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編集部の気になる商品とお店

第77回 2005年04月16日

樽生ビールとワインも美味しい
「キリンシティプラス東京銀座」
キリンシティプラス

 2月24日、銀座に「キリンシティプラス東京銀座」がオープンした。
 同店は、1988年にオープンした「キリンシティ銀座店」をリニューアルし、店名に「プラス」を冠した。「キリンシティプラス」という業態での初出店となるが、その「プラス」の由縁はどこにあるのだろうか。
 「『キリンシティ』のコンセプトは、『こだわりの料理と樽生ビールの店』ですが、『プラス』ではコンセプトを『こだわりの料理と樽生ビール・ワインの店』と、ワインを加えました。キリン社では数多くのワインを取り扱っていますし、お客様から常々ご要望をいただいておりましたワインを揃えることで、より幅広いお客様にアピールしたいと考えております」と、株式会社キリンシティの船水氏は話す。
 ワインはボトル売り、グラス売り合わせて53種類をラインナップ、特に従来は6種のみだったグラス売りを19種にまで拡充。470円からというリーズナブルな価格で提供している。また、グラスでの提供に際しては酸化によるワインの劣化を防ぐよう、自社開発のディスペンサーを使用し、高品質を維持するよう配慮がされている。ワイン人気の定着や、銀座という立地からワイン導入となったが、ファースト・オーダーからワインを選ぶ女性客もおり、好評のようだ。そして、ワインと一緒に楽しめるものとして、チーズも数多く揃えるようになった。280円から提供し、好きな3種が選べる「盛り合わせ3種」が800円、「盛り合わせ6種」が1500円となっており、さまざまな味を楽しめるのも魅力だ。

 しかしながらやはり樽生ビールは、相変わらずの同店の主力商品である。「キリンシティ」各店では、ドイツの伝統的な3回注ぎで、樽生ビールを提供する。3回注ぎとは、言葉の通りに3回に分けて注ぐことで、炭酸ガスを程よく調整する方法。雑味が抜けることでクリアな味わいとなるが、一朝一夕でできる注ぎ方ではないので、スタッフは、生ビールの達人「ビヤマイスター」の研修と試験を受けなければならない。船水氏によると、見た目良く提供できるようになるまでには、3カ月は必要とされる技術ということだ。
 同店では、1番人気である「キリンブラウマイスター」(520円)のほか、「キリンブラック」(490円)をはじめとした5種の樽生ビールが、3回注ぎで味わうことができる。また、「まろやか酵母」(630円)、「ホワイトエール」(630円)といったチルドビールが楽しめるのも、キリン社と繋がりの深いキリンシティならではの魅力となっている。
 その他には、21時以降になると本格カクテルがオーダーできるサービスも始められた。グレープフルーツ丸ごと1個を絞りたてで使用する「ソルティドッグ」(920円)などは、カクテルアドバイザーとして岩崎利之氏を迎え開発された。以上を見ていくと、ドリンクメニューが非常に強化され、従来のビールだけではなく総合的にお酒を楽しむお店へと改善がされているのが理解できる。

 フードメニューでは、前述のチーズの他に「ハモン イベリコ」(写真中央・1200円)やピンチョスといったカジュアルに楽しめる料理を導入した。さらに、有吉佐和子「複合汚染」のモデルになった、埼玉県上里町の
須賀氏の有機栽培自然農法の野菜メニューもグランドメニューとは別のメニューで案内するなど、注力されている。
 基本的には、さまざまな嗜好を持つお客様を想定して、洋食をベースにした開発が行われたというが、その一方で、「旬本番」というメニューを用意している。その時期だけに選ばれた2品が毎週水曜日に交互に変わる野菜や魚介のメニューである。安全で安心な野菜料理を各300円で2週間だけ楽しめるのだが、最近感じることが少なくなった、食べ物の旬で季節を感じる醍醐味を提供しているという点では、何とも嬉しいサービスと言えよう。
 なお、フードメニューには、卵や小麦粉を使用する料理にはその旨が分かるマークがついており、アレルギーのあるお客様への配慮も忘れてはいない。

 同店は、キリンブランドの安心感で常連のお客様が多いのも特徴、「逆に、ミスは大きく響きますので緊張感は常にあります。ビールに関しては品質管理の徹底は厳しくおこなっていますので、新鮮で美味しいビールを常に提供している自信はあります。常連のお客様には、わずかな味の違いも感じ分ける方もいらっしゃいますので、気が抜けない部分ですね」と船水氏は語る。
 今回のリニューアルに関しては、これまでのビアホール風インテリアから、シックで落ち着いたインテリアへと変わったが、お客様とのコミュニケーションはこれまで通りに大切にしようと、キッチンカウンターと、ドリンクカウンターの2つのカウンターを設置。店内も開放的な空間に102席が用意され、2000万円の月商目標で運営されている。この東京銀座店をモデルにして良い部分を各店にスライド展開する予定もされており、カジュアルにお酒を楽しむことを銀座で提唱する同店の成功が、全国の「キリンシティ」に「プラス」の力を波及させる日も近いだろう。


キリンシティプラス
お客様とのコミュニケーションを大切にと、
新設されたキッチンカウンター

キリンシティプラス
ホールはリニューアル以前より
さらにシックに仕上げられている

キリンシティプラス
「茹でキャベツのロールカツ」 (520円)

キリンシティプラス
「サニーレタスと蒸し鶏の生春巻」(左)
「茹でキャベツのロールカツ」(右)
「ハモンエベリコ」(前)

キリンシティプラス

「キリンシティ」伝統
絶品!3回注ぎの樽生ビール

取材・執筆 本誌編集長 横田茂 2005年04月16日

「キリンシティプラス東京銀座」
住所 東京都中央区銀座3-4-12 文祥堂銀座ビル2F
電話 03-3562-2593
営業時間 11:30〜23:00
定休日 無休
客席数 102席
客単価 3000円
経営母体 株式会社キリンシティ
Web Site http://www.kirincity.co.jp/

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