名古屋で今、もっとも勢いのある外食企業の1つ、株式会社ジェイプロジェクトが、銀座コリドー街に鉄板焼とエビ料理の店「我歩」(がっぽ)を、2005年4月14日オープンさせた。
同社は96年の設立後、わずか6年で売上30億円を突破。2003年には、東京に進出、翌2004年には京都にも進出するなど、活躍の場を着実に広げている。
地元名古屋においても、2005年2月には中部国際空港(セントレア)に、うなぎ料理店の「うな匠」を出店、名古屋万博「愛・地球博」にはサテライト会場も含めて、4店を出店した。また、3月25日には名古屋金山の商業施設「アスナル金山」に、オーガニクレストラン「OXY
GARDEN」、芋蔵バー「GIRI」の2店を展開するなど、出店ラッシュとなっている。
東京においても、今回、「我歩」と「芋蔵」、「娘芋」の3店同時オープンさせており、同社の勢いを感じざろう得ない。このコリドー街の新橋側入口には、際コーポレーションの「胡同文華」、フードスコープの「MAIMON」が同時期にオープンし、景観を一気に変えて、街行く人々の注目を集めている。リーシングでは、約60社の企業の中から、意欲的な提案をした3社に絞られ、「和」、「洋」、「中」の3業態で、それぞれ1店舗2フロア、180坪の展開となった。
ジェイプロジェクトでは、前述の3ブランドこの広さをシェアする形で運営する。
「当初は、知名度もある『芋蔵』のみでの運営も考えていました。しかし、『芋蔵』は、ブランド力は備えているのですが、60坪から70坪が適正の業態です。180坪全体では、魅力が充分発揮されないと判断し、2階を『芋蔵』と、『娘芋』の2店でシェアしました。そして、1階には新たに『我歩』という業態を開発することで、さまざまな利用動機に対応し、3業態で180坪全てをフルに活用するようにしました」
そして、エビに注目した理由を続ける。
「銀座でカニやフグ料理ですと、あまり珍しくないですし、高級感が出てしまいます。カジュアルに利用していただき、しかも他では食べられない料理ということで、エビをセレクトしました。ありきたりの料理にならないように、「クリーンアリス」で修行を積んだシェフと、イタリアンで10年の経験を持つシェフを中心に、エビをさまざまな調理法で提供しています。客単価も4500円とリーズナブルに設定していますので、場所柄、同伴やアフターのお客様にも喜んでいただけているようです」
ドリンクは、ソムリエであり、?酒師でもある店長の星野氏の丁寧なセレクトが光る。
「ワインは広く認知もされましたので、オーダーも安定しています。焼酎もブームは去った感がありますが、人気は定着しています。当店では、日本酒を30種以上用意することで、他店との差別化を図っています。『14代』などの有名な銘柄はもちろんですが、希少銘柄も揃えていますので、新しい日本酒の味をお客様に楽しんでいただこうと思っています」
星野氏のお勧めを伺うと、
「秋田の『白瀑』です。雄町という米を使った純米大吟醸酒ですが、熟した果実香が楽しめます。エビはもちろん、シーフードに良く合いますので、是非お試しいただきたいですね」と話す。
ドリンクも含めた店舗運営に関しては、名古屋本社の主導ではなく、その地域の特性を踏まえた運営が、大きな効果を生むとの判断で、東京支店にほぼ任されているという。全国一律ではない、フレキシブルな対応も同社躍進の一因となっているようだ。
「我歩」は、25歳から30代前半までをターゲットに、月商1600万円を目標としている。現在は、エビ料理の持つヘルシーなイメージと、センスの良い華やかなエクステリアにより、6:4で女性のお客様がやや多いというが、星野氏の持つワインと日本酒の豊富な知識に魅かれて、お酒に一家言持つ男性客も増えていくのではないだろうか。
日本酒とエビのマリアージュ、新しい銀座の楽しみ方を提案する同店に注目したい。
|