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三年ぶた蔵
第95回 2005年07月30日

編集部の気になる商品とお店

豚の登竜門を目指す!
「日本全国、豚三昧。『三年ぶた蔵』池袋豚舎」

(東京池袋/豚料理専門店)

 銀座「VAMPIRE CAFE」他、コンセプチュアルなレストランを展開するダイヤモンドダイニングが、7月7日、池袋に「お伽噺」をオープンさせた。約250坪の面積を4つの業態で展開、その1つが「三年ぶた蔵」である。

 同店は、250坪の内36坪を利用し85席を設ける。お客様と共に一体感を共有できるような店造りを目指したという店内は、あえて完全個室を造らずに、天井の高さを十分に利用した開放的な空間演出がされている。

「池袋という立地特性を考えると、まだまだ個室の需要はありますが、個室は同時オープンの他業態に用意し、当店ではアクティブな若い世代向けにデザインしました」と同社広報の重田氏は話す。
 中でも一際目を惹く店内中央に下げられた「巨大ぶた提灯」は、多くのお客様が写真で撮影して帰るという。また、テーブルに置かれたメニュー立ても、オリジナルの豚仕様など、遊び心が随所にありお客様を飽きさせることはない。その他、オープンキッチンの導入や、その日に入荷した豚のブランド名を、店内壁面をいっぱいに使った黒板に書き込むなどで、躍動感を演出している。

 豚料理専門店として、同店では約10種のブランド豚を用意し、さまざまな調理法で提供する。岩手の「白金豚」は、オリジナルに調合された味噌に漬け込むことで、旨味を引き出すなど、各ブランド豚の特長を活かし、それをメニューに記載することでお客様にアピールする。「三年間かけて、選りすぐりの豚肉を見つけてきた」が、「三年ぶた蔵」の由来であるが、偽りなく年月をかけた丁寧な研鑽があったことを伺わせる。

「当店のように数多く揃えた豚料理専門店は、まだまだ少ないと思います。食べ比べができるということが、お客様には喜んでいただいているようです。仕入れに関して、肉屋さんに細かい数量でも対応していただくことで、このラインナップが実現しました」。店長の山本氏は続ける。
「メニューと店内黒板には、親しみを持っていただけるように、各ブランドの商標ロゴを表示しています。当初は権利の問題でなかなか進みませんでしたが、熱心にお話させていただき、快諾を得ました」。

 さて、同店の特長としてもう1つあげられるのは梅酒だ。「三年ぶた蔵」は、2004年10月に渋谷店がオープンしているが、池袋店オープンに際しては梅酒の品揃えを従来の30種から70種にまで大幅に増やしている。ドリンクメニューには、焼酎アドバイザーでもある山本氏のコメントが一品づつ添えられている他、ホールスタッフ全員も梅酒について的確な説明ができるように教育がされているので、梅酒に詳しくはないであろうほとんどお客様の好みに合わせた提案が可能だ。

 食前酒として親しまれている梅酒だが、同店では食中酒としても楽しめるような銘柄を多く用意している。
「『梅酒は甘い』と思っているお客様が多いので、さっぱりとした味のものをお出しすると喜んでいただけます。夏には、グレープフルーツと一緒にカクテルっぽいメニューもできるかなと思っていますし、季節に合わせた当店オリジナルの提案も考えています。人気があると言えば、『奥武蔵』でしょうか。オープンからスタッフおすすめでもありますが、在庫が追いつかない程です。」と山本店長は話す。

 現在は、20代後半から40代までの来店が中心。梅酒と焼酎のオーダーの割合は、8:2と圧倒的に梅酒が多く、同店の特長をよく理解した利用のされ方をしていると言えよう。また、来店男女比は5:5ということは、梅酒が女性だけに好まれているとは言えない状況を表し、焼酎のような爆発的なブームにはならないにせよ、梅酒ファンは着実に増えていることが伺える。

 目標月商が1200万円に設定されている同店だが、同時にオープンした他店が良い意味でのライバルになり、お互いにブラッシュアップしていく効果があれば、決して高い目標ではないと重田氏は話す。
「今後は、『豚の登竜門』と言われるようになりたいと思っています。美味しい豚は、『三年ぶた蔵』に行けば食べられると言われたい。是非、『三年ぶた蔵』で扱って欲しいと、逆オファーが来るようになるのが目標です」と山本店長は締めくくった。

三年ぶた蔵
写真撮影していくお客様が多い
「巨大ぶた提灯」

三年ぶた蔵
壁を使って大きく描かれた「日本列豚」の文字
今後は 「豚の登竜門」を目指す。

三年ぶた蔵
「豚足コラーゲン鍋」(1500円)
2人前からオーダー可

三年ぶた蔵
「産直豚炙り」は最も人気のあるメニュー

三年ぶた蔵
カウンターにずらりと並んだ梅酒。

三年ぶた蔵
メニュー立ても豚の鼻型。
細かいこだわりはお客様を飽きさせない。

取材・執筆 本誌編集長 横田茂 2005年07月30日

「日本全国、豚三昧。『三年ぶた蔵』池袋豚舎」
住所 東京都豊島区南池袋2-16-8 藤久ビル東3号館B1F
電話 03-3985-2192
営業時間 月〜土 17:00〜5:00
日・祝日 17:00〜23:00
定休日 無休
客席数 85席(35.8坪)
客単価 3800円
目標月商 1200万円
経営母体 株式会社ダイヤモンドダイニング
Web Site http://www.diamond-dining.com

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