今はや ~今流行っているお店~
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バブル世代にはむしろ心地いいラグジュアリーな空間
「XEX日本橋」
(東京・日本橋/バーラウンジ)
第29回 2011年7月13日今流行っている店は、どんな店?なぜ流行っているのか?実際に営業中に店を訪れ検証。「次に流行る店」=“次はや”に対して“今はや”。流行りの店の秘密をレポート!

高級感がウリのYUITO。
昨年10月、日本橋に相次いで誕生したオフィス&商業施設の混合ビル「コレド室町」と「YUITO」。低価格・庶民的な路線の店が多いコレド室町に対し、“本物を求める大人たちのため”をコンセプトに掲げたYUITOは高級感のある店が揃い、集客に苦労しているのが実情だ。そんな中、昼も夜も一定の集客に成功している店がある。Y’s table corporationが手がける「XEX日本橋」だ。

一面ガラス張り。薄暗い照明はまるでホテルのラウンジのような雰囲気。
YUITOは3階と4階がレストランフロアとなっているが、XEXは4階のフロアを独占。約890㎡、定員数は約700名という広さだ。天井高は5.4mと高く、黒で統一された店内はシックでゴージャス。壁一面を覆い尽くすクリスタルの飾りなど、バブルの頃のカフェバーを彷彿とさせるインテリアである。
XEXといえば、イタリアン、寿司、バーの3店舗を一体化した複合店を展開している代官山店や愛宕店が特に有名。2000年代にラグジュアリーレストランとして話題となった店である。いずれも外国人ミュージシャンによる生演奏や1フロアー独占など、贅を誇った店作りが特徴。日本橋も、まさしくその雰囲気を踏襲した店構えになっている。

入口から客席へと向かう通路。壁には一面クリスタルの飾り。
一見すると値段が高そうで、入りにくい雰囲気なのだが、実際に行ってみて驚いたのはその価格帯。想像よりリーズナブルなのである。「ついでの一品」という前菜的なメニューには、冷や奴、もろきゅう、漬物など、庶民的なメニューがズラリ。すべて480円という低価格である。その他のメニューは、サラダや寿司、ピッツァ、パスタ、グリル料理、スナックなどで、値段は1000円~2500円程度と普通だが、そこそこのボリュームで4人程度で取り分けても十分な量だ。

「ついでの一品」ALL480円。

「酒友」にはそばや焼き鳥など、40代以降の男性の定番メニューも。

やわらかスペアリブのグリル BBQソース(1800円)。

隣接する系列のSalvatore Cuomo Bros.で提供されるのと同じピッツァが食べられる。
またワインも価格帯が幅広く、一番安いのは2800円。3000~4000円代で楽しめるワインも多く揃っており、グラスワインも10種類と豊富だ。近年厳しいサラリーマンの懐事情でも、これならそこそこイケる。
訪れたのは平日の20時。30~40歳代前半のカップルや男女混合の少人数グループが多い。ちょっと背伸びしてゴージャスな雰囲気を味わいにきたという感じだ。埋まっているのは6割程度。しかし空いている席には、ほぼすべて「RESERVED」の札が立てられていた。

20時台の店内。30代くらいの層がメイン。
21時を過ぎたあたりから、40~60代くらいのサラリーマンが続々と入店してきた。飲み会後の2軒目としての来店が3割程度、残業後に一杯やろうと同僚同士で来店した1軒目使いという雰囲気が7割といったところだろうか。飲み物のほか、食事も普通量をオーダーしていたグループが多かった。22時にはほぼ満席。見事なまでにスーツ姿のサラリーマンだらけになった。

