第24回 2004年4月4日 | |
以前よりイタリアの野菜に着目していたカゴメは、5年前から冷凍イタリアングリル野菜の販売を 開始した。 そして2004年、この実績を基に「ブッフェ イタリアーノ」と銘打って業務用に調理済み食品を発売した。 | |
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旬の野菜を届ける新技術 カゴメが「ミックス野菜のオイル漬け」を新発売した。解凍するだけで提供することができ、素材 の食感と味わいをそのまま引き出せたのも、カゴメが以前よりイタリア野菜に目を付け、5年前よ り「冷凍イタリアングリル野菜」をプロデュースしてきた実績、確信があるからだ。 そして現在、このイタリアングリル野菜の特性を十分活かし、「食感を損なわず手作りに近い野菜 のオイル漬け」ができるようになった。 ズッキーニをはじめとするイタリア野菜は、地中海性気候のもと露地栽培され、完熟したものだけ を収穫することによってしっかりとした味わいに育っている。イタリアにあるカゴメの契約工場に よって旬の野菜をその都度、加工、冷凍して鮮度を保てるようになり、いつでも素晴らしい野菜を 提供できるようになった。それにより日本のイタリアンレストランでも旬のままのイタリア野菜を 使用できるようになった。
「冷凍イタリアングリル野菜」は独自の「ノンオイルでグリル」製法を施すのみで、味付けは一切 していない。各種素材となる野菜に焼き色をつけた結果、適度に水分がとび、また、ぎっしりと野 菜の旨みがつまっている。そのため、自分の店の味にこだわる飲食店に重宝されている。 しかし、最近のシェフは様々なジャンルの料理を学び、仕込み・調理しなくてはならない。ブッフ ェ料理にしろコース料理にしろ、すべての料理を1から作るのは大変な手間になってしまう。手軽 に本場のイタリア野菜を提供していただきたい--そんな思いが「ミックス野菜のオイル漬け」を生 み出したのだ。 ホテルや会館、イタリアンレストランはもちろんペンションなど、本格的な料理が大量にはける飲 食業ではかねてよりこのような手軽な1品が求められていた。 そもそもこの商品の開発にはホテルのシェフや外食コンサルタントが関わったということからも、 その期待の程がわかるだろう。 |
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続々登場するわけ 「商品の構想は1年前くらいより。味作りは、ベースができた後に、2ケ月程度、ホテルのシェフ や外食コンサルタントの方に試食などをしてもらい、仕上げました」 そう語るのは「ミックス野菜のオイル漬け」開発を手掛けたカゴメの商品企画課長土屋恒幸さん。 「忙しいオーナーシェフに使っていただきたい」と明確に使い手をイメージされている。 「収穫時季が違う野菜をおいしさそのままひとつのメニューに仕上げた」ことがシェフに認知され 、注目度も高いようだ。 「グリル野菜の特徴としてドリップが少なく、うまみが逃げない」し、「オイル漬けにすることに より本来の良さを失わない」のだという。そもそも「野菜だけのオイル漬けは今までなかった」か ら希少価値があるのだ。
コンセプトを固めるのに1年、味作りに2ヶ月、そしてベースとなる技術を5年間積み上げてきた カゴメだからこそ出来た新商品「ミックス野菜のオイル漬け」。「ブッフェ イタリアーノ」の中で もこの野菜のオイル漬けシリーズは「ズッキーニのオイル漬け」「小タマネギの甘酢仕立て」「ナスのオイル漬け ドライトマト風味」「ペペローニのオイル漬け」と5種類が同時に新発売された。 トマトと野菜にこだわり、信頼される商品を出し続けてきたカゴメ。この野菜のオイル漬けシリー ズは広く受け入れられるだろう。 |
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2004年4月4日 取材 執筆 山越 龍二 | |||
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