甘くてアクが少なく、
とびきりおいしいのがミネラル野菜
このごろ耳にする野菜の新ブランドミネラル野菜。体に必要となるミネラルが豊富に含まれており、健康的なイメージがあるが通常の野菜とどのように違うのだろうか
ミネラル野菜とは、水戸短大教授の高倉博士が考案した
総合ミネラル肥料を使用し、ミネラル豊富な土壌で 野菜をつくる農法でできた野菜とされている。
農業の近代化が進むにつれて、収穫を多くすることを 目的に土壌には、肥料の使用が多くなった。
そこで病害虫も発生し、農薬の使用が急増したために、土が固く締まり、微生物の生態系バランスは崩れ、ミネラルが不足している状態となってしまった。
そのような土からは野菜も充分な栄養を吸収することができない。
このために、まず土壌判断をして多量要素から、微量要素(ミネラル)バランスまでを分析。
この分析結果に基づいて、適正施肥とミネラル資材を土壌投入して整え、野菜を育てている。
こうして作られた野菜は、光合成が増すために野菜の糖度が増し、 硝酸値が減る。
ミネラル野菜の品質基準には、野菜の糖度と硝酸値が定義してありそれぞれクリアしなければ、ミネラル野菜とは名乗れないことになっている。
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ミネラル野菜の産地、
つねみ農園の産地学習会
そういったミネラル野菜を20年間も作り続けているのが 埼玉県妻沼町にあり、常見 満福氏が代表をつとめるつねみ農園。
弊社主催で、ミネラル野菜をメニューに取り入れたいと考える飲食店経営者を募り、「産地学習会」を実施。
こちらのメンバーと共に、2004年7月、35度を越える猛暑の中で、つねみ農園、ミネラル野菜づくりの現場を訪れた。
太陽が容赦なく畑を照りつけている中、一部畑の表面にビニールが 張られている部分がある。
「太陽殺菌と言ってね、眠らせている畑はビニールを敷いて水を溜めておくと、土中の温度が上昇して自然と殺菌が出来るんだよ」
黒く日焼けした常見農研会の農家の1人が口を開いた。
ミネラル野菜は自然の力を最大限活用するために手間がかかる一方、
安心と安全を実現できているのだ。
ミネラル野菜の評判は常々耳にしていた。
「ネット販売で売り切れ続出」という噂もあれば、テレビで生産者の常見さんを拝見したこともある。
「『ミネラル野菜』が高く売れると知って生産者グループに入りたいと言ってくる農家も多いけど、そんなに簡単じゃないよ」と常見さん。
彼はおよそ20年間ミネラル野菜を生産しており、そのための畑作りを欠かさず行っている。
他店との差別化を目指し、産地学習会に参加した店長は話を聞きながら、野菜のさまざまな箇所に触れている。
「総合ミネラル肥料で生産すると糖尿病やアレルギーの原因と疑われている窒素が減少して、アミノ酸・タンパク質を豊富に含む元気な野菜が育つよ」
と言われ、店長は「どうやって見分ければいいんですか」とすかさず質問した。
「たとえばネギ。窒素を入れると葉の部分の色が濃くなる」と常見さん。
市場では、見た目の色の濃さで売値が決まってしまうため、窒素肥料を使わないミネラル野菜は色が薄いため地元スーパーにおいては
安く買い取られてしまう。
「ミネラル肥料は窒素肥料より高いし、手を抜くとすぐに分かる」ということで、楽な生産方法ではない。
常見さんは約20年をかけて、ネギで年間1万ケース(1ケース5キロ) を出荷するまでになった。
産地学習会ではそれぞれがスーパーの野菜との食べ比べも行った。
ミネラル野菜は、たまねぎの甘みやキュウリの香りが際立つ。
常見さん宅では小鳥を飼っており、餌にミネラル野菜を 与えているのだが、小鳥もキュウリはきれいに食べ尽くされていた。
つねみ農園の主力商品であるやまと芋などは、収穫前1ヶ月毎1日がかりで健康検査を行っている。
前述した糖度と硝酸値をクリアしているのかチェックするためだ。
擂ったやまと芋は、アクが少ないために時間をおいても黒ずむこともなく真っ白いまま。
通常の山芋のように水っぽくなく、口に含むと、粘りと甘みがしっかりと感じられる。おいしい野菜をたっぷりと頂いて、つねみ農園を後にした。
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やまと芋とスタッフからたっぷりの元気をもらう
産地学習会に参加した、自由が丘にある居酒屋 "てっぺん"の料理のボスである内山正宏氏は、やまと芋をメニューに導入することを決定した。
「舌の肥えた自由が丘のお客様にも納得して頂ける味。
食べた瞬間に、甘みと粘りの強さの違いがわかる」 のがその理由だ。
いくつかのメニューを試作後、新メニューが出来上がったという連絡があり、早速試食させて頂くことになった。
店内に入ると、「いらっしゃいませ!」とスタッフの元気な声が響く。
てっぺんでは、毎日営業開始前に朝礼を行っている。
朝礼には全員が参加し、接客の基本となる挨拶の声出し訓練の他に、今日の目標をスピーチする。
全員がものすごいハイテンションで挨拶を行うので正直圧倒された。
これは自ら今日の目標を語ることにより、誰かにやらされている、とは考えずに、自ら率先して動くことを旨とし、スタッフ同士みな同じように高い意識をもって
働く活性剤ともなっている
「スタッフが元気にふるまうことにより、お客様全員に元気になってもらい、日本中が明るく元気になる」
という狙いもあるそうだ。
この日、内山さんに用意して頂いたメニューは2品。
いずれもより元気になってもらうための食材を山芋と組み合わせたという逸品である。
1品目は、粘るもの同士の組み合わせたという 「納得とろろのいそべ揚げ(\630)」。
納豆ととろろを合わせたものに、海苔を巻いて揚げたもの。
カリッとした表面から、やわらかなとろろと納豆が流れ出し、ビール、日本酒、焼酎にもぴったりのおつまみ。
2品目は「石焼うなとろ飯(\1180)」。石焼ビビンバに使用する器に、白いご飯を盛り付け 鰻や温泉玉子、海苔など具が豪快に乗せられている。
熱々のところを、卓上でしっかりと混ぜ合わせて頂く。
ボリュームも満点、お焦げとうなぎがほどよく混ざり さらにもっちりとしたとろろがからまる。
最初はそのまま、次は出汁をかけて食べるのもおいしいとのことで食事に〆には是非オーダーしたい。
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「自由が丘は、所得が高い人が多いせいか、
食材にとてもこだわる人が多いです。
お客様の中にも、この食材の産地は
どこのか聞かれたりすることもよくあります。
看板メニューのひとつ、おでんのトマトなどはお客様に、
どんな種類のトマトがいいよなど
教えて頂くことも多いんですね。
つねみ農園のやまと芋は、
そんなうるさいお客様にも納得して頂ける味。
その素材の味を生かしたメニューを
どんどん開発していきますので、
是非試して頂きたいですね」
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てっぺんでは、9月14日から上記の2品が食べられる。
おいしい料理と、元気いっぱいの挨拶。 店を訪れれば、やまと芋とスタッフからパワーをたっぷりとチャージしてもらえるはずだ。
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