タイで日本食レストランを40店舗展開する富士・築地グループが、銀座コリドー街にタイレストラン「バンコクキッチン」を9月27日にオープンさせた。
同ブランドでは、下北沢、自由が丘、広尾に次ぐ4店舗目。新橋店からの移転リニューアルオープンであるが、ビジネスマン、OLを中心に昼夜ともにウエイティングの出る人気店となっている。
「タイで日本食レストラン、日本でタイレストランって変わってますね。とよく言われます」と笑うのは、店長の小島氏。
1976年に寿司屋として創業した同社は、80年に「富士レストラン」一号店をバンコクにオープン。
その後、順調に事業を拡大し、タイ国内の日本レストラン市場の30%のシェアを持つ企業へと成長した。日本では3年前より「バンコクキッチン」の展開を始めている。
「これまでのエスニック料理店は、伝統食や宮廷料理のような格式の高い店と、一方では屋台のような店という極端な構成だったように思います。当店は、もっと幅広い方々にタイ料理を楽しんでいただけるような店作りをしています」と小嶋氏は、ブランドコンセプトを話す。
本格的なタイ料理のシェフをスカウトし、厨房にはタイ人シェフだけを揃えることが実現されている。しかし、味付けに関しては、お客様の好みにフレキシブルに対応するのが同店の特徴だ。
辛さの調節はもちろん、香草の有無や、アレルギーに配慮してエビを抜くことも可能。
「タイ国内の屋台に行くと分かるんですが、例えばサラダはお客様が、あれを入れて、これを入れてと指示をして、完全にその人の好みに仕上げることができるのが、タイ料理の醍醐味でもあります。そういう良いところを取り入れることで、今までエスニック料理を敬遠されていた方々にも、気軽にチャレンジしていただけると考えています。エクステリアとインテリアも、ステンレスとガラスを組み合わせてモダンに仕上げたのも、20代〜30代をターゲットとした結果です」
新橋から銀座への移転に際し、20種を越える新メニューが投入された。女性客を意識し、蒸し料理を増やしたり、ベジタリアンを意識したメニューにもチャレンジしている。平日はビジネスマン、OLで賑わう。
休日は銀座の買い物客による利用があるのは、土日が弱かった新橋との大きな違いだと小島氏は付け加える。また、タイでの駐在経験のある日本人や、外国人客が比較的多いのも同店の特徴となっている。
ドリンクでは、特にワインに注力している。8種類のボトルワインの用意は、カジュアルなエスニック料理店としては豊富だと言える。
チリ産のスパークリングワイン「コルドン・ネグロ」(3800円)のしっかりとした味わいは、タイ料理との相性も良く、女性に好評とのことだ。
グラスワインは、500円から用意するなど、ドリンク全般は待ち合わせ需要に対応するよう安い値段で提供する。そして、辛さ中和系として、ミルク系のカクテルも用意しているのも面白い。
「実は、辛過ぎるものを食べてしまった時は、ご飯を口に含んでじっとしているのが一番いいんですよ」と、小島氏はさらなる秘策を教えてくれた。
夜は客単価3500円で、目標月商は1000万円としてスタートを切った。現在はランチでは130人の利用があり、ウエイティングが常にある状態は、順調と言えよう。
今後はメニューのバリエーションをさらに増やすことで、顧客層の拡大を狙って行くという。「バンコクキッチン」から、銀座発の新しいエスニック料理のスタイルを発信したいと、小島氏は最後に締めくくってくれた。 |
和風ダイニングが多い中
ひときわ目立つステンレスのエクステリア
。
雨が降っているような
半透明のパーテイションで清涼感を演出。
インテリアはモノトーンで統一され
落ち着いて食事ができる
。
ムール貝をふんだんに使った
「ホイ・マレンプー・オブ・モーデン」
(950円)
鶏肉のグリーンカレー
「ゲーン キヨ ワーン ガイ&ライス」
(1150円)
女性客に喜ばれるという
花が散りばめられたカウンターテーブル
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