次に流行るお店
てっぺん繁盛の秘訣を公開、自己啓発の輪を広げる拠点目指す
「てっぺん渋谷男道場」(東京・渋谷/鉄板焼・寿司)
第152回 2006年9月22日
オープンキッチン
男性スタッフばかりで固めた、鉄板焼と寿司の店で、2号店としてオープンしていた、道を隔てた真向かいにある店、元の「てっぺん渋谷店」は、「てっぺん渋谷男道場」の新規開店に伴い、対になる「てっぺん渋谷女道場」にリニューアルした。こちらは女性スタッフばかりで固めていて、焼鳥と串焼の店である。
有名な朝礼
「共に勝つ」とは、相手を打ち負かすことではなく、目標達成、夢の実現、成長のきっかけを得るといった、一緒に成果を出すことを指す。従って、同店では、同業の飲食業者にも来てもらって、こんなにも自分たちが元気で働ける理由、精神、ノウハウを、すべて広く公開しようとの趣旨である。
例えば店の壁には、てっぺんの「リーダーはどうあるべきか」、「時間管理の仕方」といったような、テーマごとのマニュアルなどの資料が、壁に幾つも張り出してあり、興味のある人は、店に来ればいつでも見ることができる。さらに、スタッフに頼めば、コピーをもらうこともできる。ゆくゆくは、料理のレシピも公開する計画がある。
てっぺん リーダー
てっぺんザルール
壁のポスター
「パッと見たところ、料理も接客も満足にできそうにない、頼りなさげな若僧が、驚くほどの仕事をしてしまうところを、同年代の若者に見てもらって、刺激を受けてほしい。赤の他人であるお客さんを、どこまで愛せるのか。人間力が上がることによって、人を引きつける力も上がるのです」と、類家令奈店長は張り切っている。
もちろん、自分たちが元気に働いている姿によって、顧客も元気になってもらうといった狙いもある。
類家店長は高校まではスキーの選手を目指していたが、ケガで断念。大学時代はイベントサークルに入って、楽しく過ごしたものの、さしたる目標もなく、いつも心の中にはむなしさがあったという。
卒業後に、縁合って、都内のダイニングで働くようになり、本気で信じられる仲間に出会った。そして、てっぺんの趣旨に共鳴して、昨年1月に転職した。
「この店を始める時に、スタッフは経験よりも、人生に本気で立ち向かっているのかどうか、目を見て選んだ」と、類家店長は熱く語る。店で働く人、店に来る顧客の、人生が変わるキッカケになればと考えている。
類家 店長
顧客層は20代後半から30代の女性が多く、男女比は3対7で、女性が優勢。飲食関係者は50%ほどで、そのほかの職種では美容師が多いそうだ。
内装は、入口を入って正面に鉄板があり、ライブ感のあるカウンターはインパクトが抜群。奥のほうは、落ちついたダイニングスペースになっている。
カウンター席
外観
内観
人気メニューは、鉄板焼では、「海老とブロッコリーのマヨネーズ焼き」(830円)、「牛すじこんにゃくとたっぷりネギ」(680円)など。「広島風お好み焼き」、「鉄板ピザ」、「ガーリックライス」、「あさりの塩焼きちゃんぽん麺」、焼き野菜のサラダ「焼き野菜だよ!!全員集合!!」のようなメニューもあり、自由な発想でバラエティ豊かな料理を出しており、なかなか楽しい。
寿司は、魚介類などのネタを海苔で巻いたロール寿司が主流で、例えば「6種の道場破りROLL」(1080円)は、キュウリと揚げ玉で食感を出したものだ。
海老とブロッコリーのマヨネーズ焼き(830円)
名物!6種の道場破りROLL(1,080円)
苺一会(580円)
クレオパトラ(580円)
同店は「独立道場」でもあり、将来の独立を目指して働いている者もいるという。
本気で飲食店の経営を考える人にとって、有益な情報とモチベーションを得られる店である。
【てっぺん渋谷男道場】
住所 | 東京都渋谷区宇田川町37−13 |
電話番号 | 03−5452−1598 |
営業時間 | 17:00〜01:00 |
定休日 | 不定休 |
客席数 | 54席 |
客単価 | 4000円 |
経営母体 | 有限会社てっぺん |
長浜淳之介 2006年8月26日取材