六本木にある「眞平」がリニューアルオープンしたのは01年5月。田崎真也氏は常連であったお店「万平」をそのまま引き継ぎ、「自身が利用したいと考える」お店を作り上げた。豚のもつ焼きや伊豆七島の焼酎が人気の同店はオープンより高橋聡店長がお店に立っている。
以前はホテル西洋銀座のソムリエだった高橋さんは00年より田崎氏のワインスクールの講師となる。01年5月、「眞平」オープン直前の日、お店に呼び出された高橋さんは田崎氏に一言言われた。「明日から来なさい」
最初はびっくりしたそうだが、今ではお店を任されているという充実感を感じているという。高橋さんは現在ワインスクールで「ワイン初級」「焼酎入門」を担当している。「焼酎入門」セミナーは若い女性が多いそうで、「眞平」の来店客層である20歳代後半〜30歳代前半女性と合致している。セミナーに参加する人は趣味であったり、仕事として焼酎を売る立場であることが多いとのこと。参加すれば「自分の好みが明確になり、どんな焼酎が飲みたいかを言えるようになる」ということで、好きな焼酎の銘柄がある人にとっては新発見があるだろう。
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山形の特上豚に国産の岩塩を合わせた「特選肩ロース」/丘ひじきのサラダ |
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高橋さんはどんなお酒でも飲まれるそうだが、「焼酎を飲むと仕事モードに戻ってしまう」そうだ。最近気になっているのは「米や麦の焼酎がこれからどうなるか。どの様に盛り上げられるか」ということらしい。
焼酎だけで170銘柄の品揃えがあるのだが、やはり芋焼酎が人気である。奄美と小笠原のラム(国産サトウキビより造ったお酒)も置いている。ビールはオリオンの樽生のみ。週末はすぐに席が埋まるが、待っていただけるお客様には席が空き次第に携帯電話へ連絡するサービスをしている。ただし「22時頃までは席は空かない」とのこと。
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カウンターのみの店内。開店前から煮込み料理の鍋が濃厚な香りを漂わせている |
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かつてはホテルという空間で非日常を演出する仕事をしていた高橋さんも「眞平」の「お客様が素を出している」気取らない雰囲気が大好きだそうだ。忙しくない時間帯にだけ顔を出して1杯飲んでいく年輩の常連客もいるそうで、幅広くくつろぎを提供するお店になっている。
朝の2時まで営業している同店はオーナーの田崎氏もしばしば顔を出す。お客様同士で焼酎を酌み交わす風景がここの最大の魅力だろう。深夜の1杯とともに面々が言葉を弾ませ、「眞平」の赤のれんが六本木の風に泳いでいた。
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