周辺ではひときわ目立つ力強い看板と、大きなしめ縄が目印、西新橋の「もつ福」が賑わっている。「博多もつ鍋焼酎酒場
もつ福」は、「POSITIVE DELI」、「Shang-Lou」、「さつまのBAR Table」を運営する有限会社ポジティブフードの新業態として2004年10月にオープンした。
開店から四ヶ月経った現在でも、19時には80席が満席という人気ぶり。来店の際には予約することをお薦めしたい。
「もつ福」のもつ鍋は、和牛の小腸、ハツ、せんまいで構成されている。鮮度にこだわり当日に加工されたものしか使用しない。さらに、茨城県産のごぼう、千葉県産のにら、そして、きゃべつを加える。
スープは、塩味と味噌味の他、チゲとしゃぶしゃぶの4つのヴァリエーションを用意。世間では御馴染みの醤油味をあえてメニューに加えない理由は、塩味と味噌味に自信があるからであろう。
「海の神」と名付けられた塩味は、特製塩ダレと素材から染み出すだしが複雑に絡み合い、コクがあるのにあっさりとした味でナンバー1の人気メニュー。「山の神」と名付けられた味噌味には、4種類の味噌をブレンドした特製だしが使われているが、さらに具材の小腸からの甘味とコクが加わり絶妙なハーモニーを奏でる。
また、麻辣醤(まーらーじゃん)を使ったチゲ「火の神」も塩味、味噌味に続いて人気メニューだ。
鍋以外の料理では、鹿児島阿久根の「きびなごの唐揚げ」(530円)、ハタハタ一夜干し(430円)、めかぶもずく酢(430円)などに人気がある。
「早い時間にいらっしゃると、「チレの串焼き」、「和牛の頬肉の刺身」、「ギアラの唐揚げ」といった裏メニューがあります。その日の仕入れによってお出しできる時とできない時がありますが、お試しいただきたい味です。」とスタッフの栗城氏は言う。
ドリンクでは、やはり芋焼酎に人気がある。なかでももつ福では、鹿児島の白石酒造の「天狗櫻」(グラス530円)、「黒天狗」(グラス630円)をお勧めしているという。これらは全て甕壺で仕込んでおり、しっかりとしたパンチがある芋ならではの骨太さを感じさせる逸品。「黒天狗」にいたっては年間8000本しか生産されないレアな焼酎であり、飲んで納得の香味を楽しめる。
また、ランチ営業もしており、夜の集客に繋がっているという。
内外装は、博多の商家をメインコンセプトにデザインされており、深いブラウンの木がシックに店内を演出している。玄関には大きな縄の飾りがお客を出迎えてくれるのも、日常を忘れてこれからご馳走をいただくという気にさせてくれるだろう。
客層は、平日はサラリーマン、OLが中心、30代前半から50代までと広くカバーする。土曜日、祝日はファミリーでの利用も多く、テレビで紹介されてからは遠方から来店するお客様も少なくない。男女比は、場所柄か男性8割、女性2割となっている。ランチでは夜に比べて女性が多くなる。
「新橋、虎ノ門のお客様は味には非常に厳しい判断基準をお持ちです。界隈には多くの飲食店がありますから、気が抜けないのが事実。季節ごとにも新メニューを提案してより満足していただきたいと思っています。」とはスタッフの栗城氏の弁。
鍋は冬だけのものというイメージを覆すような展開が期待できそうだ。
これからもサラリーマンの渋谷と言われる新橋を盛り上げてくれるだろう。
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