第1回 2003年11月29日 | |
急に寒い日が続くこの季節、 爆笑問題と和田アキコさんがテーブルを囲み、 熱々の鍋をつつくCMを見て、思わずスーパーで 野菜と一緒に、永谷園の煮込みラーメンを手に取った人も多いだろう。 この冬、かつて大ブームを巻き起こした"もつ鍋"のように 居酒屋などの鍋メニューにも登場しそうな "煮込みラーメン"にスポットを当ててみた。 |
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永谷園の煮込みラーメンは、平成5年にも発売されている。 当時は、1年中販売している商品であったのだが 春夏の需要が少なく、販売をいったん停止した。 ところが、毎年寒くなりだすと「煮込みラーメンはどこで売っているのですか」 等の問い合わせがお客様から多く集まり、 今年の9月8日から再販に乗り出したということだ。 煮込みラーメン商品開発にあたってのお話を、永谷園 広報部の小川 美朋さんに伺った。 |
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「社の者が、飲食店で煮込みタイプのラーメンを食べたことがありまして、それをヒントに考えました。 インスタントラーメンの分野に関しては、いろいろなメーカーさんから様々な商品が出されておりますので、鍋物としてのラーメンなら面白いのではないかと考えました。 弊社は、ご存知のようにドライグロッサリーを中心に商品展開をしております。 お茶漬けの素はもちろん、カレーやお汁粉、お寿司の素なども出していますがこれらの製品に共通しているのは、ファミリーユースということです。 小さいお子様からお年寄りまで楽しめる商品で、例えば麻婆春雨などの商品でも、香辛料が効いた本格的な中華専門店の味というよりも、お母さんが家庭で作るやさしい味を目指しています。 外で働く女性も増え、TVディナーや皆バラバラに食事をする家、というのが一時期ありましたが、再び家族で食卓を囲みあたたかい鍋物をみんなでつつく、という時間を楽しんでもらうことができればという思いがあったのも、商品を開発したきっかけのひとつです」 |
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煮込んでも伸びない麺の秘密とは? 煮込みラーメンの作り方は、非常に簡単。 野菜や肉を用意しておき、鍋に湯を沸かして肉、麺、野菜を入れてから 4分後、麺をほぐしてから煮込みスープを入れて3分煮込めば良いというもの。 忙しい主婦にとっては、ご飯を炊く時間も惜しいときがあるが 煮込みラーメンは、ご飯を炊く手間もいらず、お腹にもしっかりたまり、何よりも家族に野菜をたっぷり食べさせることができる。 麺と野菜に、ややとろみのあるスープがからまるのを頂くのは おいしい上にさっぱりとしており、飽きがこない。 また、鍋物にはいろいろな種類があるが、中華味のラーメン鍋というのはなかなか新鮮な印象だ。 不思議なことに、この麺は通常の麺のように ぐつぐつと煮込んでも伸びたりしない。 10分以上鍋で煮込んでもおいしく頂ける秘密を、小川さんに 尋ねてみた。 「平成5年に発売されて以来、伸びない麺についてはずっと研究を 続けておりまして、少しづつ改良しております。 発売当初は、やはり長い間煮込むとドロドロになってしまうなどの お叱りをお客様から頂いたこともあります。 これを克服するために、麺メーカーと一緒になって開発を進めて参りました。 原料の配合についてはもちろん、製法についても研究しました。 乾麺の作り方はいろいろあります。 通常のインスタントラーメンなどは、揚げてから乾燥させるなどの処理を 行いますが、煮込みラーメンの麺は時間をかけて乾燥します。 北海道に、寒干しラーメンという麺があるのですがこういった商品の作り方なども参考にしました。 パッケージについては、3人前なのになぜ麺が2つに分かれているのか という問い合わせも頂きますが、これは製造中や流通中も含み、スーパーなどの店頭に並ぶまでに割れにくい、ということも2つに分けた理由のひとつです。 煮込みスープも一番簡単なものでは、粉末スープを添付すれば 良いのですが、味についてやはり満足できないという理由で ウェットタイプになりました。同じウェットでも濃縮タイプにすればもっと小さくなるのでは、という声もありますが、 やはりおいしさをギリギリ保つのに必要な大きさだと考えています。 このため、かなり大きな嵩張るパッケージとなってしまい、 店頭では不利な点もありますが、味へのこだわりからゆずれませんでした」
親しみのあるキャラクターを採用することで、 ファミリー層に支持される商品イメージを展開していくのだそうだ。 販売についても順調に推移しており、 11月の段階で、すでに当初の販売数量を上回っている。 新感覚の鍋料理である煮込みラーメン。 この冬は家庭だけでなく、居酒屋等の鍋メニューで展開するのも面白いだろう。 メニュー作成に悩む飲食店の皆様も、ぜひ一度試してみるのはいかがだろうか? ※読者の皆様へ、抽選で5名様に煮込みラーメン4種類をセットにして差し上げます。 フードリンクニュース「今月のプレゼント」コーナーよりお申し込み下さい。 |
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取材・執筆 本誌編集長 石田 千代 2003年11月29日 |