今はや ~今流行っているお店~
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震災なんてなんのその、
肉好きたちに愛され続ける「ミート矢澤」
(東京・五反田/和牛専門店)
第33回 2011年8月10日今流行っている店は、どんな店?なぜ流行っているのか?実際に営業中に店を訪れ検証。「次に流行る店」=“次はや”に対して“今はや”。流行りの店の秘密をレポート!

「ミート矢澤」、開店前の様子。
東日本大震災を前後にして、TPP(=環太平洋戦略的経済連携協定)、口蹄疫問題、セシウム汚染と、何かと騒がしい食肉業界。ただ「おいしい」だけではなく、「安全」で「安心」できるものを提供しなければ集客は見込まれない。
東京都内で、もっとも並ぶ価値のある店として有名な「ミート矢澤」。食肉業界を取り巻く現状にどう対応しているのか、同店の今をリポートする。
・開店前から人、人、人
五反田駅から徒歩五分ほどのところにある「ミート矢澤」。最高級黒毛和牛を専門に取り扱う精肉卸会社「株式会社ヤザワミート」が経営するステーキ・ハンバーグ専門店である。「株式会社ヤザワミート」といえば、ザガットサーベイの料理部門で一位にランキングされた焼肉ジャンボと取引のある老舗。快進撃は精肉卸業のみならず、ステーキ・ハンバーグ店の他に、ハンバーガー、焼肉、ホルモンと、都内に6店舗、シンガポールでも焼肉店を出店するほどである。その実績と人気をみても、「ミート矢澤」で提供される肉の品質の良さについては、充分に裏打ちされている。

店の前の行列。

道を挟んで向こう側にも行列が!
開店は11時30分。なのに開店15分前から人、人、人、の大行列。店の前では並び切らず、道を隔ててもなお行列ができている。並んでいた客に話を聞くと、ひとりは初めての来店。20代前半の女性で、男性の友人と店の前で落ち合う約束をしているのだという。「あの有名な『ミート矢澤』なう」とツィートしている姿が印象的だった。先頭に並んでいた20代のビジネスマンにも話を聞くと、会社の昼休みに同僚と一緒にやって来たのだといい、「週に一度は必ず。なんだかパワーが足りない、注入したいというときに食べに来る」ということだった。
客の年齢層は20代から60代ぐらい。女性客に比べて男性客の姿が多くみられ、周辺で働いている人から、この店で食事をするためだけにやって来きた人まで、いろいろな客層が混在していることからも、同店の人気の高さがうかがえる。

店員による水のサービス。細やかな心遣いが嬉しい。
待っている間、店員によって冷たい水がサービスで、並んでいる客全員に配られる。店の前には日傘が幾本も置かれ、細やかな心遣いが見られた。
・こだわりはA5ランク

賑わう店内。

店内。
店に入れたのが11時30分ちょうど。なだれ込み、すぐに店内は満員。入りきれなかった客に、新たに並び始めた客も加わって、まだまだ行列は続く。
平日のランチメニューは「黒毛和牛100%フレッシュハンバーグ」(税込1000円)と「サイコロ・ステーキ」(税込2000円)。トッピングとして、ハンバーグには「目玉焼き」(税込100円)と「ガーリックチップ」(税込100円)、サイコロ・ステーキには「ガーリックチップ」(税込100円)を加えることができ、それぞれにライス・ミニサラダ・お味噌汁がつく。
こだわりはA5ランクの黒毛和牛のみを使用していること。A5ランクとは、歩留(ぶまり)等級と肉質等級の二種において最高級と格付けされた肉を指し、肉質においても脂においても超一級。店で出される肉は、その日の仕入れごとに、産地、等級、個体識別番号が発表される。(ちなみに固体識別番号は国産の加工前の精肉のみに付与されるものであり、挽き肉やホルモン、それらを使った商品には付与されていない。)

「黒毛和牛100%フレッシュハンバーグ」(税込1000円)。
看板メニュー「黒毛和牛100%フレッシュハンバーグ」を頼み、サラダを食べながら待つ。しばらくすると、熱々の鉄板にのったハンバーグが運ばれてくる。真ん中からぷっくりと膨らんだ姿。程よく焦げ目のついた表面。湯気と一緒に漂ってくる肉脂の香ばしさ。どれも食欲をそそる見目麗しさ。焼き方は店員お薦めのミディアムレア。肉の生感が気になるようであれば、鉄板の熱いうちに小分けにして、焼きつけておくとよいということだった。
銀製の箸を入れると、中はピンク、瞬間に肉汁が溢れだす。つなぎは一切使わず、黒毛和牛のウデ・スネ・ネック等、味わいや脂にそれぞれ特徴のある各部位を独自の配合でブレンドしているのだという。
食べて驚くのはその噛み応え。優しいピンクの見かけから、軟なハンバーグなのかと思いきや、牛肉の味がしっかりとする。コクと香り、力強い肉の味わいがある。見ためと味とのギャップがたまらない。すりおろし野菜のソースを付けなくても、肉本来の風味だけで充分に楽しめる。
一気に完食。このハンバーグにライス・ミニサラダ・お味噌汁がついて1000円というのは、やはり破格である。開店から並んでいたビジネスマンのように、何度もリピートしたくなる気持ちがわかった。

店員によれば、12:30と13:30頃、行列が少しだけ緩和するらしい。
震災の影響について店員に聞くと、「地震のあった次の日も、店の前にはいつものように行列ができていて、これまで影響らしい影響を感じたことはまったくない」と話し、セシウム汚染についても同様の答えだった。少なくとも、店と客との間では「おいしく、安全で、安心な牛肉を提供してくれているに違いない」という信頼関係が、今も変わらず成り立っているようだ。この信頼を裏切ることなく、これからも肉好きたちの欲望を満たす極上ステーキ・ハンバーグを提供して欲しい。
■店舗情報
和牛専門店 ステーキ・ハンバーグ ミート矢澤
東京都品川区西五反田2-15-13
ニューハイツ西五反田1F
TEL 03-5436-2914
FAX 03-5436-2917
LUNCH 11:30~15:00(14:00L.O)
DINNER 17:00~24:00(23:00L.O)
URL http://www.kuroge-wagyu.com/my/index.html
【取材・執筆】 西元 良枝(にしもと よしえ) 2011年8月2日取材
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