22時頃の店内はサラリーマンだらけ。遅い時間帯の方が混んでいる。
同行したのは40代半ば、バブルの頃に青春を過ごしたサラリーマン。彼いわく「バブル世代の自分にとっては、こういう店の雰囲気は懐かしいし、なんとなく落ち着く」とのこと。周りの客が同世代であることも手伝ってか、たいそうリラックスして楽しんでいた。
“リラックス”。そう、見かけはスタイリッシュでとがっているように見えるが、この店は不思議と居心地がいい。ゆったりとした肘かけのついた椅子、質のよい革のソファは座り心地がよく、長時間座っていても疲れない。席と席の間隔は1m近く、場所によってはそれ以上空いているため、プライバシーが保たれるのもいい。適度な音量のBGMのおかげもあり、隣の席の会話はほとんど聞こえないのだ。1日に4回行われる生演奏のときは少々声を張らないと会話ができないが、それでもシーンとした中で会話が筒抜けよりはいい。カップルなどはより接近し、二人の世界を楽しんでいるようだった。

外国人ミュージシャンによる生演奏は1日4回。
この日はピアノとヴォーカルの二人によるステージだったが、録音の伴奏も流れるため生演奏という感じはあまりせず、カラオケといった趣きになっていたのが安っぽく、残念。ちなみにミュージシャンは外国人。フロアースタッフにも、黒服姿の男性の他、ボディコンシャスな黒のミニドレスに身を包んだ外国人女性スタッフが2名いた。こうした演出がいかにもバブルなテイストなのだが、それもまたその世代のサラリーマンには響くのだろう。
なんと店内は喫煙可。シガーメニューも置いてある。このご時世、肩身の狭い思いをしている愛煙家にとってはありがたい存在だ。

シガーメニュー。シガーとそれに合うブランデーなどのメニューが並ぶ。

フードのメニューにもシガーの案内が。
早めの時間帯には30代も多いが、この店を支えているのは、やはりバブル世代の40代以降のサラリーマンだろう。バブル期の楽しかった青春時代を思い出させてくれる場所。元気になるために仕事帰りに寄りたいホームグラウンド的な存在。現在、こうした店は数が少ない。その世代が集まるからこそ、集客が実現できているのだろう。
一方、昼はがらりと客層が異なる。サラリーマンはもちろん、女性客も多い。この界隈で働くOLや、買い物にきたミセスである。ビッフェ形式のランチは1300円と、この界隈の相場(1000円以下)からすると割高であるが、内容的にはお値打ち。食事メニューが約20種類(スープ、サラダ3~4種類、パスタ2種類、ピッツァ、揚げ物・グリル系2~3種類、クスクスなど)、デザート(ケーキ3種類、マチェドニア、フルーツ)、ドリンク(コーヒー、紅茶6種類、アイスコーヒー、アイスティ、オレンジジュース、グレープフルーツジュース、ウーロン茶)と盛りだくさん。

ビュッフェコーナー。こじんまりしているが品数は多い。

サーブされるまで待たなくてすむのもビュッフェの魅力。忙しいサラリーマンにはピッタリだ。

デザートが充実しているのは、おそらく女性を意識して。大満足のボリュームだ。
どれも丁寧な味が印象的。この内容なら1800円以上してもおかしくない。舌の肥えたOLたちも大満足に違いない。店内は広いがビュッフェのため、フロアスタッフは少ない。皿を下げるのとビュッフェコーナーの補充をするのに1~2名程度がいるだけと、人件費も抑えられている。
夜はバブル世代のサラリーマン、昼はそれにプラスしてOLやミセスを含む幅広い層を集客。広い店内を有効活用すべく時間帯によって活用法を変えているのも特徴だ。一見敷居が高そうで、でも実はリーズナブル。行くことでちょっといい気分が味わえ、ステータスが上がる気がする。そんな点が人気の秘密かもしれない。
■店舗情報
「XEX日本橋」
住所:東京都中央区日本橋室町2丁目4-3 YUITO/日本橋室町野村ビル4階
電話:03-3548-0065
営業時間:ランチ 11:00 - 15:00(LO 15:00)
ティー、カフェ:11:00 - 17:30
ウィークデーディナー:17:00 - 28:00(LI 27:00 / FOOD LO 27:00 / DRINK LO 27:30)
※LI=最終入店
ウィークエンド&ホリデーディナー(日・祝):17:30 - 24:00(LO 23:00)
定休日:無休
http://www.ystable.co.jp/restaurant/xexnihonbashi/bar.html
【取材・執筆】 石村 紀子(いしむら のりこ) 2011年7月11日執筆
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