第99回
2005年08月28日
博多よりコラーゲンたっぷりの名店の味 (東京新宿/鶏鍋) |
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博多で「水たき料亭 博多 華味鳥」というと、こだわりの鶏とコラーゲンを豊富に含むスープで絶大な人気を誇る名店である。この「華味鳥」を運営する株式会社ケイ・アイ・シナジーが、6月14日に新業態の「水たき・鳥料理 博多華善」を東京西新宿にオープンした。 同社は福岡の食鳥肉加工メーカーであり、他にグロッサリー部や、直販部も持つトリゼンフーズ株式会社のグループ会社である。このため「華味鳥」と「華善」という二つの店舗経営と、トリゼンフーズ株式会社の持つグロッサリー部門をリンクさせ、東京での展開を考えている。 「華善」で提供される華味鳥は、グループ会社内で飼育から加工まで一元管理されており、昨今鶏肉の安全性が問われる中、トレーサビリティには絶大なる自信を持っている。華味鳥は、開放鶏舎で、大豆を主体にヨモギ粉末、海藻などの天然飼料を与えた独自の飼育方法で育てられており、臭みが少なくジューシーな味わいである。博多と同じ味わいを東京でも提供できるよう、店舗には毎日クール便で素材は届けられる。 この華味鳥を使用した白濁したスープは、コクがありながらもさっぱりと味わうことが出来る。同店では「博多 水たき」で1人前2800円より提供されており、まずはスープから味わう。スープにはコラーゲンが豊富に含まれており、「コラーゲン」で検索した20代後半から30代後半で、金銭的にも余裕のある美に関心のある女性の来店が多いと、同社部長の手塚氏は話す。 人気の料理には「博多 ぺった焼」(380円)がある。これは鱈の白身と、銀杏、グリーンピース、人参、ごぼう、軟骨などで作られた特製のつくねで、ここにも水たきスープは使われている。一品メニューはほとんどが500円から700円の価格帯で用意されており、最初にアラカルトで鳥料理を堪能したあと鍋料理に移る。鍋のコースは水たきのほかに「鴨なべ」(1人前2800円)、「もつ鍋」(1人前2000円)、「芳寿豚 キムチ鍋」(1人前2800円)が用意され、いずれも合鴨、和牛牛モツ、長崎芳寿豚と個性ある素材を利用している。 同店は「鳥」と「博多」をキーワードに考えており、その特徴はドリンクにも表れる。ビールの他に焼酎や梅酒、日本酒を用意しており、そのほとんどが九州の蔵で造られたものである。特に日本酒は福岡4つの蔵から5種類の日本酒を揃える。 スタッフは約半分は九州出身者で、店内では博多弁も飛び交う。日本各地から人の集まる東京において、郷土料理店も少なくはないが、素材を毎日地元から取り寄せ、ドリンクまで地元のものだけで提供する店は多くない。 |
コクがありながらもさっぱりした味わいの
華味鳥を使用した白濁したスープ「博多 水たき」
天然飼料を与えた独自の飼育方法で |
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取材・執筆 本誌編集部 芳之内由佳 2005年08月27日 |
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