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次に流行るお店

魚プラス無国籍風料理で幅広く集客する立ち呑み
「活力魚金」
(東京・新橋/立ち呑み)

石鍋ご飯をメインに打ち出した魚居食屋

「鱈腹魚金」
(東京・新橋/魚居酒屋)

第274回 2009年7月7日

「刺身ぶつ切り盛り」。このボリュームで580円。
 新橋を拠点に続々とオープンを続ける魚居酒屋「魚金」チェーン。その16店目の店舗が、「活力魚金」である。新橋では13店目となる。

 オープンは今年5月14日で、立ち呑みとしては4番目の店だ。新橋駅烏森口南側にある「魚金本店」のすぐ先、「大島ラーメン」の角を曲がった場所にあり、立ち呑みだけに「魚金」の料理がより安く楽しめるというので、オープン早々快調に集客している。店内に収容できる人数は25人ほどで、18時頃から顧客が集まりだし、現状1日に60〜70人の集客があるという。


「活力魚金」 外観。


「活力魚金」 店内。


「活力魚金」 店内の奥。

「活力魚金」の特徴は、和のメニューだけでなく洋風のメニューにも力を入れていること、また魚料理だけでなく肉や野菜の料理も取り揃えており、従来の店よりもメニューの幅が広い。

 お酒もビール、日本酒、焼酎だけでなく、和食に合うさわやかな口当たりの甲州ワインを前面に出している。日本酒は群馬県館林市の龍神酒造「尾瀬の雪どけ」(特別本醸造・1合390円〜)が好評。


イチオシの日本酒「尾瀬の雪どけ」にワインも楽しめる。

「魚金」チェーンでは、昨年よりビストロ、バルといった洋風業態を開発して、新しい顧客を開拓しているが、この「活力魚金」は従来の「魚金」の立ち呑みとビストロ、バルのノウハウを融合させたような、新業態と言えるだろう。

 スタッフによれば、「今までのすべてを網羅して無国籍風のような感じで、店をつくってみた」とのこと。

 メニューは旬の魚を毎日、築地から買い付けているため、週替わり、日替わりでメニューが変わる。定番も合わせて、メニュー数は常時30〜40種類と立ち呑みとはいってもかなり多い。

 人気メニューは、名物の旬の「刺身ぶつ切り盛り」(580円)、洋風メニューを代表する「たことアボガドのカクテル」(580円)、「アンチョビキャベツ炒め」(480円)、静岡県富士宮市の地元業者から麺を仕入れた「富士宮焼きそば」(480円)など。1品が500円前後で楽しめる価格になっている。


「たことアボガドのカクテル」(580円)。

 顧客層は20代から50代までと幅広い世代で支持されており、近隣のサラリーマン、OLが中心。土日、祝日はカップルなど、同店を目指してくる若い人が多く、休日では活気のない新橋にありながらも、抜群の集客力を見せている。

 男女比は6:4で男性がやや多いくらいで、女性客からも支持されている。新橋地域での「魚金」ブランドの知名度は高く、系列店から流れてくる顧客や、「魚金」各店をはしごする顧客も多い。

 また、新橋は立ち呑みのメッカなので、さまざまな立ち呑みをはしごする人もいる。

 その一方で、じっくりと2時間、3時間と滞在する人も少なくない。「食べ物、お酒がわかる人が多いのが新橋の良さです」とはスタッフの弁だ。


活力魚金スタッフの皆さん。

 勢いに乗る「魚金」チェーンではさらに、新橋駅東口の新橋交差点の裏に6月29日、全体で17店目、新橋では14店目となる「鱈腹魚金 銀座口店」をオープンした。


「鱈腹魚金」 外観。

 こちらは従来の居酒屋「魚金」のコンセプトを守りつつ、五反田店や2号店で好評を博していた「石鍋ご飯」(2合、1280円)をメインに据えて、食事が取れる“居食屋”的な要素を強調した店である。

「石鍋ご飯」はひつまぶし、ホタテ、カニなどの種類があり、注文を受けてから炊くので提供時間はかかるが炊き立てが食べられる魅力がある。

 また、16年前の創業からのメニュー「刺身6点盛り」(1980円)は、金原伸吉社長が店舗数拡大とともに、魚の仕入れコストが安くなったことを顧客に還元。年々盛り付けられる魚の量が増えており、今では12点盛りくらいのボリュームで出てくる。このあたりに、「魚金」チェーンの人気の理由がある。

 7月7日には、新橋駅烏森口に洋風業態「ビストロ はなれ」も新規出店と、オープンラッシュが続く。

「魚金」チェーンは新橋集中出店でシナジー効果を出しながら、無国籍風立ち呑み、居食屋的要素の強い店、洋風業態の強化と、築地を背景にした新鮮な魚を安く提供するコンセプトは守りつつ、業態開発にも積極的に取り組む姿勢で、新規顧客を開拓している。

 そうしたチャレンジが続く限り、快進撃は続くだろう。


【活力魚金】
住所 東京都港区新橋3-18-5 難波ビル1F
電話番号 03-3432-0745
営業時間 月〜金 17:00〜23:30
土日祝 16:30〜23:30
定休日 無休
客席数 25席(立ち呑みのため収容人数)
客単価 2000〜2500円
目標月商 400万円
開店日 2009年5月14日
経営母体 株式会社 金原商会
【鱈腹魚金】
住所 東京都港区新橋1-9-1 二光ビル1F
電話番号 03-6252-3478
営業時間 月〜金 17:00〜23:30
土日祝 16:30〜23:30
定休日 無休
客席数 60席
客単価 4000円
目標月商 1000万円
開店日 2009年6月29日
経営母体 株式会社 金原商会
※取材当時の情報です。変更されている可能性がありますので訪問される場合は、店舗にご確認下さい。
長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ)    2009年6月24日取材

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