際コーポレーションが初のジンギスカン業態「蒙古家」を8月20日に新橋にオープンした。
東京大空襲の際に焼け残った数少ない築90年の古民家をリノベーションして使用。ブームで専門店が次々とオープンする現在、ジンギスカン業態としては後発になるが、中国は大連の味にルーツを求めており、老舗、新興店など新橋周辺には羊料理専門店が数多くある中、中国料理を軸に展開する同社ならではの味付けで他社との差別化を図る。
マニアとも言うべきジンギスカンのファンは各専門店を味見して廻るというが、そういった言わば羊肉のセミプロ達や、一般のお客様からの味の反応について店長の浜松氏はこう話す。
「羊肉は弊社では長い間取り扱っていましたので、クオリティーの高いものを仕入れることができます。他店には負けない自信はありますし、お客様からも気になるクセや臭みがないと喜んでいただいています。付けダレは、一般的な『甘めのタレ』、モンゴル岩塩を使った『レモンダレ塩』と、弊社らしい中華テイストを加えた『辛いタレ』
の3種類を用意していますが、やはり『辛いタレ』が人気ですね」。
サイドメニューには、「エリンギマリネ」(480円)や「ねぎ豆腐」(380円)などさっぱり目で、お酒のつまみになるような軽いものが好評。また、モンゴル式のしゃぶしゃぶ鍋を使って作る「蒙古鍋」も用意し、焼くだけない羊肉の楽しみ方もでき飽きさせることもない。
「平日の客単価は4000円から5000円で推移しています。ジンギスカンを食べにいらっしゃるというよりは、居酒屋としての利用も多く滞在時間も長くなっていると思います。お客様は20代のOLや近隣のビジネスマンが中心で、男女比は約5:5ですが、休日は逆にお食事だけのお客様もいらっしゃいますし、本当に幅広いお客様がジンギスカンを楽しんでいますね」と浜松店長は話す。
「料理の味はもちろんですが、古民家の趣きを残しながら、リラックスして食事が楽しめるような空間を演出できるのが弊社の特徴です。当店では建物にマッチするように、テーブルではなくて座敷を用意していますが、お客様からは『落ち着ける』と好評をいただいています。インテリアも建物の趣きを損なわないようなセレクトをしていますので、女性からは『かわいい』と言っていただくこともあります」。
焼肉というとアッパーな演出が主流だが、女性スタッフは白い割烹着でサービスをするなど、落ち着きをもたらす雰囲気作りが受け入れられているようだ。
同社ではこのような新業態に限らず出店には、代表の中島氏が直接現場で指揮をとる。同店ではオープン前には厨房で鍋を振り、サイドメニューの細部に至るまでチェックがあった他、「オープン後も毎日様子を見に来ますし、問題がある所はその場で変更の指示があります。トップが現場で決済しますからビジネスのスピードが物凄く早い。どんどん店が良くなっていくわけですから、現場スタッフとしては運営にも熱が入ります」(浜松店長)、このように店作りに対する中島氏の情熱はスタッフに伝わっていることが伺える。
「蒙古家」は現在、都内のみだがブームに乗るというのではなく、美味しくて健康的な料理としての「ジンギスカン」を提案するという姿勢で、全国への展開も視野に入れている。 |