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次に流行るお店

旬の魚を串でいただく、日本初の新業態店。
「魚串 さくらさく」
(神楽坂/魚串専門店)

第269回 2009年6月2日

日本初の魚串焼き専門店。
 横丁や路地が点在し、昔ながらの花街の風情を残している神楽坂。周辺には、文豪や文化人が足しげく訪れた料亭や老舗の和食店をはじめ、多くの飲食店が軒を連ねている。

 その神楽坂上に、魚をメインにした日本初の魚串焼き専門店「魚串 さくらさく」が、オープン。経営母体は、株式会社アントレスト(東京都新宿区、代表取締役・有村壮央氏)。釜炊きのお米と干物の囲炉裏焼きが自慢の「さくらさく 虎ノ門店」、ワインと一夜干しの魚のマリアージュを謳った神楽坂の「つみき」に引き続いての出店となる。


オープンな雰囲気の外観。

 23歳から飲食業に携わり、入社からわずか2ヵ月で店長となって社内最短記録を残し、その後1年で起業した株式会社アントレストの有村壮央社長。独自の経営センスとパワーのある営業力で、顧客を増やしている。「魚串 さくらさく」は、「良い素材を安心していただける価格で提供する」をモットーに、魚メインで培ってきた業態運営のノウハウを最大限いかす。


和風でありながら、バールを思わせる店内。

「魚串 さくらさく」の店舗デザインを担当したのは、同じ神楽坂にある「つみき」の内装も手がけたカームデザイン。一人でも気軽に入れるよう、オープンスタイルを採用。壁には木札や黒板が並び、テーブルは空間を有効活用できるよう、2段式になっている。

「元はうどん屋で、入口もあまり目立たない感じでした。今回は魚串をメインに和バール的なイメージで考えていたので、テーブルも狭いスペースをいかせるような仕組みにしています。立ち飲みするのに、ちょうどよい高さになっています」と有村氏。


二段式の特注テーブルとイス。その下に荷物収納ボックスを配置。


ワインボトルを利用したライティング

 築地から仕入れた新鮮な魚を料理長が毎日店内で捌き、1本1本丁寧に串打ちする。炭火焼の魚串は常時30種類。素材の持ち味をいかし、「本ししゃも」、「〆こはだ」、「鮪ほほ肉ガーリック」、「はたはた」、「金目鯛ゆず胡椒」など。「ぶり」や「真鯛」、「銀たら」、「まぐろ」、「つぶ貝」などの魚介類を門外不出のオリジナル味噌だれに漬け込んだ「味噌漬け串」(各280円)も好評。「すずきのバジル」「鮭のタルタル」など、ひと手間かけることで、いろいろな種類を少しづつ楽しめるように工夫されている。揚げ串や野菜串もあり、全品150円〜280円という価格設定。また、日替わりメニューの中には、ミニ丼やお茶漬け、アイスの串などもある。


厳選した旬の魚を毎日串打ち。


鮪ほほ肉ガーリック 280円。


すずきのバジル 280円。


鮭のタルタル 280円。

 ドリンクはビールや日本酒、焼酎、梅酒をはじめ、「魚串によく合うワイン」まで幅広く用意。生ビールはエビス(ジョッキ499円)、琥珀エビス(グラス499円)、日本酒はグラス499円、1合徳利749円均一。赤・白4種類づつあるワインは、グラス549円、ボトル2499円均一で提供している。


魚串によく合うドリンクも用意。

“旬の美味しい食材を安心して気軽に食べて、飲める店”を目指す有村氏。オープン当日にししゃも1000尾無料で配布するなど、独特の広報・宣伝戦略を行う。1日100人程度が訪れ、リピーターも多い。「平日は近隣の会社員やカップルの姿が多く、土日は地元の方や観光客が多く来店されます。うちは席効率がよく、回転が速いのが特徴です。魚串のテイクアウトについても考えています。幅広いニーズに応え、幅広い客層を狙いたいですね」。


株式会社アントレスト代表取締役 有村壮央氏。

同社は各店舗、スタッフの特色をいかし、神楽坂をメインに効率的に事業を展開する予定。「魚串 さくらさく」は目標月商1000万、今後は直営で数店舗展開し、オペレーションを検討した上で、魚串のフランチャイズ展開を狙う。

神楽坂発の新提案「魚串スタイル」。
世界有数の魚食大国・日本の潜在需要とマッチするのか、注目したい。


【魚串 さくらさく】
住所 東京都新宿区神楽坂6-8
電話番号 03-5206-8547
営業時間 月〜金 17:00〜27:00
土・日・祝 16:00〜23:00
定休日 不定休
客席数 35席
客単価 平均 3000円
目標月商
開店日 2009年5月9日
経営母体 株式会社アントレスト
※取材当時の情報です。変更されている可能性がありますので訪問される場合は、店舗にご確認下さい。
水口 海(みずぐち うみ)     2009年6月19日取材

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