第1回 2003年10月19日 | |
ありそうで無かった メロンパン風トーストスプレッド |
|
|
塗って焼いてふんわりサクッ! をキャッチコピーに、キユーピー株式会社からヴェルデ メロンパン風トーストスプレッドが 8月22日に発売された。 ヴェルデは、アヲハタやサラダクラブなどと 並ぶキユーピーのブランドのひとつ。 永く愛されるロングセラー製品を目指す キユーピーブランドとは別に、 コンビニ向けということで、流行感や 話題性のある商品を出すラインアップとなっている。 トーストに乗せて焼くだけで、カフェやベーカリーで 人気のメロンパンが、家庭で手軽に楽しめるとあって、 女性を中心に人気は上々となっている模様。 事実、先日某都内スーパーマーケットで調査したところ、 トーストスプレッドシリーズの中でも、メロンパン風味が 品薄になっていた。 また、人気商品をジャンルにこだわりなく販売する ランキンランキン各店の新製品のランキングで、 2003年10月15日現在、トップ2を獲得。 そんな画期的な商品の開発秘話を聞くために、 キユーピー広報室 吉岡典子さんにインタビューを行った。 |
||||
|
||||
「今まで、そのままのパンやトーストに塗るスプレッドは
たくさんの商品があったのですが、焼くことによって 今までとは違った食感が楽しめるものは無かったので、 ありそうで無い商品ということで好評を頂いております。
この商品の開発を行うにあたっては、 チューブに詰めるのはわりに簡単なのですが、 その後、片手で押し出して、そのままトーストに塗れる 硬さに仕上げるのが課題でした。 ヴェルデのトーストスプレッドは、 もともとシュガートーストと、フレンチトーストなどの 製品があるのですが、全て配合が決め手となっています。 油脂の種類の選定や、砂糖だけでも通常の砂糖の他に 粉糖なども配合し、分離せず、塗りやすくてしかも 焼いた後にカリカリ感を出すのに工夫を重ねました。 特に、メロンパン風スプレッドに関しては、クッキー生地の ようなサクサクとした食感を出すために、小麦粉を加えた上、 メロン風味をたっぷり楽しめるようにしてあります。 発売して2ケ月ですが、売れ行きも好調ですね。 トーストスプレッドシリーズとしては、初めて入荷して頂いた コンビニもあります。 予想通り女性客や若者に人気がありますが、意外に年配の方にも懐かしい味で興味があるとの問い合わせを、たくさん頂いております。 年間販売目標2億円も、順調にクリアできそうです。」 |
||||
企画のヒントとなったのは、カフェやべーカリーで数種類のメロンパンが
置かれており、隠れた人気商品であることや、HP上でメロンパンを テーマにしたサイト上で、活発に情報が交換されていることなどが 決め手となったという。
また、キューピーのお客様相談室には、様々な質問やメールが 送られてくるが、メロンパン風トーストスプレッドの 商品開発中に、偶然にもお客様から「メロンパン風はどうですか?」 などの声が寄せられたのも、開発チームを盛り上げる要因となったようだ。 |
||||
|
||||
卵は命そのもの。キユーピーでは全てを利用しています。 トーストが手軽におやつになるとあって、成長期のお子様に食べさせる 機会も多いと見越し、トーストスプレッドシリーズには 全てカルシウムが含まれている。 その他にもキユーピーの取り扱い品目のうち、子供向けや、介護食、 ダイエットなどの商品に関してはカルシウムを配合している。 このカルシウムは、マヨネーズを作ったときに余る卵の殻を利用して作られる。 その殻の量が年間2万トンとあるというから驚きだ。 通常カルシウムは、貝殻等から作られることが多いが 卵の殻を使用するには、卵殻の内側についている薄膜がネックになる。 キユーピーでは、卵の殻を分離機にかけ粉々にして 比重によって殻と薄膜にわける機械を導入し、卵殻からカルシウムを 取り出す。この卵殻と薄膜は自社で使用するだけでなく 業務用商品として、販売も行っている。 面白いところでは、この卵の薄膜はコラーゲンの増加を促すと言われ、 化粧品に使用したり、「コスメをはこう!」を キャッチフレーズに開発されたアツギのストッキング、 コンフォートシリーズにも使われているのだ。 キユーピーでは、日本国内における1年間の卵生産量 250万トンの内、8%にあたる20万トンを使用しており、 1企業での使用量としては日本№1だそうだ。 |
|||
「卵は命そのものなんです。捨てるところも無いし、全てを利用することができるんですよね」 | |||
広報室の吉岡さんが言った言葉が、印象的なインタビューだった。 | |||
|
|||
取材・執筆 本誌編集長 石田 千代 2003年10月19日 |