメイドのパン、ラザニアなどのテイクアウトも行っている。


パンは酵母をイタリアから輸入してホームメイド、チーズは輸入物とホームメイドがある。
 
 ホームページでは、「ヴェラ・イタリア」というイタリアンライフスタイルの直輸入品通販サイトもオープンしており、パスタ、チーズ、ワイン、生ハム、オリーブ油、ベネチアングラス、ジュエリーなどを買うことができる。

 顧客の口コミから始まった「エリオ・ロカンダ・イタリアーナ」のケータリング事業は、今やホームページでも受け付けるだけでなく、レストランとの相乗効果で、専門のセントラルキッチンを有するまでに発展してきた。顧客の要望に耳を傾ける真摯な姿勢が支持されている。

【取材・執筆】 長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ) 2011年6月20日執筆