マクロビオティックは「陰陽」をベースにしており、静・止・冷・暗を生み出す「陰」と、音・動・熱・光を生み出す「陽」に区別される素材を使い分け、「中庸」になるよう調理方法も工夫した食事法のことである。
難しい理論に聞こえるが、「チャヤ マクロビオティック レストラン 新宿店」のシェフは料理の技術をベースにこの理論を修めているそうだ。同店の料理は基本的にコースとなっていて、「1番人気はパンケット(3675円)」(岩本店長)である。品数が多く彩りが美しいこのコース料理はバランスが良く、なにより美味しいからこそ支持されている。
マクロビオティックの食事法を抜粋して紹介すると「全粒穀物60%+野菜30%+豆及び豆製品10%(=100%)」を基本メニューとし、「漬け物」「海草」「調味料・卓上菜」「植物油」を適度に追加するスタイルを日常の、基本食としている。まさに伝統的な日本食なのだが、食糧自給率が40%の今の日本では伝統的な食材が手に入りづらくなっており、「マクロビオティック」というコンセプトが新たな指針となっている。
チャヤのレストランやデリ、カフェはそれぞれの店舗でオリジナルのメニューを出しており、毎月メニューを更新しているそうだ。旬の素材を使うという「基本は変わらない」が「年を重ねるごとに幅が広がっている」(丸シェフ)とのこと。7〜8月のおすすめ夏メニューとして「調理法も独自の、マクロビオティックに則った」カレーがある。これは新宿店をはじめとして自由が丘店・日比谷店でも食べることができる。
「チャヤ マクロビオティック レストラン 新宿店」は食事がメインのお店なのだが、カウンター席ではラウンジのようにドリンクを楽しむことが出来る。私も暑い日に「ソイグルト」をいただいたが、さっぱりした酸味とやさしい甘みがおいしかった。
カウンターにはオーガニックワイン、玄米焼酎が並び、オーガニックビールも用意されている。お客様の8割近くが女性だそうだが、ボリュームにしろ味わいにしろ、男性でも満足できるメニューであることは確かだ。
マクロビオティックレストランを経営する日影茶屋。江戸から続く歴史を持つ同社は来年、アメリカ進出を予定している。アメリカで「マクロビオティック」のお店を展開するのは同社初になるが、すでに同国で3店を展開している「CHAYA」と協力、ハリウッド女優も実践している「マクロビオティック」のアンテナショップとして期待されている。
アメリカではローカーブ(低炭水化物)ダイエットが非常な盛り上がりを見せている一方、「日本食の健康的なメニューはセレブに根強い人気がある」という話も聞く。今後の動向がとても楽しみである。 |