東京銀座を中心にレストランを展開するオザミが、スペインバル「カタランバー
バニュルス」をオープンさせた。8月のオープンから3ヶ月、順調といえる滑り出しでお客様の男女構成比は、8:2。
店内は女性のバイタリティーで溢れかえっている。
店名にあるカタランとは、スペインの地中海側、バルセロナを中心とするカタルーニャ地方のこと。海の幸と山の幸の両方に恵まれ、独自の食文化が楽しめる土地だが、同社はその素晴らしさを日本に伝えたいと、2年前よりスペインバルの出店を計画していたという。
「ワインブームもあって以前よりワインを飲む方が多くなりました。しかし、もっともっと気軽にワインを楽しんでいただこうということで、フランス料理とフランスワインを中心に展開してきた弊社ではありますが、バルのスタイルを提案しました。
1Fはスツールも用意していますが、基本的には立飲みです。グラスではなくて、コップでワインを提供して、値段も500円からとリーズナブルに設定しました。全体として『気軽に』というのがテーマです」と話すのは、店長の古川氏。
古川氏はフランスで3年間、レストランでのサービスを学んだ経験を持つ。途中、ワイン醸造の仕事も経験しているため、ワインへの造詣も深く、お客様との会話の中から好みを探り、求めているワインを的確に提案する。
作り手としての経験があるので、ワインについてこと細かな説明も可能だが、ワインに詳しくないお客様には、できるだけ分かりやすく提案するのが最良のソムリエであると古川氏は考える。
同店のワインは、スペイン産が2割、フランス産が8割という構成。スペインワインにはどのような特徴があるのだろうか。
「赤はタンニンが豊富で力強い。白は綺麗な酸やミネラル感、清涼感ありよくまとまったワインと言えるでしょう。全体的な技術力がアップしていくのを年々感じます」。
ワインと同じく料理もワンコイン、500円から提供する。
「プルロット茸と生ハムのプランチャ」や「カタルーニャ風牛胃の煮込み」など、手頃なポーションで特徴のある料理が楽しめるのが嬉しい。
フードとドリンクの売上構成は5:5。客単価は3000円で安定している。オープン当初よりイスを増やしたことで、滞在時間が延び客単価アップに繋がった。
それでも平均滞在時間は約60分。1日3〜4回転する繁盛店だ。
ランチで提供される「カタランカレー」は、野菜だけで作られており、700円のベースに好みのトッピングを加えて自分好みにアレンジできるのが人気。
ランチ後のティータイムも営業しており、買い物客が一休みする姿を見ることができる。
1Fは20代後半の女性を中心に賑やかに盛り上がっているが、2Fは全く趣きを変えたレストランスタイルで営業する。
お客様の年齢層も30代半ばが中心になり、落ち着いたムードだ。1Fの料理は1Fで、2Fの料理は2Fで行われているために、各階の行き来がないようになっている。
階段を上がると1階とは一変、静かにスペイン料理を味わえるレストランが出現するのは、面白い演出と言える。一軒の中に2つの店があるようで、用途によって使い分けてもよいだろう。
昨今、スタイリッシュなスペインバルが人気だが、同店は非常にアットホームなムードが特徴だ。
ブームとしてのスペインバルから、気軽にスペイン料理を楽しむタームに入ったことを感じさせる繁盛店の登場だ。 |
木目と白壁、開放的なエントランスは
安心感を与え、入店を誘う。
カウンター内で躍動するスタッフから
店内へと熱気が伝わる
。
1Fはランチ以降も営業しており
ティータイムにはゆっくりと利用可能だ
。
2Fはレストランスタイルとなっており
1Fとはメニューが全く異なる。
「カタルーニャ風牛胃の煮込み」(500円)
「プルロット茸のハモンセラーノのプランチャ」
(800円)
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