次に流行るお店
女性フレアバーテンダーとオリジナルカクテルが魅力のカジュアルなバー
「4 COUNT BAR」(東京・六本木/カジュアルバー)
第145回 2006年8月4日
フレアバーテンダー
「ウィスキーがオーダーで、よく出るのはバーなのですが、オーセンティックなバーは、どうしても敷居が高くて若い人は入りにくいイメージがあります。その局面を打破して、20代後半から30代の人たちが、ワイワイガヤガヤと、楽しく洋酒を飲んでいるシーンを演出したかったのです」と、サントリー市場開発本部グルメ推進部業態開発担当の三澤慎吾氏は、提案の背景を語る。そのプランに、得意先だったジャパンフードシステムズが乗った。
外観
カウンター
カウンター内
テーブル席
洋酒市場の低迷打開と、バー活性化を担って、今年5月2日にオープンした「4 COUNT BAR」は、幾つかの新しい仕掛けが散りばめられている。
1つは、女性バーテンダーの導入である。オーセンティック・バーのように、蝶ネクタイ姿の男性バーテンダーがメインになれば、堅いイメージの店になる。そこで、敷居を低くするために、若い女性を採用。服装も親しみやすいTシャツにジーンズなどと、カジュアルにしている。
カウンターは円形になっており、女性バーテンダーと楽しくコミュニケーションを取りながら、お酒を楽しむことができる。
また、フレア・バーディングのパフォーマンスを取り入れて、ボトルを投げたり、くるくる回すなどの技でカクテルをつくり、エンターテインメント性を高めている。
フレア
島田麻衣マネージャー
「フレアはとても難しくて、スタッフたちは深夜、お店が終わって、始発電車を待つ間に、公園で練習しているんですよ。手に青あざをつくりながら、半年くらい努力して、ようやくショーとして人に見せられるようになってきました」と、同店の島田麻衣マネージャーは、フレア・バーディングに取り組む、女性バーテンダーたちの奮闘ぶりに、期待している。
ドリンクメニューで、店の顔となるのは、オリジナルのカクテル「マグ ヤマザキ」(650円)。これは、シングルモルト・ウィスキー「山崎」とリキュール「ストーンズ・ジンジャー・ワイン」をミックスし、「セブンアップ」で割って、レモン、ライムを搾って入れたもの。口あたり、のどごしがさわやかなドリンクで、何杯でもいけそうな味わいがあり、ジョッキタイプのステンレスのマグカップを使っている。
ビールに代わるものとして、最初に「マグ ヤマザキ」で乾杯してもらうように、スタ
ッフは積極的に推している。
「マグ ヤマザキ」650円
「角ミサイル」500円
「リボルバーマック」
また、「角ミサイル」(500円)は、提供される時には、「ジャック・ダニエル」が入った小さなグラスの上に、レモンスライスが乗り、その上にたっぷりと白砂糖が乗っている。飲み方はというと、白砂糖と一緒にレモンを半分に折って頬張り、そこにウィスキーを一気に流し込む。いわば、口の中でつくる、甘くさわやかなカクテルで、「ニコラシカ」というカクテルにヒントを得て、考案したものであるそうだ。
「スキッピングジャック」(500円、3名以上)は、コーラの入ったグラスをまず幾つか並べ、そのグラスとグラスの間に「ジャック・ダニエル」が入ったステンレス製の背の高いカップを並べて、端にあるステンレス製カップを倒すと、ドミノ式にステンレス製カップが次々に倒れていって、グラスにウィスキーが注がれ、コーラと混ざってカクテルになるというもので、ウィスキーによるシュータースタイルである。
10連、20連ともなれば、ドミノ式の倒れ方が圧巻で、場が盛り上がる。
こういった、遊び心のあるオリジナル・カクテルが目白押しで、カクテルが好きな人なら一度行って損はないだろう。
「4CBビーフバーガー」900円
フードメニューも、しっかりと食べられるようになっているのが、この店の特徴である。ボリュームたっぷりの「4CBビーフバーガー」、カレー味の「インデアンハンバーグライス」、「タコライス」、「明太子のカルボナーラ」(いずれも900円)などが人気
になっている。
飲んで食べて、3000円くらいで満足できるようになっており、バーとしてはリーズナブルな価格設定だ。顧客の男女比は、8対2で男性が多い。
新しいバーのスタイルやスタンダードカクテルの発信源になれるか。今後の動向に注目したい店だ。
【4 COUNT BAR】
住所 | 東京都港区六本木7−17−19 |
電話番号 | 03−5772−4040 |
営業時間 | 月曜〜木曜19:00〜翌2:00 金曜・土曜・日祝前日19:00〜翌5:00 |
定休日 | 日曜・祝祭日 |
客席数 | 80席 |
客単価 | 2500−3000円 |
目標月商 | 800万円 |
経営母体 | 株式会社ジャパンフードシステムズ |
Web Site | http://www.4countbar.com |
長浜淳之介 2006年6月21日取材