次に流行るお店
豚の焼肉「サムギョプサル」と韓国屋台料理を、銀座で手軽に味わえる店
「韓豚屋」銀座三丁目店(東京・銀座/韓国料理)
第159回 2006年12月1日
韓国済州島産溶岩石使用三元豚のサムギョプサルセット(1050円)
同店支店長の川合禎一氏によれば、今年5月に先行してオープンした新橋店は、業態のベースを築く前のトライアルの色が強く、こちらの銀座三丁目店のほうが、今後の店舗展開の基礎となるスタイルになっていくそうだ。
メインとなるのは、韓国の家庭料理と屋台料理で、銀座で働く百貨店やブティックなどの店員、オフィスワーカーのOLなど、若い女性に日常的に利用してもらえる店を目指している。例えばランチを800円という低めのプライスから、13種類と豊富に提供しているのは、顧客ターゲットを意識してのものだ。
実際の顧客層も、20代から30代前半の女性が多い。男女比は1対9で、女性が圧倒的に優勢であり、若い女性に受けているのが大きな特徴である。男性は女性に連れられて、カップルで来るようなケースがほとんどだ。
メニューは、韓国の家庭で一般的に食されている、豚の焼肉「サムギョプサル」が売りだ。茨城県産「三元豚」など素材を選び、韓国済州島産の溶岩プレートで、スタッフが席で韓国製のコンロを使い、ていねいに焼き上げて提供する。溶岩のゲルマニウム及び遠赤外線効果で、表面はカリッと中は柔らかくジューシーに仕上がる。
韓国屋台おでん盛合せ(714円)
入り口
キムチなども焼いて、サニーレタスなどの葉野菜で、辛味調味料を付けて、肉と一緒に巻いて食べる。
バラ、ロース、ヤンニョンカルビ、ヤンニョンロース、トントロ、それぞれのセットがある(1000円〜1100円)。
また、屋台料理も各種そろえており、「韓国屋台おでん盛り合わせ」、韓国海苔巻き「キムパ」、「チャプチェ」、「石焼ビビンパ」、「海鮮パジョン」(「パジョン」とは卵をからめて焼くチヂミのこと)、「とろーりチーズチヂミ」、「チーズトッポギ」、「あさり麺」等々、豊富なメニューがある。
しかも値段は、800円くらいが上限となっており、リーズナブルな設定だ。
韓国料理に必須のタレ、ミソといった辛味調味料は、食材を韓国から取り寄せて、店内で手作りにて提供しており、本場の味が楽しめるというわけだ。
目を引く内装は、韓国の都市、とりわけソウルの街中の屋台をイメージしている。ソウルでは、日が暮れて、商店のシャッターが閉まると、その前にテーブル、椅子が出てきて、屋台がオープンする光景がしばしば見受けられる。
テーブル席
外のような店内
店内
座敷席
店内ではその光景がリアルに再現されていると、韓国人から言われるほどの出来栄えとなっている。
また、BGMに韓国のポップスを流し、プラズマテレビで韓国ドラマやミュージックTVを放映するといったように、韓国に旅行したような異空間が広がっている。
奥の宴会場は打って変わって、旅館の宴会場のように整然と長いテーブルが並んでいて、韓国の新聞紙が壁に張りつけてある。全部で50人ほどが入れる。会社などの懇親会、飲み会の需要も多いのだという。
母体のラムラはさまざまな業態を手掛けるヒットメーカーの飲食企業だが、「韓豚屋」を形にするまでは、構想から約2年もの年月が掛かった。その間、韓国に行って食べ歩くなどの作業を経てコンセプトを練り、現地で食材も集めた。それだけ作り込んだ、店だということだ。
「口コミでお客さんが増えていますし、常連さんもできてきました。韓国料理は体内の代謝を助けるものが多くて、ヘルシーです。元気を分けて、帰ってもらえればと思っています」と川合支店長は、順調なスタートに表情が明るい。
若い女性相手の商売はトレンドに左右される側面もあるが、「韓豚屋」の場合は全般の単価が安く、本物志向、健康志向という打ち出し方をしているので、簡単には流されない足腰の強さが見受けられる。
2年後には10店くらいまで、この業態を増やしたいとのことだが、目標は十分達成できるであろうと感じるだけの、インパクトを持った店だ。
川井店長(中央)とスタッフさん
【「韓豚屋」銀座三丁目店】
住所 | 東京都中央区銀座3−4−6正隆銀座ビル2F |
電話番号 | 03−3563−6166 |
営業時間 | 月〜土 11:30〜16:30(ランチ) 16:30〜23:45(ディナー) 日・祝 11:30〜16:30(ランチ) 16:30〜23:00(ディナー) |
定休日 | 無休 |
客席数 | 195席 |
客単価 | 3000円 |
経営母体 | 株式会社ラムラ |
長浜淳之介 2006年10月19日取材