「飲・食・店」新聞フードリンクニュース
第41回 2004年8月1日
 
 渋谷は神南1丁目にあるナヴィ渋谷ビルディング。この最上階9階と8階にゼットンによる「神南軒」がオープンした。「銀座ロビー」の経験を糧にしての「トラディショナル ジャパニーズ」なる新コンセプトを注入した同店を取材した。
クラシカルなエントランス
 6月にゼットンが渋谷に「ニホン食」の新店をオープンすると聞いた時、心が躍ったのを覚えている。「ゼットンは渋谷でどのような業態を展開するのだろうか」・・・その答えが「神南軒」として結実した。

 ゼットン渋谷進出のニュースは意外性を持って受けとめられたが、立地を選んでの出店ではないそうだ。最初にナヴィ渋谷を手掛けたイデーアールプロジェクトとのコラボレーションにゴーサインが出て、その立地がたまたま渋谷であったということらしい。そして渋谷でどのような業態を展開しようかと考え、昨年3月に出店した「銀座ロビー」の発展型とも言える「トラディショナル ジャパニーズ」の「神南軒」が完成した。


 
ルーフ・テラス席から
渋谷の眺望
 「神南軒」は「銀座ロビー」といくつかの点で違いがある。まず、「渋谷という立地を考えて」「洋食にボリュームを持たせました」(ゼットン 西村さん)とのこと。また「今までは1フロアで20席くらい」の店舗が多かったが、「神南軒」は1フロアで80席とかなり広い。「オペレーションも大きく変わ」るそうで、斉藤店長の下、スタッフ全員がシュミレーションやトレーニングを重ねたそうだ。将来的にはレストランウェディングを催すことも視野に入れ、150名までのパーティを受け付けている。

 メニュー構成も渋谷という立地を考慮し、「銀座ロビー」の客単価7000円に対して「神南軒」は5000円と控えめである。内装はクラシックに仕上げられており、フロア中央の吹き抜け部分ではアトリウムが夜空まで伸びている。

 「神南軒」の最大の特長のひとつは屋上にあるルーフ・テラス席である。日が暮れてからの眺めはとてもよい。こちらはドリンクとデザートのみのスペースとなっているので、レストランスペースでの食事前にシャンパンで涼をとったり、食後にカクテルで渋谷の灯を眺めるのに最適である。

ランチは950円からある
(レストランスペースのみ)
 同店を訪れるお客様は20代後半〜30代の方が多く、外国人もよく見かける。焼酎とワインが人気ということだが、最大の特徴はシャンパン(スパークリングワインを含む)を9種類揃えている点であろう。スパークリングワインの消費量は世界的に伸びているが、ゼットンのお店でもここ2年ほどシャンパンの注文が増えているという。「特別な飲み物でなくなった」ということなのだろう。シャンパン1種類・スパークリングワイン1種類はグラスでオーダーすることが出来る。ラウンジとルーフ・テラスが最も混むのは22時ということで、夜を楽しむお客様が引きも切らないようだ。  

  人気料理は「鍋焼きハンバーグ」や「雲丹とじゅん菜の冷やし茶碗蒸し」そして「岩中地豚の生姜焼き」とバリエーションに富んでいる。東京統括料理長の内山氏によって旬の食材や、岩中地豚をはじめとする銘柄素材を取り入れているのだ。ご飯へのこだわりも並々ならぬものがあり、白米は「こしいぶき」、バターライスは「ひのひかり」、釜飯は「神代あきたこまち」と使い分けているのだそうだ。

 
やわらかくて香ばしい
「岩中地豚の生姜焼き」
 ハーフポーションの料理があったり、「どれも食べたい」という女性の贅沢なオーダーに応えて「デザート盛り合わせ」はリーズナブルに全種類のデザートを食べることが出来るよう工夫されている。

 ゼットンは今年の秋、名古屋の徳川園にガーデンレストランを出店する。フレンチのシェフを迎えてレストランを展開するそうだ。来年春には中部国際空港にカフェを出店、国内の出店が一段落した時点で海外への出店計画もあるとのこと。東京で成功した同社の海外初出店はどのような形になるのだろうか。今後も目が離せない。
 
 
渋谷「神南軒」
住  所 東京都渋谷区神南1-20-5 NAVI SHIBUYA 9F
T E L 03-5784-4455
営業時間
ランチ 11:30〜15:00
ディナー 17:00〜24:00
バー 月〜土・祝前日/17:00〜3:00
日・祝/17:00〜24:00
定休日 無休
U R L http://www.zetton.jp/
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「岩中地豚の生姜焼き」
 
取材・執筆 山越 龍二 2004年8月1日
取材・執筆 山越 龍二 2004年5月1日
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