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ステファングリル
第93回 2005年07月16日

編集部の気になる商品とお店

ファストカジュアルを日本に定着させる
「ステファングリル 人形町店」

(東京人形町/洋食)

 モスバーガーを展開するモスフードサービスが、5月30日に新業態「ステファン グリル」を東京の人形町にオープンした。
  ステーキとハンバーグの専門店として、「レストラン並の品質の料理を、ファストフードの手軽さで提供する」をコンセプトにしており、平成15年10月に、オープンした神田北口店に次ぎ、人形町店は、2店目となる。

 淡いクリーム色を基調にしたシンプルなエクステリアは、従来のステーキ店と一線を画し、女性にも入店しやすい印象を与える。目立つ場所に「ステファングリル」という日本語表記がないことで、カフェのような落ち着いた雰囲気を表現することに成功している。
 このことは、オフィスと昔ながらの商店街が共存し、独特な風景をつくる人形町という街において、同店の存在が、新たな街づくりのきっかけになるような、ポジティブなデザインの意思を感じることができる。

「神田北口店は、絞り込んだメニューをお値打ち感のある価格で提供し、ビジネスマンをターゲットにした店舗展開をしていますが、人形町店では、神田北口店に比べると、近隣にお住まいの方々にご利用いただくことも多くありますので、ディナータイムには、リラックスしていただけるような店作りをしています」と、同社広報の平山氏は話す。

 より居心地の良い空間を提供するファストカジュアル型店舗を目指し、インテリアは、エクステリアと同様にシンプル、そして、無駄な装飾もなく、清潔感があるのが特徴。男性の利用がほとんどの神田店とは違い、女性客が30%にも昇ることもうなずける。

 同店は、オープンキッチンを導入することで、お客様へ作り手の顔をアピールし、安心感を伝える。また、雰囲気が崩れるとして、ソフトドリンクのディスペンサーを設置しないなど、お客様が過ごしやすい環境作りは、徹底していると言えよう。

 料理に関しては、11:00〜15:00まではランチ限定メニューとして、「ランチチーズハンバーグ」(680円)など6品をリーズナブルな価格で提供し、オフィス街のランチ需要に対応するが、新たに国産黒毛和牛を使用した「黒毛和牛ステーキ」(1380円・1日限定20食)を投入するなど、単価を上げた商品構成で展開する。

 ドリンクでは、ソフトドリンクやビールなど定番のメニューの他に、グラスの赤ワインを用意。また、ドリンクにミニサラダが付いたドリンクセットは、全て500円以下のリーズナブルな価格に抑えられており、追加オーダーを誘う。

 さて、「緑モス」によって、日本におけるファストカジュアルの旗手となった同社であるが、モスバーガー店舗の緑モス化が推進されると同時に、ステファングリルブランドでも、全国展開を視野に入れて、神田北口店、人形町店でのノウハウの蓄積と、研鑽が進められている。

 「商品のアイテム数を絞ることで、人材面では短期での育成が可能になります。職人でなくても、美味しい料理が提供できるような、商品開発とオペレーション作りで、FC展開できるように、パッケージ化を考えていますし、また、自社内での業態転換の可能性も視野に入れています。都心における、ファミレス的なニーズにも対応できるのではないでしょうか」と話すのは、同店店長の五百川氏。

 3年前より開発が始まったステファングリルだが、神田北口店においては、前年比190%の売上を記録するなど、飛躍的に成長している。今後は、平成17年から18年度中に直営10店舗の出店を目標としており、ますます、ファストカジュアル業態を進化させていくに違いない。

ステファングリル
シンプルなエクステリアは、
女性にも入店しやすい印象を与える。

ステファングリル
「レストラン並の品質の料理を、ファストフードの手軽さで提供する」がコンセプト。

ステファングリル作り手の顔を見せることで、
安心感があるオープンキッチン。

ステファングリル
「黒毛和牛ステーキ」
(1380円・1日限定20食)

ステファングリル
カフェを思わせるテーブル席。

ステファングリル
都心におけるファミレスのニーズにも
対応できる業態として進化をする。

取材・執筆 本誌編集長 横田茂 2005年07月16日

「ステファングリル 人形町店」
住所 東京都中央区人形町3-7-10 日本橋ドール3 1F
電話 03-5847-8550
営業時間 平日 11:00〜22:30
休日 11:00〜21:30
定休日 無休
客席数 22席
客単価 850円
目標月商 600万円
経営母体 株式会社モスフードサービス
Web Site http://www.mos.co.jp/shop/new.html

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