第91回
2005年07月02日
グラナダが展開する、注目のスペインバル 「BAR de ESPAÑA Pero」 (銀座/バル) |
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2005年4月27日、株式会社グラナダがスペイン・バル「BAR de ESPANA Pero」(以下、Pero)をオープンさせた。 銀座コリドー街から、交詢通りに入ってまもない場所に、ビル1棟を利用して出店。平日は近隣のビジネスマンを中心に、休日は銀座への買い物客を集客し賑わいを見せている。月商2000万円を目標に着実に推移しており、順調な滑り出しと言えそうだ。 グラナダは、昨年3月コレド日本橋にスペイン料理「RESTAURANT SANT PAU」(サン・パウ)をオープンしており、よりカジュアルなラインでスペイン料理を展開するよう、「BAR de ESPANA」ブランドを開発した。 「『サン・パウ』のようなガストロノミー的な業態の面白さとは違った、リラックスして食事を楽しんでいただく店作りが、コンセプトにあります」と話すのは、「サン・パウ」で料理長を務めていた山崎氏。 当初、イタリア料理店としての計画が進んでいた同店を、同社代表下山氏にスペイン・バル出店のアイデアを直訴し、変更をしてもらったという 出店に当たっては、スペインは、バレンシアからさらに南に位置するリゾート地、アリカンテにあるスペイン1と名高いバル「ヌウ・マノリン」で5ヶ月間働き、本場の味を体得している。 「一言で言うと、シンプルで素材重視」という同店の料理だが、メニューの中では、米料理に人気が集まっている。 パエジャ(パエリア)は日本でも広く知られるところだが、スープをたっぷりと使ったカルドソ、また、イタリアのリゾットのような味わいがあるメロッソの3つのタイプ、計12種を用意する。 中でも「オマール海老のカルドソ」(2840円/1人前、オーダーは2人前より)が特に人気が高い。 また、ホセリート社のハモン・イベリコは他店のそれとは一線を画す味だ。どんぐりを食べ、のびのびと育ったイベリコ豚の肉と南スペインの塩、そして24ヶ月の熟成を経て出来上がるハムは世界最高級との声も高い 「ハモン・イベリコ・デ・ベジョータ」(2940円)、この味が、山崎シェフが同店の出店のきっかけにもなったと話す。 ホセリート社のハモン・イベリコと、600円からとリーズナブルに提供されるタパスのコラボレーションは、若い世代からより上の年齢まで幅広い層に受け入れられると山崎氏は考えたようだ。 ドリンクにおいては、スペインワインを3000円代から30種以上揃えている。中には「サン・パウ」と同じカーブのものや、日本未入荷のレアなワインもあるので、ワインラヴァーにも魅力のあるラインナップと言えるだろう。 もちろん、シェリーやカヴァ、スペインのビールやミネラルウォーターなども用意している。 同店は、前述のようにビル1棟を利用している。黒を基調にしたスマートな外観は、銀座という立地においても高級感を漂わせる。 1階は、中央のキッチンを囲むようにカウンターと、ハイスツールが設置された、いわゆるスペイン・バルの雰囲気を携えている。 カウンター越しに伺えるキッチンからは、調理するライブ感がダイレクトに伝わり、天井からぶら下がったハモン・イベリコ達もまた、バルに身を置いているという満足感を与えてくれる。 2階には、4名以上のグループが、楽しめるようにテーブルを用意する。1階とは異なり、腰を落ち着けて食事を楽しむには最適だろう。 また、屋上も開放しているのは同店の特長の1つだ。落ち着いたムードの下階とは、雰囲気を変える白い間仕切りが、リゾートのカジュアルさと優雅さを演出する。 春から夏にかけては、オープンエアで山崎シェフによるスペイン料理と、ワインを贅沢に楽しむことができるだろう。 建物の特性を活かし、さまざまなスタイルの楽しみ方を提供する「BAR de ESPANA Pero」だが、この秋には「BAR de ESPANA」ブランドとして、丸の内への出店も予定されている。 都心に優雅なオアシスを展開するグラナダの戦略に、まだまだ目が離せそうにない。 |
カウンターからキッチンが臨める1階
オープンエアを楽しめる
「地中海風サラダ」(1260円)。
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取材・執筆 本誌編集長 横田茂 2005年07月02日 |
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