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次に流行るお店

パスタで締める立ち飲み付きの気軽なビストロ
「bongout noh」(東京・渋谷/ビストロ)

第141回 2006年6月23日

オープンキッチン
 5月8日にオープンしたばかりの「BONGOUT NOH(ボングウノウ)」は、渋
谷の外れ神泉のスタンディングバー「BUCHI」をヒットさせた、東美とガタイパーソ
ナルスペ−スデザインによる4店目の店だ。

 同じ渋谷でも、宮益坂側の大通りからは少し奥まった、ビルの2階に立地する。やはり、渋谷の隠れ家といった、トレンドに敏感な人や自分のスタイルを持った人が集まるような場所にある。

 毎度、新店では新しいチャレンジを行っているが、今回の「BONGOUT NOH」
は、「本当の意味でのフランスの居酒屋のように、日常的に使える店を目指しました」(同店・女将、岩倉久恵さん)とのこと。肩肘張らずに気軽に飲みに行ける、ビストロの業態となっている。


岩倉女将(左)と女性スタッフ


 これまでのスタンディングがメインの店と異なり、レストランのほうがメインである。スタンディングは、食後酒やウエイティングでのニーズを主に考えているそうだ。レイアウトは、真ん中にオープンキッチンがあって、奥にレストラン、窓側にスタンディングという構造。


窓際のスタンディングコーナー


くつろぎのダイニング


おしゃれなインテリアラック

 男女スタッフがキビキビと働いているライブ感を楽しみながら、食事ができる。内装のデザインは、オーナーでもある萩本博泰氏率いるガタイパーソナルスペ−スデザインが担当している。

 日本のビストロは、顧客単価が8000円以上もするところも多いが、同店はスタンディングなら、おつまみに料理1品を頼んで、軽く飲んで帰ることもできる。フランス料理だからといって、構えずにカジュアルに使える。調理法も、素材を生かしたシンプルなビストロ風のものが主流で、そこにオリジナリティーを加えている。

 メニューの種類も豊富で、レストランとスタンディングでは別のメニューとなっていて、それぞれ100種類前後の料理を提供している。

 また、麺好きな日本人の趣向を考えて、メニューにパスタを9種加え、フランス料理ばかりでなく、締めに麺が食べられるのもポイントだ。パスタは、冷製とペペロンチーノを除けば、すべて店内のマシンで手作りした麺を使用している。


お通し(泰阜村おつけもの各種)に自家製パンと食後のハーブティー


ホワイトアスパラの炭火焼(左1,500円)と春野菜と燻製帆立のテリーヌ(右1,200円)


手打ちパスタ:トリアンゴリ(左1,200円)とファルファッレ(右1,300円)

 お通しのような形で、最初に提供される色とりどりのパンも、手作りしているものだ。すべてのオーダーを頼んだ後には、ハーブティーが提供される。これは西洋料理の胃もたれするような、こってりした食後感を払拭して、さっぱりした気分で帰ってもらおうとの心遣いによるサービスだ。「BUCHI」では日本茶が最後に提供されるが、食後のハーブティーが制度化された店は、今まで聞いたことがない。顧客の評判が、注目されるサービスである。ワインは、フランスと日本のものを各種取りそろえている。


リーズナブルなワインセレクション

 ターゲットは、「30代後半から40代の大人の社交場が目標です」(岩倉さん)とのことだから、恵比寿の「buri」よりは、やや高めの年齢層を意識している。顧客の男女比は6対4で、男性のほうがやや多い。

 インテリアは、代官山のインテリアショップ「コンプレックス」製作のオーダーメイドで、フランスの駅の待合室にあるベンチや、洋風建築の家庭の中のくつろぎ感をイメージしたという。

 今のところ顧客の入りは、既存店の顧客やスタッフの知人が中心ではあるが、インテリアの面白さや食事の提供にスタイルに斬新さを感じる店である。「BUCHI」からの実績からも、ビストロブームを牽引する存在になる可能性を秘めた店であろう。



【bongout noh】
住所 東京都渋谷区渋谷1−10−12宮城ビル2F
電話番号 03−5464−0858
営業時間 17:00〜翌3:00
定休日 年中無休
客席数 60席(テーブル40席、スタンディング20席)
客単価 テーブル6000円、スタンディング2000円
目標月商 1000万円
経営母体 株式会社東美、有限会社ガタイパーソナルスペ−スデザイン
Web Site http://www.to-vi.jp
長浜淳之介 2006年5月18日取材

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