次に流行るお店
ワールドカップが縁のクロアチア料理はいかが
「クロアチアレストラン Dobro(ドブロ)」
各国料理が楽しめる都市、東京にあって唯一、クロアチア料理を提供するレストランが、京橋にある「ドブロ」だ。
同店の出店はワールドカップに深く関係がある。オーナーの川崎氏が前回ワールドカップ日韓共催時に新潟県十日町市にクロアチア代表の宿泊など受け入れるスタッフを務め、その後クロアチアに自身も赴くなど親交を深め、クロアチアの人たちの温かさに触れ、日本にクロアチアの文化を知ってもらいたい、との思いでオープンしたという。 店名の「Dobro」とはクロアチア語で、英語でいう「Good」の意味。
京橋駅前、という立地もさることながら、2003年のオープン時からランチやディナーなど、近隣会社員たちで常に盛況を見せている。クロアチア料理とはどのようなものだろうか。
「東欧とイタリアがミックスしたような料理を想像していただければ、わかりやすいかと思います。際立つ特徴はないけれど、親しみやすい味です」と語るのは小原孝三マネジャー。
クロアチアはアドレア海に面したイタリアの対岸にある旧ユーゴスラビアとの共和国。東欧諸国、ハンガリー、オーストリア、イタリアなどの料理が渾然と交じり合い形成されている。ハンガリーに近い山間部では肉を用いた多彩な料理が発達し、湾岸部では魚介をシンプルにカルパッチオやソテーで食べる。日本人にはなじみのパスタやチーズを使用した料理など、香辛料がキツイ、オイルが強い、といったこともなく、万人に受け入れやすい味だ。
そんなクロアチアを代表する料理といえば“サルマ”(1980円)で、いわゆるロールキャベツなのだが、塩漬けキャベツを用い、肉やタマネギなどの具材に加え米が入るのが特徴。ベゲタという野菜をベースにしたクロアチア独特の調味料を入れて煮込まれたソースは、野菜の甘味が生きたスープとして添えられたポテトと一緒に食べると味が引き立つ。
“チャバブチッチ”(900円)はスパイスの入ったひき肉のソテーで、シシカバブの味に近い。“季節野菜のクリームシュトゥルクリ”(1600円)はパスタ生地を広く伸ばし、カッテージチーズを挟み、野菜クリームソースをかけて焼き上げた、いわばラザニアのような一品。ソースも軽く、野菜の甘味が効いている。シュトゥルクリとはこのようなパスタ生地を指した料理。チーズを挟む、またソースは同店のオリジナルだ。
「オープン時にはクロアチアからシェフを招いていましたが、現在はフレンチやイタリアンを務めた日本人がシェフとして腕を振るってくれています。もともとクロアチア料理は、近隣諸国の良いところを取り入れたミックス料理ですから、クロアチアシェフのレシピ、クロアチアの味に加え、現在のシェフの味を加えた、ドブロオリジナルの料理を提供しています」
料理と楽しむクロアチアワインは、果実味が豊富で華やかな香りが特徴。“ポスタップ”(5600円)、“ブラバッソ”(4800円)などジンファンデルに似た、軽い味わいのワインが人気。もっと重いものをというお客にはフルボディータイプの“ディンガッチ”(4800円)など、クロアチアワインは常時5種類用意している。
「クロアチアにはもっと多くのワインや固有のチーズもあります。それを皆さんに伝えたいとは思うのですが輸入規制の関係でなかなか難しいのが現状です」
料理だけでなくクロアチアとの交流の場としても同店は利用されている。クロアチアに旅行に行くというお客の利用が多いことから、来客に備えクロアチア大使館のパンフレットを用意し、希望者にはサービスする。またクロアチアに住んでいたスタッフからクロアチアの話を聞くこともできる。
「おそらく日本でただ一つのクロアチア料理店ではないかと思います。料理もそうですが、クロアチアという国をもっと知っていただきたい。そのための情報など喜んでお教えします。クロアチアに興味がある人はぜひ、来ていただきたい」
円形舞台を思わせる石造りの重厚な店内。ディナータイムはランプがともされよりシックな雰囲気が強まる。その店内に目を引くディスプレイ。前回クロアチア代表のサインボールなどサッカーグッズがケースに陳列されている。
今年はサッカーワールドカップの開催。日本と対戦するクロアチアにまた注目が集まるかも知れない。
住所 | 東京都中央区京橋2-6-14日立第6ビル |
電話番号 | 03-5250-2055 |
営業時間 | 11:00〜14:00、18:00〜23:00 |
定休日 | 日・祝日 |
客席数 | 30席 |
客単価 | ランチ1200円、ディナー6500円 |
目標月商 | - |
経営母体 | 有限会社ドブロ |
Web Site | クロアチアレストラン Dobro(ドブロ) |