次に流行るお店
イベリコ豚を気軽にバリエーション豊かに味わう店
「EL CERDO(エル セルド)」(東京・銀座/スペインバル)
第142回 2006年7月8日
外観
イベリコ豚のにんにく醤油ポークソテー
サイドメニューも、スペイン料理をメインにそろえて、スペインバルとして営業している。しかし、味つけは日本人の舌に合うようにアレンジされており、ニンニクのにおいがきつすぎたり、オリーブ油でギトギトしたような感じにならないように工夫している。
オーナーの阿部光峰さんは、銀座8丁目で「パプリカ」というカジュアルフレンチの店を経営していたが、そこでイベリコ豚のメニューを提供したところ、非常に好評だったので、イベリコ豚をおいしく食べてもらう店を出そうと思ったそうだ。「パプリカ」は売却して、オーナーが今は換わっている。イベリコ豚はドングリを食べて育ち、ヘルシーで、脂身にとろけるような甘味があり、霜降りの赤身であるところが受けている。
カウンター
キッチン
ダイニング
同店の場所は、銀座1丁目の昭和通りに面して東側にあり、地名は銀座でも、都営地下鉄の宝町駅から近い。
「銀座のオフィス街からは離れていますし、特徴がないとお客さんは来てくれません。きちんとした食材で、おいしく安くをモットーとしています」と、ホール・スタッフの青木良子さんは語る。
フードメニューは40種類ほどあり、すべて店内の黒板に掲示されている。そのうち、本日のおすすめが13種類くらいあり、季節の食材で提供される。カタルーニャ地方の郷土料理をベースに、毎朝築地から仕入れる新鮮な魚の料理をプラスしている。
店のつくりは、入口あたりが立ち飲みのカウンターになっているほかは、カフェ風のレストランになっているが、メニューはどちらも同じである。
立ち飲みコーナー
イベリコ豚の生ハムやハモンセラーノという白豚の生ハムを味わえる、生ハムの盛り合わせは特に好評で、9割もの人からオーダーがあるという。また、イベリコ豚を炭火で焼いたステーキや、にんにく醤油のポークソテー、チーズ風味カツレツ、塩漬豚の串焼なども好評だ。
また、魚介類を使った、各種のパエリア、タパスなども、人気が高い。
ドリンクはスペインのワインに力を入れており、グラスワイン1杯500円から飲める。特にお勧めなのは、シラーというブドウの品種を使った「サンタアナ」で、口あたりがいいが後味は渋く、食事によく合うそうだ。なお、立ち飲みではドリンクが100円安くなる特典がある。
顧客層は女性が多く、OL層が中心になっている。近くにマガジンハウスがあるため、マスコミ関係者も頻繁に訪れる。また、新しくできた晴海、月島などのマンションに住む人たちの来店も多い。特に土、日、祝日は、あたりに人通りが少ないにもかかわらず、「EL CERDO」を目的に来る人で、早い時間から、混み合うという。
内装は以前にあったイタリアンの店を基本的に居抜きで使っているが、少しモダンになるように手を加えている。たとえば、元々は白かったベンチシートは、黒に張り替えた。また、キッチンにはイベリコ豚を炭火で焼く台を、新しく設置した。
壁には、オーナーらが、スペインに行って撮ってきた写真が、飾られている。
「居酒屋のようなノリで、自由に楽しくやらせてもらっています。肩肘張らずに、気軽においしいものを食べにきてほしいです」と青木さん。最初に予想したよりは2倍近くの顧客が入っており、好調に推移している。
【EL CERDO(エル セルド)】
住所 | 東京都中央区銀座1−19−4広徳ビル1F |
電話番号 | 03−3567−2766 |
営業時間 | 平日18:00〜翌2:00、土日祝18:00〜24:00 |
定休日 | 年中無休 |
客席数 | 22席 |
客単価 | 5000円 |
長浜淳之介 2006年5月26日取材