広告

RSSフィード

次に流行るお店

女性の「おひとり様」をターゲットとした創作丼のカフェ
「cafe&bar Cura」
(東京・上野/丼カフェ、バー)

第270回 2009年6月9日

外観。
「cafe&bar Cura(キュラ)」は、東京メトロ銀座線上野駅構内の駅チカ商業施設「Echika fit (エチカフィット)上野」内にオープンした、「女性が一人でも丼を食べられるオシャレな店」をコンセプトとした新業態店である。

 オープンは今年2月20日。経営母体はサッポロライオンで、男性サラリーマンをターゲットとした店を得意とする同社にとっても、新しい分野のチャレンジだ。

 女性の「おひとり様」が増えている昨今。だが、まだまだランチや会社帰りに、ファーストフードあるいは、サンドイッチやパスタのような軽食しかないカフェを利用するにとどまっている「おひとり様」ビギナーが、多数潜在していると、同社では考えている。
そこで同店では、女性一人でも気軽に入りやすいオープンカフェというスタイルを取り、さまざまな目的に合わせて、「自分だけの時間」を過ごしてもらうことを狙っている。


カウンター席、喫煙席でもある。


女性一人でも、リラックスできる空間を構築した。


清潔な雰囲気の店内。

 ちょっとした時間の合間には一杯のコーヒーを楽しみ、ランチにはしっかりとご飯を食べ、会社帰りには軽く一杯のお酒を飲みながら明日へのリセットタイムを過ごす、といったような具合だ。席数は56席。

 発案したのは「リボンプロジェクトVIP」と呼ばれる、2006年4月に結成された、結成当時8人、現在は6人の部署横断の開発チーム。現在の岡部さくら店長や西村礼佳・経営企画室(広報担当)も、メンバーの一員だった。ちなみにVIPは、ヴィーナス・イン・ポレール、すなわち北極星の女神の略で、北極星はサッポログループのシンボルである。

「サッポロライオンは創業110周年の伝統ある会社ですが、お客様だけでなく社員も男性中心で、女性社員は1割くらいしかいません。そこで女性マーケットを掘り起こすだけでなく、女性が働きやすい職場づくり、さらには既存のお店の女性が使いやすくするための改善までを視野に、リボンプロジェクトVIPは活動しています」と西村さん。

「cafe&bar Cura」の企画は、「自分たちが会社帰りにふらっと立ち寄れる場所がない」といった雑談から生まれた、昼はカフェ、夜はバーと二面性を持った店舗とのことだ。

 また、「Echika fit 上野」は同日オープンした、東京メトロとメトロプロパティーズが運営する、「次世代型駅チカ」をコンセプトとする新業態。表参道と池袋にある「Echika (エチカ)」の中規模バージョンという位置づけだ。女性にオシャレに寄り道してもらいたい、駅ならではの便利な複合ショップを目指し、「cafe&bar Cura」のほか、スイーツ、ファッション、ファッション雑貨、アクセサリーショップ、ドラッグストアーと合わせ、6つの異業種の店舗の組み合わせで成り立っている。

「cafe&bar Cura」のビジネスプランは、サッポロライオンが06年から毎年1回開催している、社歴に関係なく全社員から募る業態開発グランプリで、70ほどのプランから最優秀賞を獲得したものでもある。最終審査はファイナルに残った5つのプランより、全国200店ほどの全責任者が集まる全国支配人会議の席で、提案者がプレゼンテーションを行った上で投票にて決定される方式を取っている。

 メインとなる丼はさっぱり系4種と、こってり系3種の計7種。

 さっぱり系は500キロカロリー内に納まるように、カロリー計算がなされていて、中でも「エビとアボカドのわさびマヨDON」(780円、ドリンクセット930円)が人気。


エビとアボカドのわさびマヨDON 780円。

 こってり系はおなかに溜まるメニューで、特に「洋食屋さんのハヤシおむらいすDON」(780円、ドリンクセット930円)の人気が高い。


洋食屋さんのハヤシおむらいすDON 780円。

 コーヒーは400円、カフェラテ430円で提供している。

 お酒は、サッポロの生ビールが人気で、グラス(400ml)580円、ジョッキ(530ml)780円。おつまみは、ほぼ500円で統一されており、トマトとモッツァレラチーズとバジルのカプリ風サラダ「カプレーゼ」(500円)、「ガーリックトースト」(360円)、「スパニッシュオムレツ」(500円)といったところの評判が良い。


ベリー☆ベリーワッフル(480円)とハイビスカスサワー(コラーゲンplus 550円)。


カプレーゼとSAPPORO生。

 現状の顧客は、平日は男女比が4:6、休日が1:9。休日は圧倒的に女性客の来店が多く、特に25歳以上の客層を幅広く集めている。平日に意外と男性が多いのは、完全に分煙されていて、ガラス張りになっているカウンターで喫煙できることも影響している。
 顧客単価は850円。予想したより夜にお酒を飲む人が少ないが、回転率は良く、1日に6回転くらいする。なので、結果的に計画上の目標はクリアーしているとのことだ。

 女性の「おひとり様」のニーズを捉えきった決定版の業態を、まだどの飲食企業も構築できているわけではない。「cafe&bar Cura」がその旗頭として、最前線を開拓していってほしい。


岡部さくら店長。


【cafe&bar Cura】
住所 東京都台東区上野7-1-1東京メトロ上野駅構内「Echika fit 上野」
電話番号 03-5846-5200
営業時間 月〜土 10:00〜23:00
日・祝 11:00〜21:00
定休日 無休
客席数 56席
客単価 850円
目標月商 900万円
開店日 2009年2月20日
経営母体 株式会社サッポロライオン
※取材当時の情報です。変更されている可能性がありますので訪問される場合は、店舗にご確認下さい。
長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ)     2009年6月1日取材

Page Top