 第17回 2004年2月14日 |
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| アイスクリーム業界の新商品の発売の多くは春と秋。その常識を覆して０２年１月に新商品が投入された。遊び心を込めて投入した「トルコ風アイス バニラ」は予想を超えて大評判を呼ぶ。もちもちとした伸びる食感の「トルコ風アイス」はこの２月、すっきりおいしいヨーグルト味の新商品を発売する。 | |
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０２年１月に「トルコ風アイス バニラ」が発売された。これが爆発的なヒットを呼び、１ヶ月で在庫が底をついてしまう。しばらく販売を見合わせなくてはならなくなったが、工場フル稼働で１ヶ月後には販売を再開。年間を通して売れまくり、およそ３０億円の売り上げを出した。昨年１１月に新発売となった「ストロベリー＆バニラ」も大人気で、季節に関係なく売れる「伸びてなめらか トルコ風アイス」のキャラクターは定着したといえる。 「最初に商品のコンセプトを発表したとき『ふざけるな』って声が飛んできましたよ」 研究開発部企画グループの田山俊也氏は入社以来アイスクリーム畑一本、筋金入りの「アイスのプロ」である。最初の７年半はセールスマンとしてアイスクリームを売っていたが、５年前に研究開発部に移った。 「研究開発部に移った当初は『バニラバーマルチ』の改良などを手がけました。今は、『トルコ風アイス』や『Wave』などの開発に携わっています」 幅広い視野で研究開発を進めていた田山氏が「トルコ風アイス」のコンセプトを思いつき、開発を始めたのが００年。発売に至るまで２年間あるが、発売より半年前の０１年８月頃には、商品もほぼ完成していたという。田山氏の独創的なアイディアは当初より受け入れられたわけではなく、「トルコ風アイス」はお蔵入り寸前であった。 「その半年間ですか？ 残念だとか、悲しいとか思ったりはしませんでした。それよりその期間に『やれるぞ』という気持ちが高まっていきました」 半年間アイディアを寝かせていた間に田山氏はアイスの食べ歩きを重ね、ついに遊び心が詰まった「トルコ風アイス」の発売が決まる。 「１月という売り上げの見込めないタイミングでの新発売でしたが、１ヶ月で在庫が底をついてしまって・・・。うれしかったですが、販売休止になってそれより残念でしたね」 販売を再開してからも売り上げが落ちることはなく、年間で約３０億の売り上げとなった。「伸びるアイス」というコンセプトが「暑い季節に食べる冷菓」というイメージをうち破り、安定した売り上げを確立したのだ。現在、このコンセプトに対抗できる新商品を投入する他社はなく、一人勝ちの状態だ。 |
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これこそ今までの「トルコ風アイス」になかった すっきりしたおいしさ！ ロッテスノーはその後も新商品をヒットさせた。０３年１月には「チョココーヒー＆バニラ」を投入、改良したバニラとともに発売から２ヶ月で約１０億円のヒットとなった。５月には「マンゴー味」、９月に「モカチョコ＆バニラ」、１１月には「ストロベリー＆バニラ」が発売され、着実にファンを増やしてその人気は衰えることがない。 そして、今年の２月１６日（月）に待望の新商品「トルコ風アイス ヨーグルト味」が発売される。商品のひとつ一つに新しい挑戦を盛り込んできたこの人気シリーズも、今回のヨーグルト味の開発は困難を極めたという。 「お待たせしました！」 「ヨーグルトに限りませんが、酸味というのは伸びるのをじゃましてしまいます」
今回も２月新発売であり、冷菓の新発売としては恵まれた時季ではないのだが、３月末までの１ヶ月半で４億の売り上げを目標としているという。 「トルコ風アイスは幅広い方々に支持をいただいております。当初は想定していなかったのですが、若年層の中学生や高校生にも積極的に選んでいただいています」 しっかりとしたコンセプトを持って個性を発揮する----そんなイメージが重なるのだろう、２月２７日（金）からニューヨークヤンキースの松井秀喜選手のテレビCMをオンエアする。CMの中で実際に「トルコ風アイス」を食べているそうなので、その表情をチェックしていただきたい。私もヨーグルト味を試食させていただいたのだが、伸びて柔らかい食感と、ヨーグルトのさっぱりとした後味がおいしくて、朝からでも、食前でも、いくらでも食べられると思った。 「ふざけるな」の言葉から年間３０億円のヒット商品へ。ロッテスノーの柔軟な商品開発力は、今年もアイスクリーム市場を賑わせてくれるだろう。「トルコ風アイス ヨーグルト味」は２月１６日（月）より全国のコンビニとスーパーなどで販売が開始される。 |
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| 2004年2月14日 取材 執筆 山越 龍二 | |||
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