「BAR岡部竜一」、甘えは許されない、逃げられない店名である。
もちろん、店長は岡部竜一氏。バーテンダーを志し、約3年前に日比谷バーに入社した。そのスマートな顔立ちの28歳の氏が、カウンターに立ちお客様を迎える。

この度、日比谷バー全社で行われた「第1回店長塾」で残した優秀な成績を称えられ、1年間店主として店を与えられたカウンター8席、テーブル4席のオーセンティックバー。
銀座は電通通り沿いのビルの5階、11月18日に力強く「BAR岡部竜一」はオープンした。

「オープンして2週間経ちましたが、毎日が楽しいです。
以前は、日比谷バー銀座6号店で店舗責任者として働いていました。23時半までのオープンでしたが、ここ「BAR岡部竜一」は26時まで。たった2時間の違いですが、今は仕込みから何から全て一人でやらなくてはなりませんので、この2時間の差がとても大きいんです。しかし、お客様の笑顔はやはり嬉しいのでやりがいはあります。」と岡部氏は語る。

日比谷バーの店長塾、正式名称は「燃えろ！！実践店長塾」と言い、日々の業務を遂行しながら店長としてワンランクもツーランクも上を目指すための「塾」。売り上げなど数字の管理も含めた「実践」を徹底して学ぶ場。その店長塾の最後に自分ならこういう店づくりをしてお客様を喜ばせるというプレゼンテーションを行う。そして、22人の強豪の中から岡部氏は選ばれた。
「勝算はありました。」と明るい笑顔で言う。

しかし、そんな氏も「BAR岡部竜一」出店を知ったのは開店6日前。内装などのハード面は全て準備が済んでいたが、ソフト面の詰めが相当大変だったらしいことはWEBサイトを見ると明らかだ。
これから丁寧にお客様に愛される「BAR岡部竜一」をつくっていくわけだが、どのようなお店にいようと考えているのだろうか。

「「BAR岡部竜一」は、ある意味、日比谷バー全店のスタッフに見られているわけです。
なので、自分の店が持てたからと言って、天狗にはならずに謙虚さを忘れないようにと思っています。これまで日比谷バーで学ばせてもらったものを、今度は還元するために、1年間で経験させてもらう 様々なものを会社にフィードバックしたいと考えています。自分の経験が次の役に立つようになることは嬉しいですね。それがお客様の喜びに繋がればさらに嬉しいです。」と冷静だ。

お薦めのメニューは、「舌シチュー」（997円）。寒い季節に身体を温めるには最適の料理。当然、氏が自ら調理した逸品。料理メニューは現在、日比谷バーのメニューをアレンジして提供しているが、来年2月には「BAR岡部竜一」オリジナルメニューがお披露目になる予定。現在、開発中だということだ。
ドリンクでは、「ダークラム・トニック」（99７円）をお薦めしている。寝かせたラムの美味しさを多くの人に是非知って欲しい、ラム好きの氏ならではだ。

東京の大学で4年間情報処理を学んだ岡部氏。
大学での勉強も嫌いではなかったが、バーの楽しさを知りいつしか自分の店を持ちたいと思うようになった。卒業後は飲食店での仕事の流れを全て経験したいと思い、さまざまな部署で働いたという。日比谷バーに入社してからは、商売人として目覚めるような多くの体験をしてさらにバーの楽しさと難しさに惹かれて日々精進した。その一つの結果が今回の「BAR岡部竜一」オープンである。しかし、「夢が目標になるbar」はあくまで通過点でありゴールではない。

客単価4000円、月商125万円を目標に「BAR岡部竜一」はスタート。
これからの1年はもちろん、その後も気になる注目のバーテンダーが銀座にデビューを飾った。
銀座に寄った際は、若く熱いバーテンダーの想いを楽んではいかがだろうか。