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編集部の気になる商品とお店

第76回 2005年04月09日

健康になれる豚料理
「美食ブタ倶楽部 豚○商店 シブヤ本舗」
豚○商店

 3月9日、株式会社リンク・ワンは「豚○商店」を渋谷にオープンした。
「プロ店長」など、外食を中心とした人材支援サービスを提供する同社だが、昨年9月にはスープカレー店「カレー食堂『心』」を渋谷と下北沢に出店するなど、意欲的な展開を見せている。「豚○商店」においては、業態開発とメニュー開発を「カーディナス」などを運営する「AD Emotion」とコラボレーション。特に 「AD Emotion」社が手掛ける「黒ぶたや」で培われたノウハウが活かされており、渋谷発の本格豚料理店として期待される。
 もともと創作和食居酒屋だった店をリデザインするにあたっては、同店のメインターゲットである20代前半から40代のビジネスマン、OLに焦点が当てられている。和食ダイニングというスタイリッシュな部分は残しつつも、アクセントに「書」を用いることで、大胆かつアクティブな表現に成功。店舗を和みの場としてだけ提供するのではく、さらに元気に生きるためのエネルギー補給の場となっているようだ。
 同じように、カウンターをメインテーブルとし、オープンキッチンを囲むようにカウンターを設置することで、料理人の動きのダイナミズムが店全体に活気を与えている。渋谷というパワー溢れる立地を考慮してのこのコンセプトは実に巧みだ。

 豚料理専門店として豚肉は、鹿児島産の「六白黒豚」(ろっぱくくろぶた)と「茶美豚」(ちゃーみーとん)という2種のブランド豚にこだわっている。その味わいの程は「豚キムチ」にすると、豚肉の存在感が勝り、キムチの味が消えてしまうそうで、手を加えずにそのまま食することが1番美味しいと店長の渡辺氏は話す。「六白黒豚」は元銀行マンという異色の経歴を持つ養豚家・田中氏による鹿児島県の「田中養豚場」より、丸ごと1頭仕入れたもの。4つの足と鼻と尻尾が白いので六白と呼ばれるが、白豚が1度に13頭ほどの仔豚を生むのに対し、黒豚は9頭程しか生まない。しかも、白豚より2ヶ月以上長く時間をかけており、きめが細かく歯切れが良い。さらに旨み成分アミノ酸を多く含んでいるのが特徴。同店では、六白黒豚を桜島溶岩プレートで焼く「桜島溶岩焼き」(1人前1250円・2人前より)として提供することで、豚の美味しさを余すことなく味わうことができる。
 また、「茶美豚」は鹿児島県知覧(ちらん)のお茶から抽出したカテキンを飼料に添加して育てられており、通常の豚肉よりもコレステロール含有量が多く、抗酸化作用であるビタミンEが3倍も含まれている。この茶美豚は緑茶の中で泳がせる「しろぶたしゃぶしゃぶ」(1人前1250円・2人前より)で楽しむことが出来る。

 その他、オススメのメニューとして、豚肉との相性が抜群の「水菜と春菊のさっぱりサラダ」(600円)など、メインの豚肉とのコントラストに重点を置いたメニューを用意している。ドリンクでは、鹿児島は小鹿酒造による「小鹿」の他、焼酎はもちろんだが、9種を揃えた梅酒でオリジナリティーを出すなど、焼酎後のトレンドを探す「通」の女性や、お酒が苦手という女性へのアピールに注力した。450円からとリーズナブルな価格設定も魅力だろう。
 ディナーでは客単価3500円となっているが、ランチを780円から提供することで夜への集客効果を狙っている。

 同店は、タワーレコード店より原宿寄りの神南地区に位置しているが、この地区は飲食店も比較的少ないために、隠れ家的な利用のされ方も可能な環境。そこでの周辺地区でナンバー1の集客を狙うと渡辺氏は意欲を見せる。実は渡辺氏、大手居酒屋チェーンにおける支援店舗を日本一に仕立て上げ、その後2年間は「プロ店長」として数多くの飲食店を繁盛店へと導いた人物である。人材育成において優れたノウハウを持つ渡辺氏は、「部下が育たないのは、教える側の責任」という持論で同店の立ち上げに臨んでいる。リンク・ワン直営店として接客レベルを1段と上げており、100席で月商1200万円を目指す。
 輸入牛肉問題の行く末が不透明な中、その解のひとつとして「豚料理」が注目されているが、同店はその繁盛店としてブレイクスルーが期待される。その美味しさと渡辺氏の手腕を確かめに、是非渋谷に足を運んでいただきたい。


豚○商店
溶岩プレートで肉を焼く
「桜島溶岩焼き」(1250円・写真は2人前)

豚○商店
緑茶で泳がせて食す
「しろぶたしゃぶしゃぶ」
(1250円・写真は2人前)

豚○商店
活気溢れるカウンター席では
キッチンから精気をもらえる

豚○商店
しっとりした座敷では
大人数の宴会も可能

豚○商店
書をあしらい趣のある個室では
ゆっくりと食事を楽しめる

取材・執筆 本誌編集長 横田茂 2005年04月09日

「美食ブタ倶楽部 豚○商店 シブヤ本舗」
住所 東京都渋谷区神南1-11-5 ダイネス壱番館B1F >>地図
電話 03-5728-2368
営業時間 ランチ 11:30〜15:30(日〜木)
ディナー 17:30〜23:00(日〜木)
17:30〜3:00(金・土・祝前日)
定休日 無休
Web Site なし

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