福岡県福岡市で「旬菜酒房 大名主水」、「赤坂倶楽部」「安土」などの人気店を手がけるアクセスネットが2005年11月24日、西麻布に“モツ鍋”と焼酎をメインとした和ダイニング「表邸」を東京に初出店した。
“「食材」「空間」「サービス」のあらゆる面で本質をシンプルに追求する”をコンセプトに六本木通りと星条旗通りに挟まれた、あえて裏通りの立地を選択し出店した。
“真っ向から、正統なサービスを”の意志を店名である「表」の文字にこめ、コンセプトに賛同してくれるお客が心からくつろげる空間を提供することを目的としている。
スピニフェクス友杉有紀のデザインによる一軒家は、1階はカウンター席と小上がり席、2階は半個室、3階は個室と、余分な意匠は極力排除し空間の領域感、素材感で落ち着いた雰囲気に仕上げている。客席数は合わせて100席。
「モツはすべて南九州産黒毛和牛の中でも上質な部分のみを使用しています。モツというと脂っぽく思われがちですが、良質なモツは体温で溶けてしまうほど繊細で上品、驚くほどさっぱりした食感のものです。当店では独自のルートで仕入れることで関東の流通ベースには乗っていない、本場ならではのモツを提供しています」と高山マネジャーは話す。
「モツ鍋」は吟醸旨味醤油仕立ての「醤油」味、極上西京白味噌と数種類の味噌をオリジナルブレンドした「味噌」味、天然塩とスパイスでスープを仕上げた「塩」味(各1350円)の3種類。福岡の姉妹店では醤油と味噌を提供しているが、東京出店に当たり塩味を新たに開発。同店1番の人気メニューになっている。
「九州の醤油や味噌は甘味があります。それが苦手とおっしゃる方も中にはいます。私は九州ですから逆に東京のものは塩がきついように感じました。地方による味覚の違いはありますから、東京で受け入れられる味覚をと考え、鍋やラーメンで人気の塩スープに着目しました。当店の鍋のスープをベースに醤油や味噌には使用しているニンニクを除き、オリジナルスパイスと天然塩を合わせ、独自の塩味にたどり着きました」
モツは鍋以外にも九州を中心に全国の旬の食材を楽しんでいただきたい、と佐賀県産「伊万里牛たたき」(1280円)、福岡県桧原町荒木豆腐店「生湯葉と博多とろ豆腐」(700円)、「薩摩地鶏炙り」(850円)などを本日のおすすめメニューで提供。料理法も奇をてらわずに食材本来の味わいを生かすように配慮している。
モツと並んで同店の看板である焼酎はプレミアム焼酎となった「森伊蔵」(2400円)、「村尾」(2000円)、「魔王」(2000円)は品切れすることなく提供。メニューにないものを含めると常時約60種類を取り揃えている。
「九州には美味しい焼酎がたくさんあります。有名になりすぎて他店では品切れになってしまうものもありますが、それ以外のあまり知られていないけれど美味しい焼酎を紹介するのも、当店の役目かと思います」 |