ジンギスカン情報サイトの「東京ジンギス倶楽部」(以下、東ジン)が、ついに実店舗を立ち上げた。ジンギスカン専門店「ひつじぐら」は、東ジン代表の霜野氏が新たに会社を設立し、9月27日にオープン。霜野氏が数多くのジンギスカン店を訪問する中から、良い部分を抽出した理想の店が誕生した。
東ジンは北海道出身の霜野氏が有志と共に運営する人気サイトだ。
「北海道では、家族や親戚などのイベントにセットになったような形でジンギスカンがありましたから、少なくても月に4回位は食べるんですね。東京ならばカレーのような位置づけでしょうか。だから、東京に出てきて、なんでこんなにジンギスカン店が無いのかと不思議だったんですよ。上京するまでは全国どこにでもあるもんだと思ってたんです」霜野氏はそう振り返る。
どこに行けば食べる事ができるのか、ジンギスカン店情報を効率的に集められるようにと2000年4月に「東ジン」は発足した。現在では1日1200アクセスにまで成長している。
サイトを通じて入ってくる店情報を頼りに足を運ぶ中で、霜野氏は「こんなお店があったらイイのに」と思いを募らせ、ついに開業してしまった。
「確かに今はブームの真っ只中。賑やかな店で大勢で羊をつつく元気のいい店が大勢ですが、私のような大人世代がゆっくりと楽しめる店づくりを目指しました」
同店ではBGMにはジャズをセレクトし、暗めの照明と広いテーブル間隔でリラックス空間を演出した。さらに「勝負服でも行ける店」を狙い、服に臭いがつかないように「ツイスター式排煙システム」を導入。鍋の下から竜巻気流を発生させて煙を拡散させることなく、上部のダクトへ吸い上げる。コストはかかるが妥協を許さなかった。
羊肉の質にもこだわった。サイトを通じて知り合った札幌の老舗業者から、1頭から400グラムしか取れないという貴重なニュージーランド産「マトン肩ロース」(980円)を提供する。現在のところ同店でしか食べることができない逸品である。
サイドメニューにおいても「羊に関係の無いものは極力提供しない」をポリシーに、「羊のベーコンと新鮮野菜のサラダ」(720円)、「マトンのたたき」(780円)、「羊の生ハム」(880円)を用意した。デザートには「羊乳アイス」(450円〜)を用意する念の入れようで、マニアをも飽きさせることはない。
「『東ジン』のアクセス数も多くなっていたので、行列のできる店になっちゃうかな?なんて言ってたんですがそんなこともなく(笑)、オープンしてみると地元のビジネスマンやファミリーの方に可愛がっていただいています。『東ジン』を見ていらっしゃる方の比率は意外と少ない感じですね」と霜野氏は話す。
年齢層を見ると20代後半から40代までと、ターゲットとする年代にしっかりと愛されているようだ。
現在170店以上あると言われる東京のジンギスカン店だが、ブームをきっかけに「ジンギスカン=不味い、臭い」のイメージから、食べてみると「羊の肉って、美味しいんだ」と感動した世代をベースに、ブーム後もジンギスカンは定着すると霜野氏は推測する。
ブームに翻弄されることのない、ジンギスカンを愛する本物のジンギスカンの店として「ひつじぐら」には期待が高まる。リピートしたくなる味、「マトン肩ロース」を是非、食していただきたい。 |
テーブル間隔が広く、落ち着いた雰囲気の中で
ゆっくりジンギスカンを楽しめる
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入り口にあるジンギスカン鍋のコレクション
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同店でしか味わえない、貴重なニュージーランド産「マトン肩ロース」(980円)ほか、こだわりの肉を提供する。
「マトンのたたき」(780円)
羊乳アイス(450円)は、さっぱりとした甘さが嬉しい。
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