玉造駅から徒歩5分、Le pilier(ル・ピリエ)と書かれたレンガ造りのビストロが昨年8月に誕生した。
オーナーは、女性シェフの石田 有巳さん。サービススタッフも女性のみの居心地の良い店だ。手頃な価格と、たっぷりのポーション、もちろん味もうるさい関西グルメ人の評判も上々となれば、流行らないわけがない。
シェフの石田さんは、辻調理師専門学校出身。卒業後は、レストランでホールスタッフとして働き、その間ソムリエの免許も取得している。その後、調理を経験するため北浜の有名ビストロ、La
Tortuga(ラ・トォルトゥーガ)でキッチンを経験し、若干29歳で独立を果した。
「一人でご飯を食べるのが好きで、修行時代から食べ歩きを続けていました。ビストロですから、気軽に食べられておいしいもの。ポーションも、一人で前菜とメイン、デザートをオーダーして、調度お腹いっぱいになるのが理想」と石田さん。
女性一人では、フレンチなどは通常入りにくいことが多いが、ル・ピリエではカウンターがメイン。加えて女性スタッフのみであることもあり、女性の一人客、すなわち“お一人様”でも気軽に入ることができる。もちろん、カップルやグループでの来店も可能だ。
メニューは、フランスの家庭料理のような素朴な温かさがある。とはいいつつも、肉の旨みがぎっしりと詰められた田舎風のパテには、酸味も甘みも強すぎない自家製ピクルスが添えられ、メインの子羊は、表面はカリッと、中心は美しいロゼに焼き上げるなど、きっちりとプロの技が押さえられている。
また、外食はともすると塩味が強すぎることがあるが、こちらは調度良い味加減。素材をそのまま生かした味つけなので、最後まで食べ飽きない。こうした料理が、前菜が300円〜
メインは2000円前後とお手頃価格。客単価はディナータイム3500円で推移しており、コストパフォーマンスも上々である。
店内は、開店から1年半経過したというが厨房まで磨き上げられており、オープンキッチンをぐるりと囲むカウンター8席、テーブルも8席の全16席。22坪という広さのため、テーブル等も広くゆったりと食事が楽しめる。
くつろぎの店内の秘密はもうひとつ、ダークブラウンを基調とした色相だ。また、空調などのダクトが丸見えにならないように、きちんと処理がされているのも、落ち着ける理由となっている。
「店舗のデザイナーさんが、レストランでは天井がきちんとしていないとダメという考えの持ち主でした。ダクトが丸見えだと、水などが上から落ちてくるなど清潔感が無いと言ったので、私も納得しました」(石田さん)
店名のル・ピリエは”柱”という意味がある。「覚えやすくて響きがいいから」と決めた名前だ。店の大黒柱である石田さんの料理と心温まるサービスと店内。一度訪れれば、必ずリピートしたくなる店だ。 |
「柱」という意味の込めれらた店名は、響きも良い。レンガ造りの落ち着いた外観。
ダークブラウンを基調色としたくつろぎのある店内。テーブルもゆったりと配置
。
骨付きの仔羊は、きれいなロゼ色でジューシー。
臭みも全く無く柔らかい。
肉の旨みが凝縮した田舎風パテ800円は、
厚みもあって食べ応え抜群。
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