次に流行るお店
パイの魅力を再認識させられる、デザイナーズホテルのスタンディングバール
「PLATE OF PIE.POP」(東京・渋谷/カフェバー)
第153回 2006年10月6日
1Fキッチンカウンター
「渋谷グランベルホテル」は、スタイリッシュで各部屋ごとにインテリアも異なる、こだわりのホテル。渋谷駅南口からは徒歩数分と近いものの、国道246号の陸橋を渡った先の、街の喧騒からは逃れた裏渋谷とも言うべき立地にある。
「PLATE OF PIE.POP」は、デュアルウェーブと雑誌『東京カレンダー』のコラボレーションによる、女性に人気のスタイリッシュな立ち飲み屋、恵比寿「Q」に次ぐ2つ目の店。ホテルにある飲食店といっても、入口は別々になっており、路面店としての独立した性格が強い店だ。
外観
エントランス
内観
2F着席コーナー
1日を4シーンに分け、朝6時から11時までは、ホテルの朝食を兼ねて、500円前後のモーニングセットを提供。11時から2時半までは、ドリンクがセットになった、650円〜900円のランチを出している。
2時半から5時までは、コーヒーとスイ−ツでくつろいでもらうカフェタイム。そして、夕方5時から朝6時までは、スタンディングスタイルのバールとなっている。
顧客層は、渋谷とはいっても、25歳以上の大人のOL、サラリーマン、近所に暮らす住民が中心。渋谷から代官山方面まで散歩する人や、近くにあるスポーツクラブに通う人の来店も多い。もちろん、ホテルに泊まっている人が、息抜きや食事に使うこともある。
お酒は終日提供しているが、深夜から朝方にかけては、仕事帰りに立ち寄る同業の飲食店従事者の来客が多い。朝6時頃やって来て、一杯飲んで帰宅する人もいるという。
立ち飲み形式だけに、年齢、性別にかかわらず、1人で来る人も結構多いそうだ。
メニューはパイを売りとするだけに、スイ−ツはもちろん、サラダや煮込みを入れる器を兼ねて料理として提供したり、夜はつきだしのような形で食べ放題のチーズパイを出したりと、さまざまな表情を持ったパイが味わえる。
常時十数種類を提供するバラエティに富んだパイは、すべて店内で焼いている。できたての香ばしいパイを、食べられるのがうれしい。
シーザーサラダwithチキンパイ(550円)
夏野菜の煮込み
季節のフルーツパイ(600円)
「ニューヨークなんかには、ホテルの地下に気のきいたバーがありますが、そういった線は狙っています。気軽に立ち寄って飲んで、軽く食べて行けるような、おしゃれで楽しい空間にしていければと思っています」と、デュアルウェーブ料理長・柴田 健氏。
デュアルウェーブと『東京カレンダー』は、今後さらに、アルファベットのAからZまでの頭文字のついた店を順次オープンさせていく予定で、「Q」と今回の「P」に続く展開が楽しみである。全26文字の業態がそろえば、なかなか壮観であろう。
ともあれパイと言えば、アップルパイのような甘いスイーツか、ミートパイくらいしか、我々の頭には浮かんでこないが、実はパンなどと同様に実にさまざまな料理に合う、面白い食材である。前菜にもなれば、メインディッシュにもなるし、デザートにもなる。身近にあったのに、まだまだ開発の余地がある、未知の食材なのである。
そうしたパイの魅力を再発見するだけでも、この店に行く価値はあるだろう。
外黒板メニュー
【PLATE OF PIE.POP】
※取材当時の情報です。変更されている可能性がありますので訪問される場合は、店舗にご確認下さい。
住所 | 東京都渋谷区桜丘町15−17 渋谷グランベルホテル1F・2F |
電話番号 | 03−5459−4100 |
営業時間 | 24時間営業 |
定休日 | 無休 |
客席数 | 1階スタンディング、2階24席、(テラス10席) |
客単価 | 2000円 |
経営母体 | 株式会社デュアル ウェーブ |
長浜淳之介 2006年8月26日取材