広告

RSSフィード

次に流行るお店

ワンコインで食べられる、創作かつ丼の新業態
「どんぶり道場」
(茨城・土浦/丼専門店)

第276回 2009年7月22日

「金のどんぶり 秘伝のたれかつ」(390円)
 「どんぶり道場」は去る5月22日にソフトオープン、28日にグランドオープンした茨城県土浦市の「イオン土浦ショッピングセンター」3階、フードコート「フード・パーク」内にある、創作かつ丼を中心とした丼専門店。運営はアールディーシーで、丼専門店は初のチャレンジだ。


 「どんぶり道場」

 アールディーシーは自社の持つ業態の中で、とんかつ「かつ敏」があり、そのノウハウを生かしてかつ丼の新業態を開発することとなった。フードコートの中の店とはいえ、専門店として厨房設備が完備しており、とんかつは全て揚げたてで提供される。

 こだわりとしては、豚肉は全て国産のもも肉を使用。オリジナルの“秘伝のタレ”が肉と衣に染みており、単純にパン粉と卵で肉に衣を付けるのではなく、タレが染みやすい秘密のブレンドがなされているのだという。

 メインとなる「金のどんぶり 秘伝のたれかつ」(390円)は、ご飯の上にとんかつが3枚乗って、たくわん2枚が添えてある、シンプルなメニュー。かつ4枚で450円、5枚で510円、ごはん大盛りでプラス60円となっており、ファーストフード感覚でも、がっつりとした食事としても利用できるのがポイントだ。

 サイドメニューとして、味噌汁(60円)、生卵・温泉卵(60円)、ちょいそば(温・冷180円)も用意されている。「銀のどんぶり 卵とじかつ」(440円)は、かつ丼のスタンダードな卵でとじたとんかつの丼でこれも人気がある。

 郷土料理にヒントを得たメニューでは、「尾張名物 味噌かつどんぶり」(490円)、「会津名物 ソースかつどんぶり」(490円)、実験的に始めた「北陸名物 黒カレーソースかつどん」(590円)がある。


「銀のどんぶり 卵とじかつ」(440円)


「会津名物 ソースかつどんぶり」(490円)

 たとえば「尾張名物 味噌かつどんぶり」では、八丁味噌をかけるのではなく、マヨネーズやコチジャンを混ぜたオリジナルソースを使い、「会津名物 ソースかつどんぶり」では、福島県会津地方の丼より甘く味付けするなど、関東の東京近郊に住む人の味覚に合わせた味を丁寧につくっている。

「どんぶり道場 特製夢かつめし」は、とんかつの下に味付け海苔を敷いて、和風だしで味付けした若い人に人気の丼。「かつ煮定食 あたまライス」(490円)はごはん、味噌汁付きで「銀のどんぶり 卵とじかつ」を定食仕立てにしたものだ。

 また、年配者向けに更科そばの「もりそば」(280円)もあり、「もりそば」ととんかつのセット(390円)や「金のどんぶり 秘伝のたれかつ」の小盛りとのセット(550円)も用意されている。

 現状の来店者数は平日で300人弱、休日で600人といったところで、フードコートにあって丼物でありながらも、ラーメンなどと伍して健闘している。


細川仁明 店長。

「モールの店員さん、若い女性にも常連がついてきています。女性には味噌かつどんぶりやソースかつどんぶりが人気です。今後の課題としては、夜がまだ弱いので夜のメニューとしての定食の充実に取り組みたい」(アールディーシー営業推進部部長・藤本睦史氏)とのこと。

 今後は夜向けの定食の開発のほか、海老かつ丼、肉豆腐丼、もつ煮込み丼のような新しい丼、豚汁なども順次投入する予定で、業態確立を目指すという。

 既に2号店として、東北自動車道羽生パーキングエリア下りに出店予定で、埼玉の地元素材を使った地産地消も考えていくそうだ。

 回転寿司ではアッパーなゾーンで業績を伸ばしてきた同社としては、「どんぶり道場」は不況に対応した低価格のもう一つの柱ができるか、注目すべき挑戦である。どちらかというと丼にプラスして定食屋の要素が入った、「松屋」型のかつ丼店を目指しているように思われるが、強い定番メニューと、シーズン別の特徴あるメニューが開発できれば、新しい丼専門チェーンとして飛躍できる可能性を持っているのではないだろうか。

 なお、「イオン土浦ショッピングセンター」はイオンの100%子会社イオンリテールが運営する茨城県下最大規模のショッピングセンターで、スーパーのジャスコと160の専門店で構成している。3階建で3階に9スクリーンのシネマコンプレックスを有する。駐車場約3260台で、JR土浦駅、TXつくば駅から路線バスも運行されている。

 国道6号線に隣接し、常磐自動車道の桜土浦・土浦北の両インターチェンジから車で約10分と便利な位置にあり、県南のショッピング地図を塗り替える施設と言える。商圏は車で30分圏内の55万人、20万世帯。


イオン土浦ショッピングセンター 外観。


イオン土浦ショッピングセンターの館内。

 3階フードコート「フード・パーク」には、「どんぶり道場」のほか、「牛乳の店 にゅ〜」(ソフトクリーム)、「チャーミースノーアイス」、「ベリーベリーカフェ」(パスタ、クレープ)、「ステーキ&ハンバーグ レッドペッパー」、「とんこつらぁ麺チャブトン」、「ちゃんぽん座 博多十鉄」、「あんにょん」(石焼ビビンパ)、「せからしか」(熊本ラーメン)、「はなまるうどん」、「ケンタッキー・フライドチキン」、「築地 銀だこ」、「サーティワンアイスクリーム」、「マクドナルド」といったラインナップ。


フードコート全景。


「ベリーベリーカフェ」


「熊本ラーメン せからしか」


人気の「博多十鉄」

 全14店で、ちゃんぽん専門店「ちゃんぽん座 博多十鉄」、ラーメン専門店「とんこつらぁ麺チャブトン」、「せからしか」の人気は高い。女性の顧客も多く、ラーメンを食べたい女性は路面、ロードサイドの店が入りにくく、ショッピングセンターのフードコートを選んでいるのかもしれない。また、アイスの店が多いのも特徴だ。

 1階には「キッチン・ストリート」と呼ばれるレストラン街があり、20店が入居している。


1階レストラン街のラインナップ。


【どんぶり道場】
住所 茨城県土浦市上高津367番地イオン土浦ショッピングセンター3階フード・パーク内
電話番号 029-875-6150
営業時間 10:00〜22:00(L.O.21:30)
定休日 無休
客席数 800席(フードコート全体)
客単価 480円
目標月商 400万円
開店日 2009年5月22日
経営母体 株式会社アールディーシー
※取材当時の情報です。変更されている可能性がありますので訪問される場合は、店舗にご確認下さい。
長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ)    2009年6月30日取材

Page Top