「鳩・うずらなどの炭火焼がおすすめ」という居酒屋の「ひねも」は昨年3月にオープンし、18席の店内は1年を過ぎた今でも絶え間なく賑わっている。
同店は「おいしいお酒を飲んでみたいという方に適したお店」(白石店長)で、当初はワイン・日本酒・焼酎をまんべんなく揃えていたのだが、3か月を経た時期に「新橋では焼酎や日本酒に凝ったお店はあるがワインのお店はない」と思い、ワインの品揃えに力を入れることになったという。ドリンクメニューのお酒はすべて白石店長がテイスティングをし、気に入ったものを積極的に取り入れている。ワインリストは毎週更新しているそうだ。
そのおかげでワインのお店という印象が定着し、オープン時より置いているハウスワイン「レッズ」がお店の看板メニューとして常連客に愛されている。このワインはカリフォルニアにワイナリーがあり、白石店長は実際に訪れたこともあるほど思い入れがある。「ハウスワインと言いながら決して安いわけではない」ながらも定番メニューとしてワインリストの冒頭を飾っている。
白石店長は銀座「シノワ」や日本橋の会員制・日本酒専門店で修行を重ね、よく飲みに来ていた新橋で「帰りがけに1杯でも寄れるお店」をスタートさせた。
同店は「炭火焼きとワインを軸足におでんも食べられる店」であり、シンプルであることを心がけた料理がうけている。客層は40歳代の男性が多く、新橋という立地が反映されているようだ。
ドリンクの人気メニューは赤ワイン「レッズ」焼酎「がらるっど 25度」に続き「新橋一のレモンサワー」がくる。
常連客に一工夫加えたレモンサワーを提供したところひじょうに好評で、人気メニューとなったそうだ。グラスワインは白2種類・赤3種類あり、787円に統一されたラインナップは随時かわる「おすすめメニュー」だ。
白石店長が参考にしたのは「ヴァンピックル」や「萬鳥」であり、「気楽においしいお酒を」のコンセプトを徹底している。ワインは料理とのマリアージュにこだわらず、単品としてのおいしさ(完成度)をチョイスの基準としている。22時30分を過ぎるとバータイムとなり、フードはおでんと漬け物のみとなる。
「『本格的なフレンチには足が向かないけれどもおいしいワインが飲みたい』という方に来ていただきたい」と話してくれた白石店長。カウンターのある「ひねも」は新橋にあって極上の時間が流れる数少ない居酒屋である。
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