アットホームで、オープン。そこに行けば、必ず知り合いに会うことができる。そんな行きつけの店を持つことは、幸せ以外の何ものでもない。横浜は上大岡。鎌倉街道沿いの「房'z（ぼうず）」は、たとえ初めて訪れても、ずっと昔から通っている常連のように温かく迎えてくれる、万人にとっての「行きつけ」のような店だ。

　上大岡で育った、代表の新澤聖樹さんは言う。
「くつろぎの空間を目指しました。店に入ったときに、まるで家に帰ってきたような、ホッとする瞬間を味わってもらいたいんです」

　入り口をくぐって左手には、竹をあしらったカウンター席。店の置くには畳調の椅子を設えたテーブル席も用意され、グループでゆったりと時間を過ごすこともできる。決して広々としているとは言えないが、席と席、厨房とホールの程よい距離感が、ざっくばらんなコミュニケーションを生む。落ち着きある和風のたたずまいは、店長のこだわりだ。系列店の内装も、どこかに必ず和のテイストを取り入れているという。


「房'z」外観


カウンター


半個室

　看板メニューは3種類の餃子だ。ネット通販でも人気を博す具だくさんの餃子には、店長のこだわりもぎっしり詰まっている。

　からしと相性抜群の「とろ豚ぎょうざ」、ごま塩ダレで味わう「鶏塩ぎょうざ」。「ささみとしそのぎょうざ」はおろしポン酢で。バリエーション豊かなうえに、全品5個480円と、懐にも優しい。
通販：『横濱　鉄腕餃子』　http://www.rakuten.ne.jp/gold/tetsu-1/

　そのほかにも、かつて有名ホテルの中華料理店で腕を振るった店長が産み出す創作料理の数々が、房'zの人気を支えている。「地鶏のたたき（630円）」、「地鶏のユッケ（630円）」、「レバ刺し（520円）」、「ハツ刺し（520円）」などが揃う地鶏の刺身。芋焼酎にぴったりの「タコ焼き玉子（530円）」。特別に奇をてらったものはない。新澤代表いわく、「よくあるものに、ひと工夫を」。オーダーした料理が届いたとき、良い意味での「ギャップ」を感じて欲しいというのが、店長の願いのようだ。


タコ焼き玉子（530円）

　ドリンクは各種焼酎、日本酒をメインにしており、店内の壁に見事に並ぶ。それらを御値打ち価格で楽しめるところが房'zの良いところだ。ビールは生ビール以外に、世界のビール、そしてＮＹで大人気の茨城県那珂市産のクラフトビール、「常陸野ネストビール」も味わえる。「いろいろと試したり、薦められたりしているうちに増えてしまったんです」

ネストビール

　好みの酒と、おいしい料理の組み合わせも自由自在というわけだ。

「毎日のように着てくださる方もいらっしゃるので、飽きないように、メニューは日替わりに近い形でご提供する部分もあります。それと、房'zならではの定番の味とを組み合わせて楽しんでいただければ」　
　最近は、「くじらの刺身」をメニューに取り入れるなど、新しい挑戦も忘れない。刺身あり、竜田揚げありと、懐かしくも新しいクジラメニューは、房'zの新定番になりつつある。


凍温熟成くじらの刺身

「上大岡から、新しいグルメを発信していきたい」。

　横浜の下町・上大岡が地元の人も、初めての人も、房'zは快く迎えてくれる。訪れた人は必ず、「行きつけの店」を見つけた気分になるはずだ。

【房’z】

住所	神奈川県横浜市港南区上大岡西2-6-31 2F
電話番号	045-845-9906
営業時間	月〜土　18:00〜5:30 日・祝　18:00〜24:00
定休日	無休
客席数	24席
客単価	3000円
経営母体	株式会社オムニバス