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編集部の気になる商品とお店

第62回 2004年12月25日

セレブにも熱い信頼、六本木で楽しむ炉端焼き
六本木「田舎家」
田舎家

「ただの居酒屋とは言われないだけの自信はあります。」
東京は六本木交差点近くに位置する「田舎家」主任・井上氏は、真剣な面持ちで言う。夜は光の洪水のような六本木だが、路地を一つ曲がっただけで品のある日本的なたたずまいの「田舎家」が現れる。主張しないが、どこか惹きつけられる厳かな雰囲気は通り行く人々の気を引く。創業35年になる田舎家が旧防衛庁横からこの場所に移転オープンしてから3年目、メニューブックもなければ、金額の表示もないが、変わらず満席の日が続いている繁盛店だ。

店内中央の焼き場を囲むようにしてカウンター25席、焼方とカウンターの間に所狭しと並べられた食材から好きなものを好きなだけ注文して焼いてもらう炉端焼スタイル。目の前の食材が目の前で焼かれる時のシズル感と、注文の際に生まれる粋なスタッフとのコミュニケーションが喜ばれる理由。野菜、鮮魚をはじめとした食材は、専門の目利きによって各地から仕入れられた高級品を使用している。なかでも、田舎家特製のタレを使用した牛串は人気メニュでほとんどのお客様がオーダーするという。

田舎家の特長は、外国人客が多いことがあげられる。観光客はもちろんのこと、俳優トム・クルーズやジャン・レノ、ミュージシャンのエリック・クラプトンなどのセレブにもファンが多い。東京へ来たら田舎家へ行くことが一つのステータスであるとまで言われるらしい。美味しい料理はもちろんのこと、炉端焼という日本独特のスタイルを楽しんでいるようだ。日本人では叶姉妹も常連であるなど、芸能人の利用や接待需要にも応えるだけのサービスレベルを持つ。
「セレブの方々がいらっしゃる前には、それぞれのお客様の料理やサービスに関して注意事項を伺います。ホールスタッフは常時3〜4人いますが、当日はその注意事項を全員で徹底的に確認してサービスをしています。外国のお客様に落ち着いて炉端焼きを堪能していただくには細心の注意が必要なのです。」と井上氏は言う。
「外国人のお客様は基本的にシェアという考え方がありません。一つのお皿をみんなでつつきあうことがないので、グループの場合は一皿づつお客様に提供しないと、非常に戸惑われることがあります。」と、外国人客が多い店ならではの苦労も語ってくれた。初めて来店して緊張している外国人客には、炉端焼特有のあの長いしゃもじに瓶ビールを乗せて提供しびっくりさせて、和んでもらうそうだ。

店長の渡辺氏によると、料理とサービスのレベルを保つために新店出店の予定は一切ないという。現在、こちら西店と東店の2店舗を六本木で展開しているが、お客様の信頼を守り抜くにはこの規模がよいとの判断。今後も変わらず地に足のついた運営を変わらず続けていく。
ダイナミックな炉端焼きを上質のサービスで味わって、いつもとは違う六本木の夜を楽しんでみてはいかがだろうか。

田舎家
格調高いエントランス

田舎家
焼方前に並ぶ新鮮な食材

田舎家
カウンターから直接
焼方にオーダーする

田舎家
店内に張られたメニューに
値段はない

BAR岡部竜一
店内中央の焼方

取材・執筆 本誌編集部 横田茂 2004年12月25日

「六本木 田舎家 西店」
住所 東京都港区六本木4-10-11八巻ビル1F
電話 03-5775-1012
営業時間 17:00〜23:00
定休日 なし

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