「薫風花麗」と書いて「くんぷうはなれい」と読む。同店は和風ダイニング「薫風」の二号店あたるということで別館を意味する「はなれ」にかけているのだが、単に「離れ」とせずに「花麗」とすることで優雅な店の雰囲気を伝えている。
二年前にオープンした同店の内装は店長をはじめとしたスタッフ自らの手によるもので、あつらえものではないオリジナルの雰囲気。天井からは各テーブルを囲むように簾がかかっているのだが、テーブル全てが隠れることのないよう微妙に角度がつけられており完全個室とはならないよう計算されているという。このラフな空間の演出がスタッフとお客様はもちろんのこと、偶然隣のテーブルに並んだお客様同士のコミュニケーションにも大きな役割を果たしているとは店長の堀氏は弁。
気の合うグループで盛り上がれるように個室を設けるダイニングが多い中、小さなハプニングを仕掛けるこの演出は秀逸ではないだろうか。
お客様に喜ばれるだけでなく、スタッフも非常に楽しんでサービスができると笑顔で話してくれた。さらに、一人で来店されるお客様にはバーカウンターをしつらえた三号店を同店階上に9月1日オープンさせるなど、全てのお客様に喜んでいただきたいという店長の熱い思いは尽きることはないようだ。
同店の人気メニューの一つ「でっかいチーズでシーザーサラダ」もそんな思いが伝わるようなエンターテイメント性に溢れている。お皿の上にキッチンで全て完了したシーザーサラダが運ばれてくるのではない。大人一人がやっと持ち上げることができるようなパルメザンチーズの大皿がお客様の目の前に来る、そこにスタッフの手でサラダの具が各種投入されて調理し人数分に取り分けてから提供される。また、同じようにスタッフがお客様の目の前で土鍋を使って調理する「目の前で豆腐」というメニューは、他の豆腐料理と共に喜ばれている。
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サプライズメニュー「でっかいチーズでシーザーサラダ」 |
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最近ブームの兆候を見せる名古屋料理も「薫風花麗」ではすでに定番の人気メニュー。それもそのはずキッチンには根本料理長をはじめ名古屋出身のスタッフが4人も腕を振るっているのだから本場の味。郷土料理をそのまま提供するだけでなく、更なる深みを目指すために日々研鑽に余念がないというキッチンスタッフは里帰りも一つの研修旅行なのかも知れない。その結果、「焼ひつまぶし」は名古屋料理でありながらも東京六本木に位置する同店に集うお客様に支持されるに至っている。
その他、メニューに掲載されている料理以外にも「今日はヘルシーにいきたい」や「肉でがっつりと腹ごしらえがしたい」といったおまかせ的なオーダーにも喜んで応える。
大きなセラーにディスプレイされたワイン300種、焼酎約400種という膨大なリストも見逃すことはできない。特に焼酎は、通常で言う「トリプル」位の大容量で、値段はどの銘柄でも980円で提供される。さまざまな銘柄を楽しみたいというお客様には480円のハーフサイズも用意されており、同店のメインターゲットである30〜40代といういわゆる味覚にこだわりのあるお客様の「自分銘柄探しの旅」のガイド役になることにも積極的なようだ。
現在、約20種類程用意されている泡盛もお客様の要望に応えようと種類がまだまだ増え続けている。
「コミュニケーションを大切にしていきたい」と語る店長の堀勝樹氏。
その嬉しいサプライズを演出するディレクションと、地に足のついた美味い料理を武器に六本木で頭角を現している。
薫風花麗 |
住 所 |
東京都港区六本木4-8-3 日英ビル2F |
電 話 |
03-5772-3279 |
営業時間 |
18:00〜5:00 |
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