立っているだけで汗が出てくるような晴天の下、恵比寿ガーデンプレイスを訪れた。開場は14時半なのだが、13時過ぎから数十人並んでいる。このフェスティバルは毎年2日間開催されて、およそ5000人が訪れる。広島で開催されている「全国新酒鑑評会」とは違って「フェスティバル=遊び」の雰囲気となっており、ホットドッグやラーメンを販売しているスペースもある。また、ビール造りを体験できるコーナーもある。個人でビールを造ることが認められていない日本では、このようなBOP(Brewing
On Premises=醸造所で個人がビールを造ること)もイベントとして盛り上がっているようだ。
このフェスティバルの最大の魅力は珍しい銘柄がドラフト(樽)で飲めることであろう。海外からおよそ40種類、国内でおよそ60種類のビールが揃っている。
まずは「ピルスナーの元祖」と言われているチェコの「ピルスナー・ウルケル」を口にしてみる。鮮烈な印象はないのだが、モルトの香ばしさの後にカラメル系の甘みが感じられた。次に「アンカー・リバティエール」を試飲。バランスが良く余韻が長い。そして「よなよなポーター」を注いでもらう。華やかで、コクがあるのにすっと飲めてしまう。このブランドのレシピがすごいのはもちろんだが、黒ビール(強く焙煎して黒くなった麦を使用したビール)は「リアルエール」で提供することによってその個性をより高められると再認識する。従来のように二酸化炭素を入れてしまうと泡の硬い刺激と黒ビールのコクがバッティングして(醸造所で飲むのよりも)飲みづらくなってしまってはいないだろうか。
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