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今はや 〜今流行っているお店〜
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5分おきに来客、地元で絶大な人気。
「イタリアン酒場 NATURA 〜ナチュラ〜」
(神奈川・武蔵小杉/カジュアルイタリアン)

第6回 2011年1月5日

今流行っている店は、どんな店?なぜ流行っているのか?実際に営業中に店を訪れ検証。「次に流行る店」=“次はや”に対して“今はや”。流行りの店の秘密をレポート!レポートは小長光あかね。


見た目は居酒屋だが、その味は本格イタリアン。

 川崎エリアの人々に「あの店は美味しい。でもいつも満員で入れない」と評判のイタリアン居酒屋がある。武蔵小杉駅から徒歩1分、新橋の立ち飲み屋を思わせるビニールカバーの外観、暗い中煌々と温かい灯りを放つ店が見えて来る。2010年6月オープンの「イタリアン酒場 NATURA 〜ナチュラ〜」だ。


店外には常に待つ客が。店の外からでも店内の活気を感じることができる。

 お店を訪問したのは19時頃。すでに店内は満員で、スタッフから満員時はまずビニールカバー内のスペースで立ち飲み、その後席が空き次第テーブル席に案内してもらえる旨を説明してもらう。立ち飲み客に配慮したおもしろいシステムだ。また、席に着く前に、その日入荷された鮮魚とそれを使ったメニューの説明もしてもらえる。


新鮮な魚介をウリにしているだけあって豊富。食事への期待が高まる。


2〜3人用の立ち飲みスペース。ヒーターを入れるなど、立ち飲みでも快適に過ごせる工夫が。

 ドリンクはイタリア産のボトルワインが赤白それぞれ10種類以上。自家製サングリア、レモンチェッロなど女性が飲みやすいカクテル、さらに“居酒屋”らしくサワー、酎ハイ、梅酒なども揃っているところが憎い。ソフトドリンクは280円、サワー類は380円〜、ボトルワインも2000円台〜と気兼ねなく飲める価格設定だ。


自家製サングリア480円。オレンジ、レモン以外にスパイスの香りも。


前菜、肉、鮮魚など料理のカテゴリーがわかりやすいメニュー。

 魚介や旬の食材を使った前菜は30種以上。ドルチェもイチゴのミルフィーユとフォンダンショコラを揃えている。

 料理は、店主自ら市場に通い仕入れた新鮮な魚介、旬の野菜をベースにしたイタリアン。実に大雑把な感想で恐縮だが、何を食べても美味しい。市場直送というだけあって魚介類は新鮮、けちらずどっさり使っていて食べ応え満点。「美味しいものをお腹いっぱい食べてほしい」という店主の思いを感じる。メニュー数のバリエーションも多く、そのどれもがボリュームたっぷりで美味しい、魚介と野菜が中心なのでダイエットを気にする女性にもありがたいとくれば、客がリピートするのは当然である。シンプルながら、「いつもいっぱいで入れない」いちばんの理由はこの点だろう。


三種盛りカルパッチョ。銚子水揚げの寒ブリ、まぐろ、あん肝。このボリュームで880円。


特大エビのハーブマヨネーズ焼780円。身のはがれがよいのは新鮮な証拠。マヨネーズのしつこさは全くない。


たっぷり鮮魚のブイヤベース980円。寒ダラ、海老、穴子、アサリ、イカ、鮭などがふんだんに使われ、魚介のうまみとトマトの甘さがつまっている。


煮アナゴのカルボナーラ980円。バルサミコ酢と山椒が、卵のやさしい味を引き締める。

 この店のメニューは“ちょっとひとひねり”しているところが興味をそそる。例えばパスタなら「シラスたっぷりのペペロンチーノ」「小柱と白菜の和風パスタ」、前菜では「サーモンとホタテと岩のりクリーム グラタン仕立て」など、よく見かけるイタリアンとは一味違う。ここが“居酒屋”と名乗る強みだろう。そして客を引き寄せる大きな魅力になっていることは間違いない。

 実は、「イタリアン酒場〜ナチュラ〜」には、同業である若手飲食店経営者がプライベートで足を運ぶ、という情報もある。経営者がマネしたいと思う何が隠されているのか。

 まず目を引くのはスタッフの接客レベルの高さ。例えば、テーブル間を移動する際は左右のテーブルには必ず目を配り、「寒くないですか?」など客に声をかける。メニューを眺めている客がいたら、すぐにテーブルに向かう。料理について質問されたら、むやみに厨房に行かず、自分の言葉で説明を試みる。好感と信頼感を持てる素晴らしいスタッフだと感じた。ちなみにこの店のバイト募集要項には、「お店作りの中心はスタッフ1人1人です」「美味しいお食事と、楽しい時間を提供するお仕事です」とある。

 メニューに「本日の鮮魚」のボリュームが多いことも注目したい。新着ものが多いのは、どの業種においても人を惹きつけ、リピーターを育てるための大切な要素。高揚感を誘う天井のチラシも、「本日のおすすめワイン」と本日感を強調している。


針金にクリップで止めただけ、だから毎日取り換えやすい。「美味しい食べ方指南」もうれしい。


飲食後に改めて外のメニューを見ると、おすすめメニューが無駄なく、わかりやすく掲示されていることがよくわかる。

また、おもしろい場面に遭遇した。お皿を下げてもらう時に、その料理が美味しかった旨を何気なく伝えたところ、そのスタッフは厨房に戻りながら店内に響く声で「エビのオーブン焼き、美味しいと言っていただきました!」と言い、それに「ありがとうございます!」と威勢のいい声で厨房スタッフが返してきた。「ある客が美味しかったと言った料理」を耳にした他のお客が、「私も同じものが食べたい」とオーダーする可能性を生み出す、見事な“瞬間口コミシステム”だ。顧客心理を知り尽くした“作戦”といえる。


店内を見渡すことができる厨房。厨房スタッフは4人、フロアスタッフは5人ほど。席数はカウンター、テーブル、立ち飲み席合わせて36席程度。 

店ブログを見ると、全面喫煙に対しての意見がちらほら見られたが、このマイナスポイントを持ってしても、ひっきりなしにお客が訪れる。店内を見回すと、会社帰りのサラリーマン・OL、忘年会を楽しむ若い男女グループ、女性連れなどさまざま。この日も5分おきに客が訪れ、待つ人、あきらる人さまざま。飲食をして帰る人にも待ち切れずに帰る人にも、必ず深く頭を下げ大きな声で挨拶をしていた。この心遣いがある限り、この賑わいが途切れることはないだろう。

■店舗情報
「イタリアン酒場 NATURA 〜ナチュラ〜」
住所:神奈川県川崎市中原区小杉町3-428-6
電話:044-722-0088
営業時間:17:00〜24:00(ラストオーダー)予約不可
定休日:月曜日


【取材・執筆】 小長光 あかね(こながみつ あかね)  2010年12月28日取材


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