駅ナカというと「エキュート」を展開するJR東日本の独走だった感があるが、ついに昨年末に東京メトロが自身の駅ナカを開発。表参道駅に「Echika表参道」(以下、エチカ)を12月2日にオープンさせた。駅利用者だけでなく、近隣ビジネスマン・OLで賑わっている。
エチカにおいて特筆すべきは、地下鉄3路線が乗り入れる表参道の駅全体をカバーしている点だ。エキュートが駅ビルをそのまま改札内に持ち込んでいるのに対し、エチカは紀伊国屋が運営するスーパーや、ベーグル店、コスメ雑貨店などのテイクアウトを前提とした店舗を改札内の乗り換え導線上に配し、そしてイートインをメインとした店舗を改札外に置くことにより表参道駅を一つの商業施設のように利用することができる。表参道駅=エチカと言っても過言ではない。
そのエチカの中心的存在が「マルシェ ドゥ メトロ」である。177坪に206席を用意し、その周りに飲食店を配したフードコートには、これまでのどこか寂しい駅の飲食店の趣はない。ライムストーンの壁に囲まれた店内は、フランスの市場をイメージしており、飲食においてもフランスの美味しさを提供することにこだわった。
「マルシェ
ドゥ メトロ」のコンセプトを表現する重要な飲食店6店を、クリエイト・レストランツがプロデュース・運営する。
「ビストロ リヨン」(ビストロ料理)、「ベトナミーズ
シクロ」(ベトナム料理)、「パスタ リコッタ」(フレッシュパスタ)、「クレープ シュクレ」(クレープ)、「ブーランジェリー ジャン・フランソワ」(ベーカリー)、「カフェ
ドゥ メトロ」(カフェ&バー)、メニューもバラエティーに富んでいるので、数回の来店では飽きることないだろう。
ランチ、ディナーのほか、待ち合わせ需要にも対応できる業態が揃っている。
「カフェは朝7:30からオープンしていますので、一日を通して幅広いお客様にご利用いただいているのが『マルシェ ドゥ メトロ』の特徴です。一日に何度もいらっしゃるなど、リピートしていただくお客様が非常に多くなっています。コーヒーが一杯220円から、ビールやグラスワインも300円から提供していますので、気軽に使っていただけることが大きいのではないでしょうか」店長の小寺氏は話す。
2006年1月現在で、136のレストランと89のフードコートを展開しているクリエイト・レストランツ社だが、「マルシェ ドゥ メトロ」は今までのフードコートとは違う、新しいスタイルのフードコートであると小寺氏は繋ぐ。
「駅ナカというロケーションで、これまでのフードコートのようなディナーシーンが確立できるのかが予測できない部分がありましたので、いかに立ち上げから早くそれを作り上げるかが大きなポイントと考えていました。しかし、リーズナブルな値段で提供したアルコール類が好評で、非常に短期間で食事とアルコールを楽しむ場所であると認識していただけたのには私たちも驚いています。これからの駅ナカフードコートの基本スタイルが、ここ『マルシェ
ドゥ メトロ』で確立できたと自負しています」
今後はサービスにも力を入れて、フードコートの可能性を広げていきたいと話す。
2月には「表参道ヒルズ」オープンが控えており、乗降客数が倍を見込まれていること、そして周囲にはリーズナブルに食事ができる店舗が少ないなど、好条件が揃っている「マルシェ
ドゥ メトロ」。駅ナカという注目の商業施設をどのように進化させてくれるのだろうか楽しみである。 |
「マルシェ ドゥ メトロ」は、
改札口を出た真上に位置する。
フランスの市場をイメージした店内は
ライムストーンの壁により明るい
。
駅ナカとは思えない広さ
177坪に206席を用意した。
喫煙席は禁煙席より
一段高い位置にあり面積も
広い。
エントランスにあるカフェでは
コーヒーのほかビールやワインも提供する
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