ブームの流れに乗り、都内には次々にジンギスカン店がオープンしている。そんな中、炭焼きジンギスカン専門店「カムイ新宿3丁目店」が11月7日にオープンした。
表通りから1本裏通りに入った同店店内はカウンター席、テーブル席合わせて51席。梁をめぐらせたテーブル席や濃い茶色の木材で区切られたテーブル席など温かさを演出するとともにすっきりとした印象を与え、女性客でも入りやすい雰囲気だ。
同店のFC本部である株式会社アクシス・ゼロPR担当・中東さんは「ジンギスカンブームの中でも勝ち残れるように、商品には4つのこだわりを定めました。ブランドの認知度として急速に多店舗展開をされているスピードには勝負できませんから、カムイに行きたい、と思っていただける店づくりを心がけています」と語る。
カムイの4つのこだわりとは
1. くせの少ないマトン肉を厳選して使用する。
2.
旨味と歯ごたえの違う北海道北見産のタマネギを使用。
3.
料理人が全精力をかけて考案したタマネギエキスたっぷりの白ダレ(塩)とさっぱり味の黒ダレ(醤油)を用意。
4.
溝を深くし肉汁で野菜を揚げるように焼けるよう開発したオリジナル鍋を使用の4点。
専門店の原点はメニューにある、と中でも食材選びを重要視し、タマネギなど野菜類は北海道から取り寄せている。もっとも重要な肉はオーストラリア産の肉を厳選して使用している。
こだわり食材のタマネギは品種改良により“北見タマネギ”の名になったが昔は“カムイタマネギ”といっていた。旨味が違い、何よりジンギスカンに合うという。このタマネギが店名の由来でもある。
「炭火焼ジンギスカン専門店といっていますから、まずはメニューありきです。あくまでもこだわりの肉であり、食材を提供すること。しかしブームもあって羊肉自体の需要が高く、安定して供給するのは難しい状況です。現在使用している肩ロース肉もそうですが、お客様は肉の質には敏感ですから、クオリティを下げずに違った部位、希少な部位を新しい食べ方で紹介することなど、メニュー選択が出来る方向も考えています。」
ジンギスカンのセットメニューは肉、ジャガイモ、タマネギ、長ネギの「カムイセット」(750円)、カムイセットにモヤシとキャベツを加えた「ヘルシーセット」(950円)で、大体のお客がセットを注文。追加肉は600円、野菜は200円〜。
サイドメニューに「玉ねぎスライス」(300円)、北海道北見市直送ジャガイモを使用した「じゃがバター」(450円)、「鮭とば」(500円)などを用意。
なかでも北見市名物「めどん」(400円)はご飯に目玉焼き、オリジナルの黒ダレ、秘密の調味料がかかっており混ぜ合わせて食べる、女性にも人気のメニューだ。
アルコールは北海道限定生ビール「オホーツクビール白・黒」(1000円)、北海道ワイン「オホーツクの詩 赤」(グラス500円・ボトル3500円)など希少メニューの他、「ハスカップサワー」(500円)や「梅酒ソーダ」(500円)などを取り揃えた。
新宿3丁目という場所柄、客層は多様だ。早い時間は近隣の会社員やショップの店員、遅い時間はアフターの需要に応え、19:00〜22:00に1回目の、23:00以降に2回目のピークを迎える。
男女比率は6対4と男性客が多いが、女性同士の来店で羊の肉はどうも、といっていたお客がファンになり、その後口コミでお客を広げるなどリピーター率は高い。
同店はオープン時もあえて大きな宣伝はせず、キャンペーン等も大々的には行わなかった。キャンペーンを打てばその時の集客は見込めるが、地道に確実にファンを作り、長く愛される店にしていきたいとの考えだからだ。
北海道産食材にこだわるのもジンギスカンが北海道発祥だからという意味だけではなく、食の宝庫・北海道をキーワードにして、よりお客に興味を持ってもらえるようにアピールする方法だ。店内にもすべての席に4つのこだわりのプレートが掲げられている。
「ブームは去ってもファンは残ってくれると考えています。4つのこだわりを守り抜き、カムイでしか食べられないメニューを提供することで、新宿商圏だけではなくもう少し広い範囲からも“カムイに行きたい”と目的を持って来てくれるような店を目指します」
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